Straight Travel

日々読む本についての感想です。
特に好きな村上春樹さん、柴田元幸さんの著書についてなど。

「緑の模様画」高楼方子著(福音館書店)

2007-10-15 | 児童書・ヤングアダルト
「緑の模様画」高楼方子著(福音館書店)を読みました。
学校を長く休み、久しぶりに外に出たまゆ子。
母の友人根津さんは女子高の舎監。彼女のところに母の頼まれ物を届けにいったとき、まゆ子は同い年のアミに出会います。根津さんの娘テトと一緒に自然と仲良くなる3人。その3人の前に繰り返し茶色い瞳の見知らぬ青年が現れます。
なぜか3人をみつめる白髪の老人、女子高の怪談、丘の上の塔の家の窓に映る謎の影、寮母森さんが語る思い出、「小公女」の本。
いくつもの出来事がからまりあって物語をつむいでゆきます。
クローバーの葉がのびてゆく装丁も素敵。

過去と現在の時間、自分と他人との思いの差と行き違い、そして幼さと老い。
いろんな要素が沢山詰まった本です。小学校卒業~中学生になったばかりの3人が大人と子供を行き来する様子がとても初々しいです。
透が見る迷宮の夢はとても心象的でした。
「不思議のまま」のものと「謎解き」の要素が混ざっていて面白かったです。