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森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

曖昧な社会における曖昧な人間関係

2013年06月05日 20時51分15秒 | 日記
昨日,今日と午前中が時差でぼっとしながらも,発達,神経などの授業を行ったり,会議に出たりしています.授業はみんな楽しそうに聴いてくれます.今日はいささか脱線しすぎました.

さてさて,昨日は16時半を14時半と間違えたりして,会議に1~2分遅れる失態をしてしまいました(電話がかかってきました).そんな時,「申し訳ありません」「まだ時差で14時半と思ってまして~~」といいわけじみて嫌みなく微笑みながら謝ると,役職のみなさん(私もそうですが..)が,笑って微笑んでくれるわけです.ここに今まで本学で10年築いてきた信頼関係を確認するわけです.すなわち,ボーダーのない「間主観性」の意識の関係です.僕は,事務とか教員とかなんだとかボーダーのないその関係が心地良く,そこに秩序の中の自由を感じます.どうでもよいことに目くじらたてない関係です.これこそ余裕のもった大人の関係性だと思うのです.もちろん秩序のレベルはあります.

こういうことを教えることが教育だと僕は思っています.その曖昧性を自己と他者が共存しながら補うこと,それこそが人間関係を構築しあう意味性を理解するもっとも大切な教材ではないでしょうか.実習指導者と学生の関係もその曖昧性の中に成り立っています.医療は曖昧な科学です.だから完全な正解はありません.何をもってお効果とするのか,視点が変われば大いに異なるからです(ある目線からのアウトカムというのは紋切り型視点です).

指導者側も悩み,迷い,そのような態度を学生に見せて,実は曖昧なんだと,それこそが科学する意味なんだと,その経験を共有させること,これこそ現場教育の醍醐味なのではないでしょうか.むろん,教員‐指導者の関係もその曖昧性から成り立っています.そこには階層性はないのです.

第48回日本理学療法学術大会にて

2013年05月27日 14時07分00秒 | 日記
初日は第48回日本理学療法学術大会のオープニングアクトをつとめさせていただきました。初日、金曜日の朝にも関わらず、メイン会場の2700席の3階席まで入っており、任務を果たせた感がありました。別会場のビデオ中継にも相当の数の皆さんがおられたようです。

今回は20代からの友人で、盟友の3名と疼痛理学療法の教育、研究、臨床に関して話題提供させていただきました。それぞれ15分の持ち時間でtime pressureが相当でしたし、情報をセレクトせざるをえず、わかりずらさがあったかと思いますが、一通り動向、そして今後の課題、そしてそれにどのように挑戦していくかの問題提起はできたように思えます。沖田氏は原稿を読んでいるかの正確な言語でした。ほとんど記憶していたようです。松原氏はいつもの攻撃性を封印し、理学療法をたて、前に進める非常に社会性のあふれる講演でした。

私もよけいなことはしゃべらずまずまず流暢であったことが、他者の意見から確認できました。最前列で聴かれていた鶴見先生より「え~とか、あの~とかなく、ベストプレゼンだったと」恐悦至極ですが、この流暢さもトレーニングですし、他者の心の状態を思えば、そのように自分が変わってきたのだと思います。普段は時間内におさめる練習はしないのですが、今回は失礼にあたってはいけない。そして時間が限られていることから、5回ほどシミュレーションしました。新鮮で初心を取り戻した気持ちです。ホテルに戻り、半田会長、内山副会長、小川副会長とエレベーターで一緒になりましたが、内山先生より「よいシンポジウムでしたね」といわれ、その表情から、まずはよかったと思いました。後輩だけでなく、先輩たちにも心地よい気持ちになってもらうというのが、今の私の立場でもあると思います。否定からは何も生まれません。

いずれにしても、最後テーブルに座ってのメッセージが私の気持ちです。私たちは脳を変えるということが最終帰結ではありません。脳を変えることで、行動を変えることです。そして行動を分析することで、脳システムの推論をたて、それに基づき意思決定していく。そのプロセスの違いこそが治療を左右するといっても過言ではありません。リハビリテーションにパーフェクトはありません。だから、紋切り型に一つの事柄で治った、治らなかった、という表現はあまりにも軽すぎると思うのです。患者を全人的に捉え、チームを形成し、それに向き合う。疼痛という現象を通じて、もう一度リハビリテーションのあり方を今後問い直していく仕事をしていくつもりです。私にはいくつものその脳内シミュレーションが存在しています。

