ゆみねこ日記

日常日記です。

3月の読書記録

2022-04-01 15:28:08 | ブックレビュー
3月の読書メーター
読んだ本の数:23
読んだページ数:7546
ナイス数:3047

山のふもとのブレイクタイム (単行本)山のふもとのブレイクタイム (単行本)感想
前作の内容はうろ覚えだったが十分楽しめた1冊。店長への愛があふれる従業員の美玖ちゃんの鋭い味覚が一段と冴え渡る。山の素敵な景色を眺めなからイケメンシェフが作る絶品料理、現実にあったら行きたくなる。
読了日:03月01日 著者:髙森 美由紀
落花流水落花流水感想
鈴木るりかさん、待望の新作は田中家ではなく高3の女子高生を主役に据えた等身大の青春もの。幼い頃から憧れていた近所のお兄ちゃんが犯罪者に。事実を認められず夢であって欲しいと願う佐藤水咲。水咲の一途さと文芸部の仲間たちとのやり取りがユーモラスで何度も笑った。ラストもホロリと…。るりかさん、沢山本を読んでいる事が伺えますね。この春から大学生になられるとのこと、活躍を楽しみに待っています。
読了日:03月02日 著者:鈴木 るりか
失われた岬失われた岬感想
親しく交流していた友人夫妻が突然身の回りを片付け、清貧な暮しを始め、やがて北海道の果ての岬へと消えた。ノーベル文学賞作家の一ノ瀬も受賞式の前夜に失踪し、同じく岬へと。友人や一ノ瀬を追い失踪の謎を追う前半はテンポ良く読み進めたが、後半はやや苦戦した。近未来の日本のことが描かれたり詰め込み過ぎなところも残念。薬は怖い。伝書鳩とか羆とかツールは中々面白かった。
読了日:03月05日 著者:篠田 節子
もどかしいほど静かなオルゴール店もどかしいほど静かなオルゴール店感想
運河のある北の町から南の小さな離島に移転したオルゴール屋さん。今作はお店を訪れる人々がメインの連作短編。幼なじみに想いを伝える「カナンタ」夫の心変わりと夫婦のすれ違い「バカンス」都会っ子の少女と地元の少年「ゆびきり」北欧から嫁いできた花嫁「ハミング」元売れっ子ミュージシャンと旧友「ほしぞら」島神様に仕えるおババ「からっぽ」、そして前作の小さな男の子が成長して妹と「みちづれ」。続編出たら読みたい!心が満たされる1冊。
読了日:03月06日 著者:瀧羽 麻子
半逆光半逆光感想
独立した息子の部屋を片付けていた香菜子がクローゼットから古いPCを見つけて開き、夫と女の親密なメールがあることに気付く。子育てで多忙な日々を過ごす香菜子を裏切り、若い女の元に通っていた夫…。前半は妻の、後半は不倫相手の視点と彼女が書いた小説。うーん、夫の身勝手さにただただ腹立たしいのと、怒りを口にしない香菜子にもイライラ。結末もモヤモヤな1冊。
読了日:03月07日 著者:谷村 志穂
同志少女よ、敵を撃て同志少女よ、敵を撃て感想
逢坂冬馬さん、初読み。第二次世界大戦のソ連とドイツの戦いで母を殺され村を焼き払われた少女・セラフィマは狙撃兵となる。スターリングラードの攻防戦、戦場の悲惨さ、女性への蔑視や踏みにじられる尊厳、あっけなく奪われる命。真の敵は?ロシアのウクライナ攻撃の最中にこの本を読む事が辛くて精神的にキツかった…。第11回アガサ・クリスティー賞、第166回直木賞候補作・本屋大賞候補作。
読了日:03月10日 著者:逢坂 冬馬
夜のお茶漬け 食堂のおばちゃん(11) (ハルキ文庫)夜のお茶漬け 食堂のおばちゃん(11) (ハルキ文庫)感想
11弾は大きな変化の巻。3人で仲良く営む「はじめ食堂」も町の再開発問題に翻弄されたりで揺れ動く。騒動が解決して慰労の為に訪れた和食の名店での万里くんの気付き。若者の巣立ちを温かく見守る一子さんと二三さん、頼もしい後任も決まり「はじめ食堂」の先行きも明るい。次巻はどうなるのかな?
読了日:03月11日 著者:山口 恵以子
花咲小路二丁目の寫眞館花咲小路二丁目の寫眞館感想
