Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

「愛・地球博」会場にて。(その5)

2005-07-12 06:04:05 | 愛・地球博
瀬戸会場の見物を終えて、長久手会場へ戻ることにした。
帰りは違う交通手段で行こうと市民パビリオンをエレベーターで3階へ上がる。
そこから隣接する「モリゾー・ゴンドラ」瀬戸駅へ移動する。
既に乗り場には長久手会場へ向かう人の列ができていた。

8人乗りのゴンドラに押し込められた。
勿論、ゴンドラは定員一杯だ。
ガタン、という音と共に空中へ送り出され、段々瀬戸会場が小さくなっていく。

ゴンドラには空調などないため、窓の上部に設けられた通風口から吹き込む自然の風だけが涼しさをもたらしてくれる。
しかし、その程度ではやはり気休め。容赦なく照りつける太陽と人いきれでゴンドラの中は暑い。

瀬戸会場と長久手会場の中間あたりまで来たところで、窓がサッと白く曇った。
これが例の「プライバシー保護区間」だな、と事前に知ってはいたものの、何の予告もなく突然に曇ったのには少し驚いた。
さっきまで会話が飛び交っていたゴンドラ内も静かになった。
自分としては、こんな外部の状況もわからぬままトラブルに遭遇したらたまらないなぁと思いながら、曇りが消えるのをじっと待つ。

しばらくすると曇りは消え、元通り景色を楽しめるようになった。
オフィシャルマップでは曇る時間は「約2分間」としている、実際に体感した時間は文言以上に長く感じられた。

16時半を少し回った頃、ようやく長久手駅に到着。
長久手駅を出て、到着するモリゾー・ゴンドラを撮影する。
これに高架を走るリニモが絡むといい絵になるのだが・・・。


長久手駅付近で無料で配られている水を飲んで一息つけてから、「キッコロ・ゴンドラ」北駅を撮影。会場内の移動に600円はちょっと高いかなと思う。


このあたりに点在する企業館にはまだ長蛇の列。
当日受付も既に終了しているため、今から並んでも意味はない。
という訳でそうした行列を横目にIMTS北ゲート駅を目指す。
4月に来た時と同じルートになるが、一番コストパフォーマンスが良いルートで最南端を目指す。
前回と違って今回はカメラも持ってきているため、記録しながら行く事にする。
このIMTSについては別の機会に触れてみたい。

10分余りの乗車時間は瞬く間に過ぎ、終点EXPOドーム駅に到着。
IMTSを降りると、少し日が陰ってきたと思う。
時計を見ると17時を少し回った所だった。
EXPOドームでは青森、秋田、岩手の「北東北三県の日」関連のイベントが開催されていた。
この時間帯は三県の代表による和太鼓の演奏等が行われていた。
シアター等で座った以外、両会場内における殆どの時間を歩き続けてきた事に今更ながら気が付いて座席に腰を下ろして和太鼓の演奏に聴き入りながら休憩する。

EXPOドームを出たのは18時前。
せっかくだから、「キッコロ・ゴンドラ」南駅を撮影する。


さて、IMTS乗車を目的に最南端まで来てしまったが、これといって特に行きたい場所もなし。
とりあえず、もう一度ロシア館のマンモスの骨格標本を見に行こうと思う。
前回は落ち着いて見ることが出来なかったが、二回目となる今回は流石にのんびりと見ることができた。


ロシアといえば、宇宙開発。
ということでこんな物も展示されていた。

果たして実用化されるのはいつの日だろうか。
ついでに有名な「マトリョーシカ」の現物をショップで初めて見る。
値段を見ると15万円近く、小さな物でも8万円を超えていた。
とても手が出る値段ではない。
もっとも、買える値段であったとしても買うかどうかは別の話だが・・・。

ロシア館を出た所でお腹が空いたことに気づく。
時間が時間だし、レストランも混んでいるだろう。
という訳で、何かお腹に入れようと北へ歩き出す。

外国館内のレストランはほぼ満席。
かといって、日本食というのも芸がない。
どこか海外のビールでも飲んで食事をしたいなぁと思っている内に、アフリカ共同館近くのビュッフェが空いていたのでそこに飛び込む。
アフリカ料理とアフリカビールの組み合わせが五臓六腑に染み渡る。

近くに来たついでにアフリカ共同館を覗いてみると、前回来た時は何もなかったチャド共和国のスペースに展示物が搬入されていた。
ようやく展示が始まるのかと思ったが、カーテンが下ろされており通路から見えないようになっていた(10日から公開開始)。
いつまで引っ張るつもりだろうか。

夕食を摂った後、海外パビリオンを回ろうという意欲が薄れてきた。
酔いが回ってきたせいかもしれない。
時計を見ると、もう19時を回っている。
もうそろそろ帰る頃合いかと思い、北へ再び歩き出す。

長久手愛知県館の「踊る指南鉄塔」が動くのを横目に、グローバル・ループ下の通路に下りる。
こちらの方が行き交う人も少ないので移動しやすい。
途中、「こいの池」からグローバル・ハウス方面にカメラを向けて夜景を撮影しながら歩く。
「夢みる山」は赤く染まっていた。

また一杯やりたくなったので、「愛・地球広場」近くの「ワールドレストラン」に寄り、またビールを一杯飲む。
愛・地球広場の方では「トワイライト・コンサート」が開催され、歌声が風に乗って流れてくる。
歌声を聞きながら飲むビールはまた格別だった。

トワイライト・コンサートが終わったのは19:45頃。
そろそろ帰る頃合、と北ゲートに向けて歩き出す。
結局、北ゲートを出たのは20時過ぎ、大勢の帰宅客に混じって万博会場駅を目指す。
そして、万博会場から万博八草までリニモ、万博八草から名古屋まで愛知環状鉄道・JRと乗り継ぎ、自宅に帰り着いたのは22時近くだった。
結局、朝出発してから14時間近い小旅行になってしまった。
全身はすっかり日焼けしていたが、あまり疲労は感じなかった。

これで4月と今回の二回、「愛・地球博」へ足を運んだことになる。
結局、企業パビリオンについては二カ所しか見なかったし、メインに考えていた海外パビリオンも結局、グローバル・コモン1と2は全て見損なってしまった。
おまけに「遊びと参加ゾーン」、「森林体感ゾーン」及び瀬戸会場の「里山遊歩ゾーン」も時間がなくて行けなかった。
それでも前回と違って一日をフルに使っただけのことはあって、自分的には満足の行く行程だったと思う。元々企業パビリオンには興味があまりなかったこともあるが。

実の所、全てのパビリオンを見、全てのゾーンを体験しようと思ったら何回足を運べば良いかわからない。
しかし、行く事が自己目的化している人ならまだしも、じっくり見てみようという人には少し敷居が高いなという印象はある。
それは入場時の手荷物チェックに象徴されているが、観客が基本的に「信用されていない」と感じさせる時点で観客を楽しませる「イベント」としてはどうかと思う。
それとも、大多数の人は手荷物チェックを「仕方ない」と思っているのだろうか。

とはいえ、前述した不満はあるが、瀬戸会場の展示に代表されるように人が演じる、予想しない驚きに出会えただけでもチケット一枚分のモトは取れたというのが正直な思いではある。
自分にとってはどんなに勢を凝らした映像より、人間が演じるパフォーマンスの方が印象に残った博覧会だった。



CGI

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