Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

青い森鉄道の約30年後の利用者数は・・・。

2007-02-18 08:01:26 | 鉄道(地方・専用線など)
「2005年度の4割減」というものだった。

「青い森鉄道の乗客、2035年度は05年度の4割減・県が試算」(NIKKEI.NET、2/17)

要点を整理してみる。
○青森県が2010年度から2035年度まで5年間隔で一日乗車人員を試算した。結果は2010年の10429人から減少の一途を辿り、2025年で8021人、2035年の青森~目時間の乗客数は6464人。
○2035年の予測数値は2005年の実績値の60%の水準となる。
○この予測を元に青森県は青い森鉄道の新経営計画を2007年度に策定する。

地方の人口減が言われて久しいが、こうした形でも出てくるのかと改めて思う。
特に小子化による通学人口の減少が乗客減に拍車をかけている。
今後、東北新幹線青森延伸後は青森~目時間も青い森鉄道へ移管されるが、2005年の実績値に「スーパー白鳥」や「つがる」といった新幹線アクセス特急の利用客の数字を含んでいる可能性もある。
けれど、それでは比較の意味をなさないことから純粋な普通列車利用客数でやはり比較したのだろう。

この結果からはっきりしていることは、東北新幹線青森延伸以前に青い森鉄道の経営環境は更に一層厳しくなること。
しかも、それは新幹線開業によるものだけではなく鉄道会社単体では解決しようのない構造的な問題によって。
それは青い森鉄道に限った話ではなく、全国の交通事業者、特に地方でより顕著になることがよくわかる。
そこまで見通して需要予測を行っている交通事業者がどれだけいるかと思うと薄ら寒いものを感じる。

一つ評価すべきは青森県自身が地域のマイナス要因を過小評価せずに経営計画を策定しようとしていること。
そして、青い森鉄道の場合はJR貨物の線路使用料収入が見込めるため、これに一層依存する計画になる。
ただ、人口減少社会においては物流に対する需要も小さくなると思っている。
そのためJR貨物も一層苦しい経営になると考えるのだが、その辺りは経営計画を策定していく中でも議論になっていくと思う。

それにしても約30年後となると、車両の世代交代も考えなければならない。
需要減少期のスタイルに適合した車両というのはどういったものになるのだろうか。
ひょっとしたら、かつて「東北本線」と呼ばれた線路上を単行のステンレス車が走り回っているのかもしれない。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
無理して存続させる必要はないのでは (Ken)
2007-02-18 09:30:04
少子高齢化が一層進み人口の減少が顕著になれば国や自治体の税収も落ち込み、旅客需要だけでなく物流も減少するので、無理して鉄道事業を維持する必要はないと思います。

むしろそういった不採算路線を一刻も早く淘汰することによって、これからの地域社会の将来に備えるべきでしょう。
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Unknown (京都ふらり鉄道散歩)
2007-02-18 10:05:51
北海道のふるさと銀河線の保線員のドキュメンタリーみたことありますが、1日数本のためにも、路線を安全に保つために大変な努力をされていました。道路にして、バスをはしらせるのはやむを得ないと感じました。残したいですけどね。やっぱり鉄道が1番ですけどね。
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青い森鉄道 (ZENTAMA)
2007-02-18 10:28:05
青森の人口減の見通しショックだね。僕の祖母は青森出身ですから。

青い森鉄道は北海道への貨物の大動脈という点で鉄路が必要になります。対北海道輸送のフェリーが東日本フェリーの経営悪化で路線廃止が相次いでおり、その分鉄道輸送の比率が上がっている。

まあ対青森輸送ではトラックも有りますが。青い森鉄道は北海道民の産業の為にあるのが実情。

旅客輸送は八戸青森の都市圏ではあるものの、中間の三沢から浅虫温泉までの60キロほどはそもそもあまり人が住んでいないからね。



大湊線や八戸線の扱いも気になるところです。
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