シリーズ7作目は2丁目の古くからある寫眞館。4代目社長の重と新人従業員の樹里が、セイさんと共に4丁目で起きた火事の謎に迫る。セイさんが若いふたりに自らの正体を明かしてまで知りたかった火事の謎と、矢車家の秘密とは?悪人は出てこない安定の小路作品、楽しく読了!
読了日:03月12日 著者:小路 幸也
オオルリ流星群オオルリ流星群感想
28年前高校3年生の夏、空き缶タペストリーを作った仲間たち。国立天文台の研究者だったスイ子が秦野に戻って来て自力で小さな天文台を作ると言う。あの夏を共に過ごした仲間たちはスイ子に協力を申し出る。小さな薬局を営む久志と地元の中学校教諭の千佳の目線で語られる物語、あの夏の秘密が明かされ、今を生きる彼らの苦しみや悩みも。「今は見えなくても、幸せの星は何度でも輝く」、涙で読了後に帯の文章でまた落涙。お薦め!
読了日:03月13日 著者:伊与原 新
ふしぎ駄菓子屋 銭天堂15ふしぎ駄菓子屋 銭天堂15感想
ニセ紅子さんを仕掛けた六条教授!銭天堂を騙って商品を配り、口にした人に害を為す…。悪企みに気づいた紅子さんがどう逆襲に出るか?次巻が楽しみに!
読了日:03月13日 著者:廣嶋玲子
チェンジ 警視庁犯罪被害者支援課8 (講談社文庫)チェンジ 警視庁犯罪被害者支援課8 (講談社文庫)感想
犯罪被害者支援課シリーズ8、シーズン1完結編。元恋人の愛とランチに向かう途中で通り魔事件発生の連絡を受け、現場に急行した村野。そこには瀕死の被害者から乱暴に話を聞こうとする追跡捜査課の沖田が。重症を負った被害者は、8年前の未解決事件の容疑者だった。迷宮入りした事件と通り魔事件の関係は?堂場作品オールスターが登場する楽しさと村野の心の変化、ラストの空港のシーンにはニヤニヤが止まらなかった。
読了日:03月15日 著者:堂場 瞬一
あの春がゆき この夏がきて (文芸書)あの春がゆき この夏がきて (文芸書)感想
うーん…文章の美しさでどうにか読み切った。
読了日:03月16日 著者:乙川優三郎
感染捜査感染捜査感想
何とも凄まじい感染症。噛まれたら発症する強力なウィルス。2020東京五輪を目前にしたその時、お台場と東京湾上の豪華客船でクラスターが。肉食系のヒロイン・由羽と海保のクールな指揮官・来栖がゾンビ化した患者たちに立ち向かう。これでもかと言うくらいに続く殺戮シーン…。ウィルスの変異の恐ろしさはしっかりと伝わったけど、由羽は最後まで好きになれなかった。
読了日:03月19日 著者:吉川 英梨
あんの夢 お勝手のあん (ハルキ文庫 し 4-7 時代小説文庫)あんの夢 お勝手のあん (ハルキ文庫 し 4-7 時代小説文庫)感想
安政大地震から立ち直りかけた品川宿を台風の高潮が襲い、紅屋も大きな被害を受ける。建て替えの為2ヶ月の休業が決まりおやすは深川の煮売り屋へ料理修行に。品川を離れたことで新しい気付きを得ておやすのこれからが楽しみ!トシさん登場で興奮しまくりのゆみねこでした。あ〜次巻が待ち遠しい!
読了日:03月19日 著者:柴田 よしき
サンドの女 三人屋 (実業之日本社文庫)サンドの女 三人屋 (実業之日本社文庫)感想
父の遺した店を3人姉妹が朝・昼・夜と業態を変えて営む「三人屋」、3女朝日の就職で朝の営業は無くなったが、朝から昼過ぎに次女まひるが自家製玉子サンドが大評判に。長女夜月のスナックは地元商店街のワケあり常連客の憩いの場に。ゲイの若者・書けない小説家・女泣かせのスーパー店長、三姉妹の恋模様も絡め悲喜交々。あっさり読破したので記憶に残るかな?
読了日:03月20日 著者:原田 ひ香
空にピース空にピース感想
公立小学校教師になって5年目の澤木ひかりは都内の赴任先で衝撃を受ける。6年2組には立ち歩き、不登校、ネグレクト、日本語の分からない外国人と問題を抱える児童が。同僚に「この学校では何もしないこと」と釘をさされるが、持ち前の負けん気と行動力で児童たちに向き合ってゆく。ラストのピースと、運動会で泣けた!ひかりのクラスの子供たちは幸せだと思う。親の所得の高低で子供の未来が閉ざされる社会であってはならないと強く感じた。良書、お薦め!
