Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

あまりに厳格すぎるのも・・・IMTSのトラブル記事を見て。

2005-07-29 06:50:05 | 愛・地球博
「愛・地球博」に登場した交通手段の中で個人的に一番注目していた「IMTS」。
順調に走っているのかな・・・と思いきや、意外な所でトラブルが続いていたようだ。
21日付けの中日新聞でまたトラブルでIMTSが止まった旨が報道されていた。

今回のトラブルは西ゲート駅に停車した2両編成のIMTSの先頭車両が突然動かなくなったというもの。
このため、全線で運行を停止して先頭車両を路線から外し(恐らく「天然ガスステーション」へ誘導したのだろう)、運転を2時間20分後に再開した。
今回のトラブル原因は不明という。

「今回」とあるように、IMTSは「愛・地球博」の開幕以降、数回のトラブルを引き起こしている。
時系列で整理すると次のようになる。

車両の扉が開かなくなったため、修理のため1時間15分不通(4/30)

通信装置のトラブルで手動運転から自動運転への切り換えができず、西ゲート駅からIMTSメッセ前停留所までの支線区間は終日運休、自動運転を行う本線も約二時間運転休止(5/28)

西ゲート駅付近で一時停止位置がずれたため、車両が動かなくなり、支線区間は終日運休、本線も二時間にわたって運休(5/30)

これらの原因は何だったかというと、一言で言ってしまえば「コンピューターの位置判定基準があまりにも厳格」な点。何しろ1.5センチの誤差も認めないというのだから、その厳格さには恐れ入る。
具体的な内容については、中日新聞の6/6付けの記事を参照して欲しい。
この件については、トヨタ自動車が待機場所が若干ずれても発車できるようにコンピュータを調整するほか、誘導システムも再構成したという。
しかし、これらの調整に時間を要したため、手動運転区間は1ヶ月運休する事になってしまった。
なお、手動運転区間は6/30から運転を再開している。
ということは、この事をしっかり覚えてさえいれば、「愛・地球博」でIMTSに乗車した時に手動運転区間へ行こうと思えば行けた訳である。
どうも7月に入っても手動運転区間は「運休している」と思いこみ、端から除外していたようだ。

話を元に戻すと、新交通システムより安価に整備でき、良いことづくめな印象が強かったIMTSだが、ここまで書いてきたように、全くの新システム故に抱えるコンピュータの運転制御系に問題を抱えていたようだ。
どうしても営業運転しないと出てこないトラブルというのはあるので、これらのトラブルについて云々するつもりはない。
万博会場での6ヶ月間という運転期間の間に問題を出し切って、実用化に向けて進んで欲しいと思う。

ただ、無人のIMTSが突然停止したとしても地平を走る分には問題はない。乗客はすぐに地上に降りることができる。
だが、導入が予定される桃花台線のような高架だとどうだろうか。
以前「ゆりかもめ」に乗った(これも無人運転だ)時、走行中に突然停止した事がある。
運転を再開するまで、何もすることなく大混雑の車内に立ちすくむしかなかった。
運転指令から車内放送で現状が伝えられていた点が幸い(危機対応としては初歩の部類だが)だったが、無人運転だと非常時の対応がどうしても気にかかるのもまた事実である。

実際に地方都市(桃花台線以外)への導入が実現した時にどう対策をしてくるのだろうか。IMTSというシステム自体には結構期待していたりする。
何しろ「カイゼン」のトヨタだから・・・。



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2005-07-31 13:16:27
こんにちは。こちらの記事に、トラックバックさせてもらいました。
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