森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

昭和な人間

2008年09月22日 12時45分51秒 | 過去ログ
土曜日、明石まで小旅行的気分に。
兵庫県理学療法士会保健福祉部から予約していただいたホテルを勘違いしていた。
あぶなく、違うホテルに行くところだった。
先入観は怖い怖い。
たまたま、メールをチェックしたのがよかった。

土曜日はホテル、あるいはその周辺にノスタルジーを感じながら、
きれいでないということは、時に自らが昭和の人間であることを痛感させる。
どこに行っても同じ風景、同じホテルの部屋というものに、
「安心」を感じる自らの心は、
弱い心を助長する。

ヨーロッパ留学中のたくましさからはどんどん遠ざかっている弱い精神だ。
星なしホテルをはしごし、シャワー共同に慣れていた自分の精神からは徐々に遠ざかる。

安心とは、safetyのことではない。
安心とはpeace of mindあるいはfreedom from careのことである。
リハビリテーション対象者には、そのことを感じていただきたい。
Riskとsafeの白黒しかない、その世界はQOLではない。

土曜日は保健福祉部の皆さんと懇親。
病院勤務でない人たちが多いせいか、個性的だ。
ひさしぶりに、顔が記憶に残る。
私の前頭葉をいくつか揺さぶった。
アナゴのすき焼きが美味だった。

保健福祉部長の但馬長寿の郷の小森さんに感謝。
学生時代の先輩後輩な関係は、
ある意味、「ロマンティック」だ。

WSOの国際学会出張の前に強制的にお願いされる。
その関係性が、実はロマンティックなんだと思う。
三人称ではおそらく引き受けない。

結構かなり飲み、ホテルへ。
朝、ホテルでブレーカーが飛ぶという人生初めての事態に遭遇し、
エピソード記憶化された。
翌日、これまた昭和な喫茶店で小森さんとこれからのPT,リハについて語る。
その後ろには、インベーダーゲームを思わせるようなテーブルゲームが。
いや~これまた、心を揺さぶる。

講演会場へ。
今回はいつもと違う、「介護予防研修会」であり、
高齢者の脳と身体、そして運動などを話し、
「違いがわかる脳」について特に焦点化して話した。

同じ椅子でも違う。
そこに身体の秘密がある。
感覚を情報化するために脳がある。
身体はまさに受容器官であり、
身体がなければ脳は生きていけない。
脳だけ鍛えてもだめなルートがある。
それが頭頂葉―前頭葉ネットワークである。

ウルトラマンから階段昇降まで。
中村俊輔から運動会まで

今回は枝から攻めた。

300名ほどの聴衆者がいたが、若いせいか、
思いっきり僕の方が脱線できなかった。

ピンポイントで受けていた人たちは
Around 40の面々だったと思う。

最後には、「ロマンティックリハビリテーション」とは何かについて語った。

機械的リハビリテーションから心のリハビリテーションへ。

Re-habiritationにはその意味が含まれている。
ホモ・ハビリス、ホモ・エレクトス、ホモ・サピエンス・・・人間らしさとは何かを考える教育がないことには、このまま医学的リハビリテーションはカオスから抜けることができない。

今の私がいるこの世界は、鎖国な世界を感じる。
今の私がいる世界は、薩摩や長州の利権を感じる。

もっと、広く、拡大解釈をしていくべきだと思う。

リハビリテーションとは、深いし広い。

いつまでも昔の杵柄な、狭いPTとしてやOTのアイデンティティのみで生きていってもそれは可塑性がない。

介護と連携しながら、変なプライドは捨てたほうがよいのかもしれない。


しかし、そのためには膨大な、知識、技術、社会性が必要だ。


終了後、いくつかの質問をいただいた。


高知の教え子もいたようだ。


もちろん、畿央の教え子の河石、斎藤翠、山岸も。

みんなの成長した笑顔を見れることが、
この職業についてよかったと思う瞬間だ。


ぜひともセットで

2008年09月22日 11時53分01秒 | 過去ログ
畿央大学健康科学研究所・大学院健康科学研究科共催シンポジウム


テーマ 健康を支え育む脳研究と科学的手法の進歩

昨年度のシンポジウム「健やかに生きるために ~脳と心の科学からの新たな挑戦~」からのシリーズ企画として、健康科学研究所と大学院健康科学研究科共催で「健康を支え育む脳研究と科学的手法の進歩」と銘打ちシンポジウムを開催いたします。


日時 平成20年10月18日(土)13:00~17:00(12:30より受付開始)

会場 畿央大学 冬木記念ホール

特別講演 「様々な神経イメージング手法を用いた人間の脳機能の研究」
自然科学研究機構 生理学研究所教授   柿木隆介氏


話題提供
「秋茄子の脳科学-おいしさを越える高次脳情報処理」
農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 
食認知科学ユニット主任研究員   檀 一平太氏

「両手運動の脳内表現」
情報通信研究機構 未来ICT研究センター研究員   荒牧 勇氏

「脳イメージング手法を用いた神経リハビリテーション効果の検証」
畿央大学大学院健康科学研究科教授   森岡 周氏

入場料 無料
申込方法 下記内容を明記して、e-mail、FAX、ハガキのいずれかでお申し込みください。
宛先は「畿央大学企画部 脳シンポ係」
締切は平成20年10月13日とさせていただきます。
受講証の発行は致しません。当日、直接受付にお越しください。
1) ご氏名(フリガナ)
2) ご住所(郵便番号もお願いいたします)
3) お電話番号 メールアドレス
4) ご所属の団体等名称・お役職
5) 今後、大学イベント等の案内送付を拒否される方はその旨ご明記下さい。


お問合せ
畿央大学 企画部 TEL 0745-54-1603  担当 植村・水野・篠本まで
〒635-0832 奈良県北葛城郡広陵町馬見中4-2-2畿央大学企画部
FAX 0745-54-1600


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第12回痛みを基礎から臨床まで考える会学術集会

日時  10月19日(日) 10:00~17:00
会場  四條畷学園短期大学 6階ホール(JR学研都市線『四条畷駅』前)

内容  
10:00~12:00
講演1「種々の脳機能イメージング手法を用いた痛覚の脳内認知機構」
講師 柿木隆介先生(自然科学研究機構生理学研究所統合生理研究系感覚運動調節研究部門 教授)
近年、機能的MRIや脳磁図のような新しい脳機能イメージング手法を用いる事により、人間の痛覚の脳内認知機構がようやく明らかになってきた。本講演では、first painとsecond painの脳内認知の相違など>> について、情動と痛覚認知の関連などについて、わかりやすく紹介したい。

13:30~15:30
講演2「痛覚関連脳波計測の臨床応用、痒み認知のメカニズム」
講師 柿木隆介先生(自然科学研究機構生理学研究所統合生理研究系感覚運動調節研究部門 教授)
臨床応用としては痛覚関連脳波計測が一番すぐれており、計測機器も市販されている。様々な神経疾患における臨床応用の結果についてまとめたい。また、最近は痒みの研究もかなり進んできたので、その成果を発表したい。時間に余裕があれば、私の研究室で行なっている痛みや痒み以外の分野の脳研究の成果も紹介したい。


司会 森岡  周(畿央大学)


15:40~17:00
研究発表