読了日:03月21日 著者:藤岡 陽子
神よ憐れみたまえ神よ憐れみたまえ感想
幸せに満ち溢れていた12歳の少女を襲った不幸。魔の土曜日と呼ばれた昭和38年11月9日に何者かに両親を惨殺された黒沢百々子。彼女の人生は大きく歪められ、犯人も逮捕されない。作中で読者には犯人が分かるが百々子は気付くことなく成長してゆく。やがて知ることになる真実は更に百々子を傷付けることに。美しい少女が強く変貌してゆくストーリーに引き込まれ一気に読了!たづさん夫妻は真の味方であり理解者、石川家でずっと暮らして欲しかったな…。
読了日:03月23日 著者:小池 真理子
上流階級 富久丸百貨店外商部 (3) (小学館文庫 た 35-3)上流階級 富久丸百貨店外商部 (3) (小学館文庫 た 35-3)感想
雲の上の世界を垣間見る楽しさ、それがこの作品の醍醐味。静緖はお客様の為に精一杯の頑張りを。面白かった!
読了日:03月25日 著者:高殿 円
下北沢であの日の君と待ち合わせ下北沢であの日の君と待ち合わせ感想
夢を持ち上京した若い女の子たちが下北沢のボロアパートで過ごした日々。理夏とアッコ、元住人のちはるはアッコの恋人を巡るトラブルですれ違いバラバラに。30年を経て一通の手紙が届き、明かされた真実。若さゆえの未熟さと一途さは、かって若かったすべての人の心に響く。名店アンゼリカのカレーパンと味噌パン、食べてみたい!
読了日:03月26日 著者:神田 茜
転がる検事に苔むさず転がる検事に苔むさず感想
直島翔さん、初読み。第3回警察小説大賞受賞作。面白かった!若い男が鉄道の高架から転落し猛スピードで走る車に衝突した。自殺か他殺か?所轄の警察の刑事課長、区検の検事、交番の巡査は被害者周辺を捜査すると彼の周辺には灰色の影が…。事件の真相、検察内部の人事にまつわる足の引っ張り合い。久我周平がとても魅力的で家族への思いがまた素敵、部下の倉沢や有村巡査も良いキャラクターだ。これがデビュー作とのこと、楽しみな作家さんだ!
読了日:03月28日 著者:直島 翔
矜持(きょうじ)警察小説傑作選 (PHP文芸文庫)矜持(きょうじ)警察小説傑作選 (PHP文芸文庫)感想
警察小説の名手6人のアンソロジー。どの作品も味わいがあり面白かった。今野さんの安積シリーズ、未読なので追いかけてみたい。佐々木さんは駐在巡査・川久保さん、安定の面白さ。黒川さん、ちょっと昔の作品なのだが読ませる。安東さん、元物理教師の神村のキャラが良い。逢坂さん、惚れた相手は…(笑)。大沢さんは新宿鮫、格好良い!
読了日:03月29日 著者:大沢 在昌,今野 敏,佐々木 譲,黒川 博行,安東 能明,逢坂 剛,西上 心太
アキレウスの背中アキレウスの背中感想
公営ギャンブル対象となったマラソンレース、出場する日本人アスリートに脅迫状が届く。大会を妨害する目的はシューズやウェアなどの高度な機密情報と大会そのものを失敗させること。国際テロ組織に挑むのは警察庁か立ち上げたMIT。リーダーに抜擢された女性警察官と3人の部下たち。高速化するマラソンを陰で支えるスポーツメーカー、近い将来こういう戦略が実現するかもしれない。面白かった!
読了日:03月30日 著者:長浦 京
かがやき子ども病院トレジャーハンター (文学の扉)かがやき子ども病院トレジャーハンター (文学の扉)感想
病院の院内学級に通う子供たちは、骨形成不全の良志くんが作った物語「氷の王女」に夢中になる。ところが物語は未完、結末を綴ったノートはある場所に隠してあると。どうしても続きを読みたい子供たちは夜の病院でお宝探しの冒険をすることに。病と闘いながら、友達との関係を深め、成長する彼ら。とても素敵な1冊でした。
読了日:03月31日 著者:まはら 三桃

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コメント (2)
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