4月の読書メーター読んだ本の数:34
読んだページ数:11026
ナイス数:4348
赤の王の
感想青の王・白の王に続く「ナルマーン年代記」三部作の完結編。旧王家の血を引くマハーンと、炎を操る力をもつシャン。砂漠の狂王・サルジーンとの戦いは?前作の内容がうろ覚えの部分もあったので、青白赤と一気読みした方が楽しめるかも。でも、この世界観好きです。面白かったですよ。
読了日:04月01日 著者:
廣嶋 玲子あふれでたのは やさしさだった 奈良少年刑務所 絵本と詩の教室の
感想読み友さんの感想で知った1冊です。寮美千子さん初読み。奈良少年刑務所で絵本と詩の教室の講師を務めた著者。童謡・象さんの歌を知らないで育った子、「宿題」の意味を知らなかった子、彼らは加害者になる前に被害者であったとも言える。絵本を読み、役を演じ、詩を書き、人の言葉に耳を傾けることで変わって行く彼ら。共感し、見守ることの大切さを学ばせてもらいました。とても良い本です。お薦め!
読了日:04月01日 著者:
寮 美千子わたしの美しい庭の
感想マンションの屋上の「縁切り神社」、美しい庭園。小学生の百音と宮司兼翻訳家の統理は血縁のない家族、隣人でゲイの路有、高校生の時に亡くなった恋人を忘れられない桃子。世間体にとらわれず暮らして行く日々、悪いものを断ち切る縁切りさん、凪良さんの文章はするりと心に染み込みます。
読了日:04月02日 著者:
凪良 ゆう今、空に翼広げての
感想通学班でたった一人の1年生・翼。お世話係りは5年生のマキ、班長でしっかり者の里奈と俳句を読むブラジル人パウロは6年生。ずけずけとものを言う4年生の圭太、おしゃれな2年生ティアラ。6人の通学路と翼の家の複雑な事情、呪いを解くために彼らの取った行動。とても素敵な1冊、児童書ですが大人にもお薦めです。
読了日:04月02日 著者:
山本 悦子グッドバイの
感想幕末の長崎、油商大浦屋の女主お希以❨けい❩。無鉄砲にも一人で茶葉の交易に乗り出した。激動の時代を生き抜いた女性の一代記。信義を重んじた商い、外国人相手にも時の権力者にも怯まず立ち向かうお慶さん、とても格好良い女性でした。
読了日:04月03日 著者:
朝井まかて消えた警官 (新潮文庫)の
感想柴崎令司シリーズ。2年前に忽然と姿を消した小幡弘海巡査部長。柴崎・上河内・高野の3人は小幡についての捜査を始める。ひき逃げや老女の不審死、女子高生殺害事件を解決しながら台風の日に入水自殺した女性について捜査にあたる。小幡は何故姿をくらましたのか?明らかにされたのは深い闇。面白かったです。柴崎より、上河内と高野の能力の高さが際立っているような。
読了日:04月04日 著者:
安東 能明たおやかに輪をえがいて (単行本)の
感想主婦・絵里子52歳。穏やかに人生の後半を送るものだと思っていたある日、次々に明らかになる家族の真実。知らなかったのは絵里子だけ?妻でも母でもない、女性としての生き方。絵里子には親友・詩織が居たからここまで踏み出すことが出来たのかも?
読了日:04月05日 著者:
窪 美澄泣くな研修医の
感想研修医・雨野隆治25歳。何も出来ない駆け出し研修医の成長譚。あまりの出来なさっぷりにハラハラさせられたけど、泣きながら懸命に命の現場で奮闘する彼を応援しながらページを捲っていました。こんなドクターに診て貰えたら良いな。
読了日:04月06日 著者:
中山 祐次郎流浪の大地の
感想IR建設を巡るゼネコンの闇と政治家の陰謀。志を持ってゼネコンマンになった新井の苦悩と真実を炙り出そうと奔走する中央新聞の記者、那智・滝谷・向田。黒塗りの資料の謎が解けてからの展開が早く、一気に面白くなりました。
読了日:04月07日 著者:
本城 雅人〈銀の鰊亭〉の御挨拶の
感想北の港町の老舗料亭旅館❮銀の鰊亭❯、1年前の火災と焼死した当主夫妻と身元不明の二人の遺体。両親を助けようとした娘の文は怪我を負い記憶を失った。甥っ子の光が事件を独自で調べる刑事・磯貝と共に謎を探るが…。うーん、続編を待ちましょう。感想はそちらで。
読了日:04月07日 著者:
小路 幸也銀をつむぐ者 上 氷の王国と魔法の銀の
感想大好きな中世東欧が舞台のファンタジー。金貸しの娘・ミリエムは「銀を金に変える娘」という評判が。氷の王国のスターリクにすべての銀貨を黄金に変えよと難題を押し付けられる。貧しい農家の娘・ワンダと公爵令嬢・イリーナ、勇気ある女性たちが魅力的。面白い!感想は下巻で。
読了日:04月08日 著者:
ナオミ ノヴィク銀をつむぐ者 下巻 スターリクの王妃 (下巻)の
感想スターリクの王国に連れ去られたミリエム、魔物が取り憑いた皇帝に嫁いだイリーナ、大酒飲みの父親を殺してしまった弟と逃げるワンダ。3人の娘たちの運命が絡み合い氷と火の戦いが始まる。壮大なファンタジー、娘たちは自分の力で幸福をつかみとる。銀を金に変える、その意味は戦いの中で明らかになって行く。面白かったです!ティーンズコーナーにあったので、中学生以上向けかな。
読了日:04月09日 著者:
ナオミ ノヴィク([ひ]5-1)失せ物屋お百 (ポプラ文庫)の
感想化け物長屋に住む、左目だけが青いお百は、人には見えないものを見る特別な力を使い、失せ物探しを生業にしている。転がり込んだ化け狸の焦茶丸と曰く付きの失せ物を見つけ出す。シリーズのスタートかな?次巻が出たら読みたいです。面白かった!
