その昔、八卦掌の達人・宮宝田翁が客人とテラスでお茶を飲んでいた時の事。
客人が武功名高い宮宝田に「何かやって見せてくれないだろうか?」と頼んだ所、「いいでしょう」と応じた翁はテーブルに置いてあった茶器にお茶を満たしてお盆に乗せました。
そして、お盆を片手に持って立つと、客人の方を向いたままフワーと飛び上がって背後の家の屋根の上に乗り、またフワーッと飛び降りて、茶器からは全くお茶がこぼれていなかったそうです。
あまりの事に客人は言葉が出なかったとか。
こういう人間離れした逸話がたくさんあるので八卦掌は「神秘の拳法」と呼ばれるのですが、太極拳の達人は奥ゆかしい人が多いせいかあんまりこういう話を聞きません。
腹を殴られた時に、腹で拳を殴り返して相手の手首を折っちゃった、とかわりと地味です(笑。
「いや、太極拳家にだってこんなにスゴイ話があるよ!」という方がいらしたら是非教えて下さい。
さて金曜練習会、今回も3人でやりました。
3人だとやっぱり寂しいですねー(笑。
サークルのコンセプト上、来る人を選ぶので仕方ありませんけど、新たなメンバーを探さなければなりますまい。
KKさんとHDさんは、相変わらず目に見えない探り合いをされていました。
かなり激しい戦いですけど、お互い目指す何かをひたすら試行錯誤している感じです。
管理人はKKさんとのセッションでは「固まらない」事を心がけました。
大体いつもKKさんに掴まれた時に体を固めてしまい、そのまま引き倒されてしまうので、肘から先を捨てる感じでやってみました。
HDさんとは「切り替え単推手」をメインにお願いしました。
単推手をやっている時に一方が別の手で攻撃を仕掛け、もう一方はそれを受けて反対の推手に入れ替わります。
この時、なるべく攻撃を出す方は悟られないようにやったり、死角から出したりと当てようとしてみます。
受ける方はそれを察知してスッと受けます。
究極的には相手が攻撃を出してこようとした時にバランスを崩して「そもそも攻撃そのものを出させない」というのが理想です。
「推手のための推手」ではなく、あくまでも太極拳を武術として使える様にするための推手を心がけたいです。
という感じで3人汗だくになりながらヘビーローテーションしました。
あまりに暑くて暖房切ってドアまで開けました(笑。
ご参加頂いた皆様、どうもありがとうございました。
練習後の懇談会では相撲の話が出ました。
相撲は大男が力任せに戦う競技と思っている人が多いですが、その力を出す方法にも、戦いにも高度な技が必要な格闘技で、武術としても注目すべきものがあります。
太極拳で相撲取りと戦えるか?という問に、
「いやー無理でしょう。というかやらないし」
という答えが返ってきましたけど、目標としては力士を太極拳の技でひっくり返せるようになりたい所です。