ゲノムの方舟 | ||
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読 了 日 | 2006/09/17 | |
著 者 | 佐々木敏 | |
出 版 社 | 徳間書店 | |
形 態 | 単行本 | |
ページ数 | 571 | |
発 行 日 | 2000/10/31 | |
I S B N | 4-19-861250-1 |
際政治学、及びIT関連の事情通である著者が、初めて世に問う作家デビュー作である。
全文2段組571ページは、見ただけで圧倒されるような暑さの単行本だ。
僕は、このようなタイトルに弱く、メールマガジンの紹介の中に、このタイトルを見つけて、すぐに注文を出した。
もともとこのブログ、というより読書記録を始めたのが、P・コーンウェル女史の「検屍官」シリーズを呼んだことにあり、それに伴ってメディカル・サスペンスにも興味を持ったことがきっかけになったことは、何度も書いてきた。
最近は、バイオ・テクノロジーという言葉が頻繁に使われるようになった。既に生物の遺伝子研究が進んで、クローン生物が生まれて話題を呼んでから久しい。読書から派生して、僕はそうした方面にも興味を持って、自然と関連した話題が耳に、目に入るようだ。だからという訳でもないが、僕はこうした本に惹かれるのは、なんとなく興味を持った話題に対しての、知識欲を満たされるような気がするからでもある。
タイトルのゲノムとは、周知のごとく今言った遺伝子の集まったもので、ひとつの生物を構成する最小の集合体のことだという。この遺伝子を研究する機関は数多くあるようだが、小説では生物学的な研究が兵器に使われようとする問題を描いている。
テロリスト集団がWHO(World Health Organization:世界保健機関)を狙っているという情報を、アメリカ政府が入手した、ということから物語りはスタートする。
スイス政府にまで警告を発したテロリスト手段の狙いは何か?彼らが送ってきたのは地球上から根絶されたはずの、天然痘ウィルスだった。現在研究用のためにウィルスを保存しているのは、アメリカとロシアに冷凍保存されているものだけだ。
グローバルな舞台を駆使して展開するストーリーは、2段組み570ページの長さをまるで感じさせずに、わくわくとした期待と緊張感を持続させながら、読み進ませる。
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