Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

高千穂鉄道・存続断念。

2005-12-20 21:33:22 | 鉄道(地方・専用線など)
高千穂鉄道の存廃議論に決着がついた。

「高千穂鉄道が存続断念」(西日本新聞・12/20)

20日開催された高千穂鉄道取締役会で同線の存続を断念する事が正式に決まった。

もっとも最近の新聞報道や筆頭株主である宮崎県の動向を見ていれば、この結末は予想できるものではあった。
個人的には部分復旧策を採ったとしても収支が到底釣り合わないこと、観光鉄道として再生させ、継続的に運営する事は困難だと考えていたこと、筆頭株主の宮崎県が存続に消極的だった事が明らかだったことから、今回の結論はやむを得なかったと言わざるを得ない。

今回の結論を受けて存続を望んだ人達はどう動くのだろうか。
台風14号の被災後、存続を求める運動は一気に高まりを見せた。
しかし、そもそも「廃止」が議論される契機が利用客の減少にあったという事実をどれだけの人が認識していたのだろうか、とも思う。
高千穂鉄道が地域の人にもっと利用されていれば、存廃議論など起こす必要はなかったのだが。

ともあれ、「高千穂鉄道」の枠組みを維持した形での議論に決着がついた。
レールの再生には新会社を興して資産を取得するしか採りうる選択肢はなくなった。
存続を望む人達の前に資産の取得をはじめとした課題が山積みになっている事は言うまでもないし、存続運動の真価がいよいよ問われる事になる。
しかし、スポンサーとなる有力な企業もない状況下での運動が厳しいものになる事は容易に想像がつく。

そして存続断念、路線廃止が地域にどのような影響を及ぼすのだろうか。
その点が気がかりだ。

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