「つまみぐい文学食堂」柴田元幸著(角川書店)を読みました。
英米文学の中の「印象的な食べ物の描写」を柴田さんが選んだエッセイ。
決して「おいしそうな食べ物の描写」ではないところがミソ。むしろまずい、奇妙な食べ物の方が多いかも?本中の訳はすべて柴田さんによるものです。
とりあげる食べ物はポール・オースターのチキンポットパイ、「白鯨」の鯨ステーキ、プラハのダンプリング等さまざま。言及する作品は140タイトルからすこしずつつまみぐいというから豪華ですね。章立ては「魚、肉、デザート」などフルコース仕立てになっています。
巻末の対談でも語るとおり「鯨」に対する描写が一番力がはいってるかな~。おいしそうです。柴田さんは頭で「文学はあーでこーでこーあるべきだ」という捉え方をしないで、作品を自分の経験にてらしあわせ、噛み砕いて自分の血肉にしていることがよく伝わってくるので、読んでいてとても楽しく、また共感できます。
「源氏物語に出てくる、娘を売り込む明石の入道は自分の中で浜口親子のお父さんになっている」のくだりにはふきだしてしまいました。
個人的に読んでみたいと思ったのは「水」の項で語られているエリック・マコーマックさんの「ミステリウム」。
閉ざされた村にやってきた水文(すいもん)学者を名乗る男。
彼が来て以来村に次々と起こる異変、村人の死、人々が起こす奇妙な言語的症状・・・あらすじを読むだけでわくわくします。未邦訳なのが残念。
英米文学の中の「印象的な食べ物の描写」を柴田さんが選んだエッセイ。
決して「おいしそうな食べ物の描写」ではないところがミソ。むしろまずい、奇妙な食べ物の方が多いかも?本中の訳はすべて柴田さんによるものです。
とりあげる食べ物はポール・オースターのチキンポットパイ、「白鯨」の鯨ステーキ、プラハのダンプリング等さまざま。言及する作品は140タイトルからすこしずつつまみぐいというから豪華ですね。章立ては「魚、肉、デザート」などフルコース仕立てになっています。
巻末の対談でも語るとおり「鯨」に対する描写が一番力がはいってるかな~。おいしそうです。柴田さんは頭で「文学はあーでこーでこーあるべきだ」という捉え方をしないで、作品を自分の経験にてらしあわせ、噛み砕いて自分の血肉にしていることがよく伝わってくるので、読んでいてとても楽しく、また共感できます。
「源氏物語に出てくる、娘を売り込む明石の入道は自分の中で浜口親子のお父さんになっている」のくだりにはふきだしてしまいました。
個人的に読んでみたいと思ったのは「水」の項で語られているエリック・マコーマックさんの「ミステリウム」。
閉ざされた村にやってきた水文(すいもん)学者を名乗る男。
彼が来て以来村に次々と起こる異変、村人の死、人々が起こす奇妙な言語的症状・・・あらすじを読むだけでわくわくします。未邦訳なのが残念。
私はカポーティは大好きですが、作品によってよくわからない、というのはよくわかります。
「草の竪琴」はカポーティの自伝的要素の強い作品だそうです。ツボにはまればきっと気に入る作品だと思います。読んでみて良かったらまた教えてくださいね!私は森の木の上で暮らす主人公たちが黒苺のワインを飲み交わす場面が好きです。
新潮文庫なら「夜の樹」におさめられている「ミリアム」もいいですよ。こちらは「草の竪琴」の田舎っぽさとは違って、ひしひしと怖い都会の話です。
話は変わりますが今スタンダールの「赤と黒」を読んでいる途中です。面白いです。
記事と関係ないおはなしで恐縮ですが、先日カポーティの作品を一つ読んでみました。デビュー作『遠い声 遠い部屋』。
翻訳ながらも美しい文体が肌に伝わってくるような一方、とても詩情的なせいか、物語の筋が頭にすっと入らないというか、霧がかった幻想の世界に迷い込んで気づいたらお話が終わっていた。そんな感じでした。
で、再挑戦と思い『叶えられた祈り』に手をしたのですが、カポーティの免疫がないため毒気にあてられて中途で挫折しました。
それでも気になる作家なので今度『草の竪琴』を読みます。(ちなみに、全部新潮文庫)