最後になりましたが、このような機会を与えてくれた鈴木重行先生に感謝いたします。若い頃からかわいがってくれました。私はいろんな先輩に恵まれています。

大勢の方の前で感謝状をいただきました。恐悦至極です。



さて、二日目は座長などをした後、最終日はこれまた第一会場でモーニングセミナーでした。。。

10時20分にモーニングセミナーの司会を終え、

帰りには特別に裏道を開けていただき、さらには浅井準備委員長、石田事務局長、松原プログラム委員長に荷物を持っていただき、誰とも会わず、走り、タクシーに乗ることが出来ました。皆さん先輩で申し訳ない気分ですが、僕は良き全国の先輩に恵まれています。これも僕の人柄でしょうか?笑

年下、後輩が増え講演ではほとんど僕より若いですが、学会という場は先輩達と話すことでき、実は心地よいのです。いい意味で楽なのです。

もう自分の卒業した学校の先輩や同期とはほとんどあいませんが、卒業した後、このように共同注意のもと友人が出来ていく人生を考えると、自分のまんざらでもないな、と思うのです。確実に私のパーペッツ、ヤコブレフ回路には良い影響をあたえているでしょう。

皆さんありがとうございました。



第48回日本理学療法学術大会の準備から

2013年05月16日 12時52分32秒 | 日記
今度のPTの全国学会の「疼痛理学療法研究のトピックス」に関するスライド,ほぼ終了.久しぶりに骨の折れる作業でした.一人講演であればここまで考えません.他の二人とどう協調するか意識しながらの作成ですし,何よりも15分でまとめることが難しい. 疼痛理学療法研究がascendingだけでなく,descendingを含めて考えるモデルに変化していることが,グローバルスタンダードであることを強調します.

慢性痛の方々がADLだけでなく,就学・就労への影響があることで,日本国の社会的損失になっています.理学療法では急性痛を慢性化させないこと,慢性痛のリリーフが社会的ミッションになると思います.疼痛の感覚的側面,情動的側面,認知的側面そして学際的側面から,どのような基礎・臨床的研究が必要が国際的に話します.

○○テクニックありきでなく,その病理,症状,病態,メカニズム仮説,それだけでなく,個人の性格,社会的立場などなど,さらには,これまでの科学的情報(エビデンス)などから解釈し,臨床意思決定して治療を選択・変化させる療法士へと導いていきたいですね.なかなか骨の折れる作業だと思いますが,地道に活動し,引退するまでにはと思っています.口先だけの講演でなく,原著も増やさないといけないですね.そして,臨床家と研究者のplatform形成に残りの人生を費やすことになるでしょう.

自分たちの仲間を正当化させるような業績づくりよりも,もっと大切なものがここにあります.どのような大きな,名の通る大学であっても,そして業績が多かったとしても,ここの意識がないと信用されないし,世の中を動かすことができません.業績や成果は,私たちの仕事を守る意味でも,その基盤としてはとても大切です.けれども,正の信頼のおける利他的な感情というものをそれに付与しないと世の中を動かすことは難しいことが,れっきとしたサイエンスでも証明されているわけです.

いずれにしても,いったん寝かせて,沖田氏,松原氏からの意見をいただき,修正を来週します.私たちのシンポは他と同時進行でなく,オンリーですので,何千人単位のものになると思いますので,慎重に他者のことを思いながらすすめたいと思います.私はもう一つ脳科学に関するものも司会をします.これも1会場オンリーです.

さてさて,寝かしますので,この後は,大学の事務仕事.文部科学省に提出する書類作成です.その後,教授会,大学院委員会です.

そして週末の秋田での講演の準備,来週の授業準備を始めます.

http://www.congre.co.jp/jpta48/program/


当たり前の一日が報酬になるということ

2013年04月30日 07時43分43秒 | 日記
昨日は4月で唯一のオフでした。本当言えば、昨日東京から帰ってくる予定でしたが、一つ仕事をキャンセルし、一昨日帰ってきたことによるものです。そして、昨日、教育学研究科開設に向けた文科省に提出すべき1ヵ月遅れの「教員業績調書」を仕上げようと思っていましたが、それが提出しなくてよくなったため、急遽オフになりました。そのかわり、教育学部での特別支援の免許課程での科目は必要になるとようです。

何もせずに寝尽くそうと思っていましたが、買い物に行く日が今日しかないかもと思い、靴を二足買いに行きました。そして、DVD, CD, youtube三昧でした。音楽を聴く、映像を見る、こんな当たり前に趣味ができないことが、やはり自分の心に影響していると実感しました。休みの日に家にいる、この当たり前の行動ができる事の喜びを感じました。まだまだ頚、喉をはじめ体調は万全ではないですが、少しは楽になったかもしれません。万全の体調で講義や講演に望む事が求められます。休息がそれには必要だとは知っていますが、その間に執筆や校閲などを入れるため、なかなかままならないのも事実です。

早速、国際誌に投稿した論文がリバイスで昨日、このタイミングで帰ってきていますので、今日は2回生の授業、大学院の授業、そして院生の論文校閲、そして明日の講演資料を作成した後、レビューされたコメントを読み対応を考えたいと思います。

