最後の「日常」を求めて～鹿島鉄道～(その6)

さっき見送ったキハ601が石岡から折り返してくるのを待つ。
運用では石岡11時31分発の19レ、鉾田行として目の前を通過するはずだ。
それとやはり元加越能鉄道のキハ430形が動くかどうかが気になる。
同じ「湘南形」ということでキハ714と比較されがちだが、小ぶりな車体を持つこちらの方も捨てがたい魅力がある。

話が逸れた。
キハ601は運用どおりに来るから問題ないとして、12日のキハ430形は所定の運用と違う動きをしていた。
本来充当されている可能性が高い列車にはKR-505が入っているのをこの目で目撃している。

これまで何度も鹿島鉄道を訪れているが、キハ430形が動いているところだけは見たことがない。
今回の訪問目的の一つに「乗車は叶わずともキハ430形が動いている所を撮る」というものがあったが、この体たらくでは本当に動くかどうか怪しさすら覚えてくる。しかし、折角現地にいるのだから待てるだけ待ってみよう、ということにした。
別に慌てて戻る用事もないことでもあるし。

まず、予定通り目の前を19レが通過していった。
予定通りキハ601の単行だった。

ここまでは問題なし。
問題は一時間後にここを通過する石岡12時31分発の21レに何が充当されてくるかだ。

そして、その時がやってきた。
軽やかなリズム音を刻んでやってきた21レは、待ちかねていたキハ430形の単行だった。
そして目の前をさっさと通過して走り去っていった。

今回はキハ432の単行だったが、いつも石岡駅か石岡機関区の構内で昼寝ばかりしている所しか見ていない車。
その車が動いているシーンを見ることができただけで満足できた。
その代わりキハ431は石岡駅構内で眠ったままで確定した訳だが、戻ってからゆっくり撮ろうと思えば撮れる。

時計を見ると、午後一時を回っていた。
朝から常陸小川駅周辺を散策し始めて、もう半日近くになる。
そろそろ引き上げ時かと思い、駅へ歩き始めた。