隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

2066.探偵は御簾の中 鳴かぬ蛍が身を焦がす

2022年02月16日 | 時代ミステリー

 

探偵は御簾の中
鳴かぬ蛍が身を焦がす
読了日 2022/01/17
著 者 汀こるもの
出版社 講談社
形 態 文庫
ページ数 274
発行日 2021/08/12
ISBN 978-4-06-524524-8

 

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こかでこの作者の名前だけは見たことがあり、全く興味がなかったわけではないが、近ごろは次々と言う具合に新人作家が誕生するから、その全てに興味を抱かせることは到底無理な話だ。
この本もタイトルの面白さから手に取った。だが、見始めると平安京の宮様方の行動や言葉遣いなどにどうにもこうにも、理解や同調と言ったことが追い付かず、途中で投げ出してしまった。
そして、1月も30日になって、田中澄江氏の『枕草子への招待』を読み始めて。いろいろと当時の解釈などを交えた草紙の面白さに酔いつつ読み終った後、さらには山村美紗・西村京太郎両氏の共著による『在原業平殺人事件』を読むに至り、ようやくの事その時代に思いを馳せることが出来るようになったという次第だ。 いろいろと、いにしえの文学や詩歌を読みことが、その時代の問族や風習を理解することに、つながることをいまさらに至り、知り何のために2千冊余りの本を読んできたのだろうと、後悔や反省しきり。
近いうちに『伊勢物語』を読みたいという気になり、図書館にたくさん有ると言うことも分かり、嬉しくなった。と言っても、もちろん端から全部読める、あるいは読む、と言うことではないが・・・・。
何を言っているのだろう、訳の分からぬことを言っているようだが、見聞を広めるのは良いことだろう。

 

 

巻頭に平安京の役職やその読み方が記されているが、それらの事に無知ともいえる僕は、何度も繰り返し確認して、本文に出てくるそれらの名前を覚えないと先に進まなかったが、その前に田中澄江氏の『枕草子への招待』を先読んでおこうと、急いで読んだことでどうやらこの平安京に多少の知識を得たこと、また一番はその時代に慣れた事か!お蔭で大分読みやすくなった。
同じ国に居ながら、時代が違うと全くチンプンカンプンになってしまうのは、納得できないが、不勉強のなせる業だから仕方がない。はるか昔に教わった高校教師の栗原さんなら、面白おかしく教えてくれたのだろうな、と叶わぬ思いを抱く。平安時代にも現代と同様の夫婦模様が描かれて、何とも言えない可笑しさを感じるが、千年以上の時を隔てても、人間の考えたり思ったりすることに、大差はないことや、それが行動に現れることに滑稽さを感じるのは、作者の巧みさなのだろう。

 

 

月13日の深夜、テレビで北京五輪のスピードスケート女子の500m競技を眠さをこらえて観戦した。
普段そんな遅い時間までテレビを見続けることはないのだが、小平奈緒選手のファンである僕は、彼女の走りを観たかったのだ。15組30人が争う競技で、早い回に登場した高木美帆選手が出した37s12と言う記録は14組で走ったアメリカのエリン・ジャクソン選手が37s04と言う記録を出すまで、1位を占めていたことに、感激。
結局高木美帆選手は2位で銀メダルを獲得した。目的の小平奈緒選手は10組で登場したが、スタートで氷に引っかかり、その遅れを取り戻せず、記録は38s09に終わり連覇はならなかった。平昌五輪の雄姿を蘇らせる姿を期待したが、終わった後の彼女の姿からは世代交代と言うような感じを受けたのは多分僕の偏見だろう、だが小平選手にはまだ見せていない力を秘めているのだ、 と言うのが偽らざる僕の気持ちだ。

女子団体パシュートの決勝は、優勝間近の転倒トラブルによリ、残念ながら銀メダルに終わったが、世界一美しいと言われるパシュートの姿を見せていた。再びその美しい姿を競技の場で見せることを期待しよう。

 

 

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