明日は、授業を終えて近鉄、飛行機に飛び乗り高知に向かいます。明日、高知で講演。あさって、高知の二つの施設で実習している学生をみてきます。

脳はつながっている

2013年04月25日 09時25分46秒 | 日記
昨日の看護医療学科授業「感情体験の脳科学」では、他者とのコミュニケーションの大きさや複雑さが、感情を安定させるためには重要なファクターであることを、いくつかの学術論文のデータから示し、子供の引きこもり、高齢者医療におけるコミュニケーションの狭小化が、後の脳機能に影響を及ぼす可能性を学生たちと話し合いました。次回は、さらに心地よいコミュニケーションの手続きが、脳機能に変化を与え、感情を安定させる内容へと進み、医療者としての心地よいコミュニケーションの心得について話し合いたいと思います。

その後、広島の企業から産学共同研究ならびに機器開発に関して、お客様が来られ、我々の研究の紹介から、その接点を考えました。よき方向へ進めるようになればよいと思います。

急ぎ足で授業に向かい、理学療法学科の「神経理学療法学B」へと。ここではゼミの紹介をまず行い、その後、USNの神経ネットワーク問題、そして空間的注意のメカニズムとして、意識、情動、注意、認知の関係について具体例を挙げながら説明し、その説明の中から、脳幹、辺縁系、頭頂葉、前頭葉の機能的連結を考え、来週からの評価・治療のデザインの素地をつくりました。

理学療法学科の授業を終え、今度は教育学部の「発達脳科学」の授業へ移動。ここでは前回の残りであった「言語と表情の一致・矛盾」による信頼性への影響を話し、その後、意欲と学習に関して、その関係性を脳科学から説明し、ドーパミン神経細胞の興奮をもたらす手続きについて話しました。また学習心理学のデータから、報酬をどのように与えるか、そして努力的思考と固定的思考の学習における違いを話し、努力的思考を生み出すための手続きについていくつか話した後、人間としての社会的報酬とは何か?を話しました。最後にはよき教師像について語りました。

このように3科目、別々の学科なんですが、脳はすべてでつながっています。それを見る事ができる療法士ってすてきですよね。

18時前に授業を終え、その後、大学院の会議に急ぎ入り、歯医者の予約へ。。歯医者後、仕事を再開しようと思いましたが、体動かずで、本日に持ち越し。明日やれることは明日やる。これがボクの考えでもあります。

その明日が今日です。週末の講演資料は今日お昼に送ります!明日は福岡の病院に実習訪問です。その後東京へ。5時間講演です。

ニシへヒガシへ

2013年04月24日 08時48分59秒 | 日記
週末の北見・網走での講演を終え、大学に一度立ち寄り、よさこい祭りの会議のために、高知に行っていました。滞在時間は数時間ですが。高知のよさこい祭りは今年は60周年、さらには、本祭(8月10日~11日)はしばらくぶりの土日。さらに、さらに、伝説のチームや有名チームの復活・復帰など、今年の高知はにぎやかになりそうです。ホテルはおそらくこの時点で旅行会社におさえられているかな。皆さん、夏の高知にどうぞおこしください。

さて、昨日は朝の便で発ち、そのまま発達系理学療法学の授業へ。子供の発達をつくるもの、要因、などについて話し、神経系の発達における「ニューロン」「シナプス」「ミエリン」について話し、それが何をもたらすのかを話しました。来週からは運動の発達に入ります。

その後、会議が2つ。学術振興会議では今年度の個人研究費、共同研究費、海外助成研究費、在外研究員に関して話しあいました。在外研究員は45歳以下を優先する文言は私たち委員でつくったのですが、まもなくその年になると思うと、すべてをリセットしたいな、という欲求も自己の脳で発生しました。それができないのも私の脳でもあります。それが責任という志向性です。

その後、学会運営に関して客人が来て、かけもちで大学院のゼミでした。ここではM2の中井君が呼吸困難感に関する自身の研究計画・進捗、藤原さんが歩行の予期・予測に関する研究計画・進捗を話しました。21時半に終了しましたが、朝高知を発ち、長い1日になりました。かなり疲労感がありますが、今週末から実習訪問がはじまりますので、なんとか前を向き行動したいと思っています。金曜日は福岡に実習訪問に行き、そのまま飛行機で講演のため東京に入ります。

