Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

豊田市、IMTSの導入ならず。

2005-09-16 07:30:19 | 愛・地球博
昨日に引き続き、「愛・地球博」関連の話題を。

長久手会場内を南北に結んでいる「IMTS」。
個人的に大変興味のあるシステムだったので、3回にわたって記事を書いたことがあるが、これだけで「愛・地球博」のチケット代の半分は取り返せたような気になった。
また、経営不振の桃花台線の存続対策としてこれを発展させた「磁気誘導バス」の導入が提言されている。

そういった訳で「愛・地球博」閉幕後の「IMTS」の行き先がどうなるか興味はあったが、まさかこんな計画があったとは知らなかった。

「豊田市、IMTS引き取り断念 バス転用に法の壁」(中日新聞、9/15)

記事の要旨は次のとおり。
・豊田市はIMTSの開発が伝えられた時期から、将来性に着目して万博後の導入可能性を内部で検討していた。そして2004年12月の定例会でIMTSの導入に前向きな姿勢を見せていた。
・今年6月、万博後の譲受を前提に豊田市がトヨタに説明を求めたところ、「IMTSは、基本的に公道を走るようには設計されていない。ウインカーやバックミラー、サイドミラーなどはなく、道路運送車両法が定める保安基準を満たしていない。加えて、排ガス規制も現行基準は満たしているが、近く実施される新基準を満たすことは困難であり、万博会場では排ガス規制や保安基準などの規制を受けない『鉄道』として認可を受けた」旨の説明を同社から受けた。
・トヨタの説明を受けて、豊田市は現状での導入は難しいと判断し、9月市議会で導入断念を表明した。
・トヨタ側は万博会場のIMTSの用途については「検討中」、「開発は今後も継続していく」とのこと。

確かに豊田市中心部を未来的なデザインのIMTSが走る様を想像すると、確かに興味深いものがある。
しかし、法規制を無視したデザイン優先のスタイルから、このプロトタイプが公道を走ることができないという事に豊田市側は気づかなかったのだろうか。
だとすると、机上の計画で済んで良かったような気もする。

ただ、今回の豊田市の話とは別に、今後のIMTSの開発スケジュールがどうなるか、大変気になる。万博での実績が桃花台線の改良にどう活用されるか、という点も見逃せない。
今後、「愛・地球博」で使用されているIMTSの車両群はどうなるのだろうか。
個人的には「愛・地球博」後に整備される都市公園内の足として残って欲しいという気持ちはあるが、そうした話は聞こえてこない。
ということで、それは儚い希望に終わりそうだ。

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