読了日:04月10日 著者:
廣嶋 玲子夜がどれほど暗くてもの
感想週刊誌記者の志賀は大学生の息子が殺人事件を起こして自殺、加害者家族となった。人の醜聞を暴いてきた志賀がマスコミや世間の攻撃を受ける立場になったとき…。結末は想像通りだったけれど、面白かった!宮藤・葛城のコンビ登場が嬉しかった。
読了日:04月11日 著者:
中山七里わかれ縁の
感想公事宿は江戸時代の訴訟を扱う場所。ろくでなしの亭主から身ひとつで逃げ出したお絵乃は公事宿・狸穴屋で手代として様々な依頼と向き合い、夫からの離縁を果たすことを目指すが…。江戸の人情ものを描かせたら西條さん、面白かったです!
読了日:04月11日 著者:
西條 奈加できない男の
感想真逆なタイプのデザイナー、荘介と裕紀。東京からバスで2時間の農業テーマパークのコンペで出会った2人の成長譚。サクサク読めて読後良し!面白かったです。
読了日:04月12日 著者:
額賀 澪ダーク・ブルーの
感想フィリピン沖で潜水調査船りゅうじんの検証実験をするために航行中の母船が武装集団に襲撃された。彼らの目的は深海の沈没船に隠された「宝」。海の底でシージャック犯とたった二人で過酷なミッションに挑むヒロイン・大畑夏海。まずまずの面白さだったけれど、恋愛絡みのシーンは無くても良かったかな。
読了日:04月13日 著者:
真保 裕一あたしの拳が吼えるんだ (単行本)の
感想弱いものいじめをする上級生の男の子を一発殴ってやろうという邪な理由で戸部ボクシングジムに入門した風花。洋裁店で働きながら風花を育てる母の陽菜子。二人の視点で進む物語。宮沢賢治の「雪渡り」、大好きなお話だったのでたくさん引用されていて嬉しかったです。久しぶりの山本幸久さんの長編、とても良かったです♪お薦めです。
読了日:04月14日 著者:
山本 幸久野守虫(のもりむし)の
感想片倉康孝刑事シリーズ第4弾。弁護士と接見中にアクリル板を蹴破って脱走した男・竹迫和也は6年前に片倉が逮捕した男だった。休暇でローカル線・飯田線の天竜峡に赴く片倉と、犯罪を重ねながら逃亡する竹迫もまた天竜峡へと。ろくに教育を受けていない竹迫の頭のよさに驚愕、旅情サスペンス、面白かったです。
読了日:04月15日 著者:
柴田 哲孝夏物語の
感想2020本屋大賞第7位。本作読了でノミネート作コンプリート。「乳と卵」の続編と聞いていたのでそちらを読了してから取りかかったのですが、前半はほぼ「乳と卵」だったのでこれ1冊でも良かったかも。38歳の夏子は自分の子供に会いたいと願うようになり、AIDでパートナー無しで子を持つことを探り始める。AIDで生を受け本当の父を探す逢沢との出会い、生命誕生の意味。難しいテーマを取り上げた意欲作、でも、ちょっと冗長に感じてしまったのが残念。
読了日:04月17日 著者:
川上 未映子希望のゆくえの
感想放火の疑いをかけられた女性と共に失踪した弟・希望❨のぞむ❩。兄・誠実❨まさみ❩は弟の行方を追い彼の周辺の人々に希望のことを尋ねるが、弟という人間が分からなくなって行く。兄弟と言っても人格はそれぞれ違っている。互いを理解しあうことってとても困難なのでは。読み終えてもスッキリはしなかった。
読了日:04月18日 著者:
寺地 はるな希望の図書館 (ポプラせかいの文学)の
感想読み友さんの感想から。素敵な1冊でした。1946年のアメリカ、母を亡くしたラングストン少年は、父と共に南部アラバマから北部のシカゴに引っ越した。馴染めない都会の生活、南部出身をからかういじめっこ。居場所のなかった少年が見つけたのは誰もが自由に入れる図書館だった。同じ名前をもつ詩人との出会い。私たちはなぜ本を読むのか?
