会場を借りるときに団体名記入欄に「推手サークル」と書くと、
「これ、なんて読むんですか?」
と聞かれます。
普通に生活していたら絶対に出てこない単語ですからね。
しかし、囲碁と五目並べの違いが分からないのと同じで、特殊な趣味の世界とは一般的に理解されないものなのでしょう。
さて、今回は愛知県内にて練習です。
推手巧者のMさんが久々に参加して下さいました。
今日は特に推手の「攻め」の方面を検討してみました。
単推手では「走」で相手の攻撃を逸らした後、「粘」で反撃に転じます。
この時狙うのは「芯」です。
まっすぐ相手の身体の中心に向かって押し込んで行きます。
単推手を傍から見ているとクルクル円形に手を回している様に見えますが、結果的にそうなっているのであって、決してカーブを描くように押している訳ではありません。
あくまで相手の「軸」、とりわけ「腰」の位置をまっすぐに攻め込んで行きます。
それを「走」でスイーと逸らすから軌跡が円っぽくなるのです。
(ちなみに中国武術の「腰」は日本で言う腰よりもずっと上です。腰椎2番ぐらい)
相手を崩してやろうと思ってカーブ状に攻めると、「粘」の練習にならないばかりか「走」のえじきになります。
例えば、滑らかに回転するようにしてある円柱の端っこの方を思いっきり押すと、柱が回転して押した人はすっ転んでしまうでしょう。
しかし、いくら回りやすい柱でも、中心軸に向かって正確に押すと、回転が起こりません。
推手で「芯」を攻めるのは、相手が逃げられない所を探すという意味もあります。
素早くササーッとやってしまうと、芯を見極められません。
ゆっくりと正確に、相手の中心を攻め込んで行きます。
こうして丁寧に芯を狙う練習を積み重ねると、弾こうとしても逸らそうとしても逃げられない一撃を打てるようになります。
(多分)
こういう能力を単独で磨くのは非常に難しいので、推手とか対練が必要になる訳ですね。
で、最後には恒例の自由推手です。
相手にトドメを刺す鋭い攻撃を芯に向かって打ち込みあったのは言うまでもありません。
次回の愛知県内練習は9月15日、29日の日曜日、時間はいずれも13時からを予定しております。