先日「4月のくせに寒い」と書いたんですが、今日はうってかわっての夏日でした。
そんな快晴の中、頭を日差しで焼かれつつ推手を楽しんで来ました。
FNPでは自由にやりあう練習が多いですが、日曜は基本に立ち返ってじっくり推手や対練をやります。
今日は特に「接触点の圧」と「正」に注目してみました。
推手で注意するポイントの一つに「接点の圧力を一定に保つ」というのがあります。
押されても引かれても常に一定です。
日本の柔術にも同じ秘訣があって、力を使わずフワッと投げ飛ばす技をやるには不可欠なので、この辺はどの武術にも共通する事だと思います。
圧を一定に保つトレーニングとして、ボールを甲同士で挟んで推手をする、というのをやってみます。
自分から引いて圧を下げるとボールが落ちますし、押し合って圧が上がると潰れます。
この感覚を覚えておいて、今度は普通に単推手です。
「圧一定」が完璧に出来ると、押しても引いても手が離れない「粘」が可能になるそうです。
もう一つの注目点の「正(ジョン)」は、接点と自分の正面を合わせるという事です。
相手からの力を常に体の正面で受けます。
突然ですが、戦車を例にします。
戦車はグルグル砲塔が回りますが、「突撃砲」とか「駆逐戦車」という車種は砲塔を車台に直接据えているので弾を前にしか撃てません。
そのため、狙いを大きく変えるには車ごと動いて砲を向ける必要があります。
「正」を守るイメージはこれと同じだと思います。
つまり腕は動かないものとして、体ごと相手の方を向く、という事ですね。
余談ですが、第二次大戦中ドイツ軍で活躍した車両に「Ⅲ号突撃砲」というのがありました。
通称「Ⅲ突(さんとつ)」と呼ばれるこの移動砲台は、ロシアのT-34やKV-1といった明らかに戦闘力が上の戦車を天敵のごとく撃破していきました。
50両いたT-34を5両で全滅させた事もあるそうです。
まともに戦ったら歯が立たないので遠距離から狙い撃ったり、巧みに待ち伏せしたりして「知恵と技」で勝利するあたりに太極拳に近しいものを感じます。
その他、「圧力一定」と「正」を念頭に四正推手や様々な対練を2時間みっちりと練習しました。
天気が良かったので公園は遊ぶ子供やくつろぐ大人、走る剣道部員で賑わっていましたが、太極拳をやる我々だけが浮いた感じでした(笑。
(見てみぬふりというか、無かった事にされているというか)