森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

日記:循環性

2010年11月02日 07時14分58秒 | 日記
10月17日(日)の滋慶リハビリテーションセミナーの講演記録からブログがストップしています.
東京より戻り,守口市で上記の講演を行いました.
運動学習に関連する内容であり,強化学習,教師あり学習,教師なし学習の神経科学について述べると共に,運動制御に関わる脳内機構について話し,介入を考えました.
おおむね好評だったと記憶しています.
今振り返れば,このときから体調が思わしくなく,
懇親会をキャンセルしようと思ったのですが,
京橋で少しやり,帰宅しました.

その後,樋口先生を迎えたり,授業をしたり,
毎週金曜日は岡山で講義をしたりと平常な活動ですが,
23日(土)は岡山より青森に向かいました.
青森で講演するのは初めてで,
そのまま懇親会場に向かいました.
ここでも体調を考慮されてか,懇親会は一次会でおひらきとなり,
翌日5時間の講演に挑みました.
内容は上肢の運動制御と下肢の運動制御の脳内機構,
身体知覚の生成機構,運動の主体感,意図に関すること,
そして運動学習に関連した内容でした.
生理学者の二唐東朔先生と意図に関する議論をフロアで行い,楽しかったです.
恐悦至極ながら絶賛されたことに,報酬系が作動しました.
またメンバーたちのおもてなしに深謝する次第です.
体調を灌漑見ても,心地よい感じでした.


そして,先週末は大分で7時間の講演.
前日より発熱にうなされ,それまでの喉,頸,そしてメニエール状態に輪をかけて,
風邪症状が加わり,朝起きるまではいけないのではないかと不安ながら,
それでも動けたので,大分に向けて出発しました.
大分では大分県士会長の河野先生,そして吉田先生,井手先生にお迎えいただき,
そのまま会場の新別府病院へ.
河野先生は県士会長ながらまだ学びたい,そして,新しい情報を入れたいと,
人間の本来の欲求をお持ちで,とても共感を得ると同時に,
こういう御方には人は必ずついていくと思いました.
概して,意味もない経験を口にするものがいますが,
経験とは見えないものであり,口で表現するものではない.
しぐさ,技術,効果,すなわちふるまい,背中,姿勢で見せるものである.
人間は死ぬまで世界を知りたいと思う知的生物である.

県士会長で7時間の講演をすべて聴いていただいて,
率直に感想をいただいたのは,今までの講演のなかで河野先生だけです.
多いのは最初と最後にいるとか,懇親会に出てくるとか,です.
これもわからないわけではないですが,時代の流れについてこれないと,
知らないうちに,意識の下,すなわち潜在的な情動に動かされ,
新しいものを取り込もうとする部下に対して,回避あるいは攻撃をしてしまう.
人間の脳はそうなっています.
そして,攻撃された部下は,よかれと思って動こうとしたのに,
指導なしに,ふたをされ攻撃されれば,学習性無力感を感じ,
知らないうちに動かない(うごけない)自分になっていくのです.
負のスパイラル突入です.
負の学習強化はそのようになっていってしまいます.

職場関係にも脳科学の知見が大いに役立ちます.
患者さんにももちろんです.
脳科学は脳損傷者の機能回復だけにもちいる狭い学問ではありません.
こうした新しい知見から新しい理論が生まれ,新しい介入が行われ,そしてそれが検証され,また新たな仮説が生まれる,そんな循環のある業界にステップしてもらいたいものです.

大分の講演も大変,心地よいものになり,38度程度の熱があったのですが,
ある意味,快調にしゃべることができました.
会場との空気感が大事です.
職場の雰囲気がおそらく患者さんの回復にも影響すると思います.



今日は今からゼミで,そのあと沖縄にたちます.
咳がとまってくれればだいぶ楽なのですが・・菌をまき散らしてないか,それが心配です.