読了日:04月18日 著者:
リサ クライン・ランサム死刑囚メグミの
感想不幸な生い立ちながら、准看護師として都会の片隅で生きてきた小河恵。多額の借金のためキャバクラで働きながら返済に奔走していた恵を陥れた荷物の運び屋のアルバイト。マレーシアで逮捕され、死刑判決を受けた恵を救うために一人の記者が事件を調べ始める。まるでノンフィクションを読んでいるようなリアルさ、面白くて一気読み。
読了日:04月19日 著者:
石井光太透明な夜の香りの
感想書店員を辞め家に引き込もっていた一香が始めたバイトは、古い洋館の家事手伝い。調香師の小川朔が完全紹介制の「香り」のサロンを開くその家には風変わりな依頼人がやって来る。一香の抱えていたものの切なさと朔の持つ特性。とても静謐な雰囲気でじっくりと余韻に浸れる1冊です。
読了日:04月20日 著者:
千早 茜三兄弟の僕らはの
感想突然両親を事故で喪った三兄弟、朗・昭・幸。母方の祖母栄枝さんとの暮らしが始まり、今まで知らなかった両親の秘密が明かされて…。かなりの衝撃ではないかと思うけど、そこは小路作品、安定の読後感です。悪人が出てこないのが、この時期には嬉しい。
読了日:04月21日 著者:
小路 幸也灰の男の
感想東京大空襲に隠された真実とは?10万人の犠牲者を出し、下町を焼き尽くした絨毯爆撃。軍部・政治家・マスコミの中に居た和平派の企み。歴史の闇を炙り出す力作でした。
読了日:04月23日 著者:
小杉 健治アンソロジー 初恋 (実業之日本社文庫)の
感想待ってました♪アミの会❨仮❩。永嶋恵美さんの「アルテリーベ」と松村比呂美さんの「迷子」が良かったです。毎度楽しませて貰えるこのアンソロジー、今度はどんなテーマを読ませて貰えるかな?
読了日:04月23日 著者:
アミの会(仮)烙印の森 (集英社文庫)の
感想ザ・大沢と言うハードボイルド。1992年単行本で刊行、1996年に角川文庫に、今回集英社文庫で。芝浦の運河沿いのバー「ポット」に集まる裏稼業の面々と、伝説の殺し屋・フクロウ。カメラマン・メジローがフクロウを追いかける理由。さらっと読了。あまり頭を使わないで読めますよ。
読了日:04月24日 著者:
大沢 在昌魔法のたいこと金の針の
感想雪のふる夜、町はずれの小さな仕立て屋さんの前に現れたのは鬼の子。破れた太鼓を直して欲しいと。腕の良い人にしか使えない不思議な金の針、仕立て屋・平井さんと次々にやって来る奇妙なお客さん。何とも素敵なほっこりした読み心地の1冊でした。この時期、児童書も良いですね!
読了日:04月24日 著者:
茂市 久美子雪と心臓の
感想地元出身の作家さんの3作目。クリスマスの夜、燃え盛る炎の中から10歳の少女を救いだした男。男は少女をそのまま連れ去った。そこからの回想シーンが長くて途中で離脱しようかと思ったけど、終盤の展開が見事!勇帆と帆名、双子の男女の物語。破天荒な帆名❨はんな❩が印象的で、忘れられなくなりそう。
読了日:04月25日 著者:
生馬 直樹たそがれダンサーズ (単行本)の
感想定年後の運動不足解消がきっかけの田中・モテたい一心の商社マンの川端・町工場の経営者の大塚、社交ダンスを始めたきっかけはそれぞれ違っている。初心者の彼らを指導する講師の米山は無気力でなげやり。そんな彼らが目指したフォーメーションダンス、中年男性たちの熱い戦い。面白かったです。
読了日:04月27日 著者:
桂 望実涼子点景1964の
感想1964年の東京オリンピック。国立競技場近くの猥雑な雰囲気と一人の男の失踪事件。いろんな表情を見せる小野田涼子を巡る物語。終章で涼子の幸せを知ることが出来て良かったです。面白かった!
読了日:04月28日 著者:
森谷 明子暴虎の牙の
感想孤狼の血シリーズ3部作の完結編。昭和57年の広島呉原で愚連隊・呉寅会を率いて極道を相手に暴れまわる沖。沖を食い止めようと奔走する大上。時は平成16年へ移り、懲役を終えた沖と対峙する日岡。広島弁と暴力シーンが脳内をグルグル…。あぁ、ガミさん!
読了日:04月29日 著者:
柚月裕子誘拐屋のエチケットの
感想凄腕の誘拐屋・田村健一は、おしゃべりで泣き虫の見習い・根本翼と嫌々ながらコンビを組むことに。スキャンダルを起こした女優、借金取りに追われる元天才ピアニスト、失踪した大相撲力士など訳あり人物を誘拐する。田村が誘拐屋になったきっかけ、翼が企んでいたこと、ラストに向かい様々な伏線が回収されてハートフルなエンディングへ。楽しく読めます。この時期にはお薦めかも?
読了日:04月30日 著者:
横関 大読書メーター