子供たちはどこにいる Where are the Children? |
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読了日 | 2008/3/27 | |
著 者 | メアリ・H・クラーク Mary Higgins Clark |
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訳 者 | 深町眞理子 | |
出版社 | 新潮社 | |
形 態 | 文庫 | |
ページ数 | 474 | |
発行日 | 1980/10/25 | |
書誌ID | 0197-216602-3162 |
006年NHKのBSで放送された「ずっと忘れられない」、「あなたに会いたくて」、「揺りかごが落ちる」という3本の海外ドラマで、初めてメアリ・ヒギンズ・クラークという名前を知った。
よく出来たサスペンスドラマだったことから、僕は例によってDVDに残したりしたが、そのまま忘れていた。
ところが今年3月になって、スカパーのミステリチャンネルでもNHKとは違うメアリ・クラーク原作のドラマが放送された。「ゴシップ・コラムニスト殺人事件」、「見覚えのある顔」、「月あかりの似合う女」の3本だ。
こで僕は俄然興味が湧いて調べてみると、著者は20冊以上の長編を書いており、サスペンスの女王とも言われていることが判った。そしてなお驚いたことはその大半が映像化されていたことだ。
僕は、書店の棚を見ていても自分の興味のないところには眼を向けないから、こうした著名な作家を見逃していることは多いのだろう。
さて、そうして興味を惹かれたので、BOOKOFFへ行ってみると、新潮文庫の棚にたくさんの彼女の作品が並んでいた。その中から本書を選んで買ってきた。初めて読むので、手ごろな厚さの文庫を選んだのだが、それがたまたま訳者の深町眞理子氏の解説では、翻訳されている中では、一番先に書かれたものだと云う。
カリフォルニアから大陸を横断して反対側のケープコッドに居を移したナンシー・エルドリッジは、かつて二人の幼い子供を殺害したという容疑で、危うく有罪になるという過去があった。彼女の有罪を証言する証人が失踪したために検察は起訴をあきらめて彼女を開放したのだった。当時彼女の夫だったカール・ハーモンは二人の子供が遺体で見つかった後に投身自殺をしていた。現在彼女はレイ・エルドリッジという不動産業者と結婚して、また息子マイクルとミッシーという娘を持つ母親となり、幸福な生活を送っていた。ところが、彼女の誕生日という日に外で遊んでいた二人の子供が行方不明となる。
こうした発端で物語は始まる。再び彼女に二人の子供を殺害したという容疑がかけられるのか?
というサスペンスが読み進むほどに高まるのだが、終盤から大団円に到るときに、この作者のストーリー構成の巧みさに圧倒される感じだ。なにしろ、プロローグの部分から中盤、そして終盤へと張り巡らされた伏線が見事に収束していくとともに、緊張感が休むことなく続くのである。
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