人間であるということ

2013年04月18日 09時09分30秒 | 日記
広島での講演後、久しぶりに潰れた感があり、やっと普段の疲労度合いに戻ってきました。ちょっとイレギュラーなことや仕事が増えていたことから、パンクしたんだと思います。これにより修復され、逆に強いタイヤになるんだと思います。ワーキングメモリという脳の問題、そして心理的でなく生理的な体力という身体の問題、これらが環境によって更新され、太くなっていくことで、人間は強くなっていくのでしょう。そしてそれは個人だけでなく、相互関係の環境へと波及していき、ひいては職場、コミュニティー、国作りになっていきます。学生たちの「いっぱいいっぱい」っていう言葉は、むしろ成長するための環境にぶつかってしまっている状態なのですが、そのような環境がない限り、成長はないと思うことで、人間は前を向くことができるわけです。

昨日は午前中に看護学科の感情体験の脳科学の授業でした。「感情とは_」「感情的とは?」「感情の種類」をみんなに発言してもらい、そこから、ポジティブ、ネガティブに分けてもらいました。それを通じて、ネガティブな感情が実に多彩で、そして多いことに気づいてもらいました。ネガティブな感情は自己、そして人類を守るために必要なものです。特に恐怖という感情がなぜ大切なのか、ということをそれから説明しました。そしてなぜ恐怖は生じるのか、みんなで意見を出し合い、対象者の心の状態を探りました。そして、その神経メカニズムを説明し、扁桃体という脳の領域が自己の感情をつくるだけでなく、他者の感情の読み取りに関わることを説明し、乳幼児教育のあり方、そして高齢者による介護が余儀なくされた方、その中でも特にトイレ動作が自立できていない方がどういう脳の状態であるか推論をたてていきました。

午後は健康科学研究所の会議に出席し、仲間のプロジェクト研究の成果を説明しながら、今年度の予算を決めていただきました。無事研究費を申請通り取得できております。

その後、理学療法学科の神経理学療法学でした。昨日は脳損傷後の左右半球の動態、そして脳梁を通じた抑制機構、それらから半側空間無視がなぜ注意障害なのかということを説明し、左側を特徴的に無視するその神経メカニズム(現段階での仮説)を解説し、それについて互いに説明しあうことで知識、経験として脳の中に記憶してもらいました。このメカニズムをなぜ考えないといけないかは、どのように評価し、どのように治療すべきか、に直結するからです。ステレオタイプの介入ばかり続けていっても、今よりも良くなることはないし、なったとしてもそれはロジスティック関数のように頭打ちになります。つまり、考え方をしっかり持つことで、どのように介入すべきか、考えることができる療法士が今後必要になります。それがパラダイム転換につながります。位相を企てないと。彼らにはまだ知識もなければ経験もない。だからこそ、逆にバイアスやリミットを意識しないのです。

その後、夕方からは教育学部の発達脳科学でした。ここでは道徳を生み出す脳のについて考え、道徳教育のそのスタートは感情を出す、そしてそれをコントロールさせる環境をつくることであることであると脳の科学から説明しました。つまり、感情を鼓舞する環境、そして、独自のルールをつくり、それを守らせ、感情をコントロールさせるトレーニングが大切であることを説明しました。このルールは法律という究極の三人称でなく、独自、つまり二人称の中から設定するルールのことです。家のルール。クラスのルールといった自分たちのコミュニティ、そして特別感を意識させるとうことです。乳幼児、学童児、そして青年期、それぞれの脳の特徴を説明しつつ、心地よいコミュニケーションはどのようなものであるか、扁桃体、前頭前野の関係から説明し、彼ら自身、そして彼らが教育者になった視点、あるいは親になった視点から考えてもらいました。人間は人間に興味を持たれるからこそ、心地よいのです。現代社会は、他人に興味を持たないものになりつつあります。しかし、教育の原点は、どのような人間であれ、興味を持ち、持たれ、の関係から生まれるのです。


美しく生きるために

2013年04月11日 19時58分50秒 | 日記
今日は先ほどまで大学院の必修授業を行っていました.科目名は「美しく生きるための健康科学総合特論」です.今日はオリエンテーション,今後の研究の流れ,そして,簡単な科学論文の仕上げ方についてレクチャーしました.看護学分野の方々にも平易に紹介しないといけませんが,PubMedなどを通じて英語にどのように慣れていくか,そして自分にとってのアイドル(研究者)をつくることの意味性を伝えました.その後,科学,そして科学性とは何かということを少しだけ話しました.

そのしめには,うちの大学の建学の精神を説明し,これをどのように使うかということを私なりのことばで紹介しました.

畿央大学の建学の精神は,
徳をのばす
知をみがく
美をつくる

徳というものは,他者を思いやる心のことでもありますが,研究というものは,つねに他者を意識し,「他者のために」という社会性をもっていないといけない.すなわち,使われないと話すとともに,「伸ばす」という述部の意味を語りました.すなわち,伸ばすということは,人間にはすでに人間(子育てする動物)として生まれてきた以上,徳を持っている.あとは,それを伸ばすだけなんだ.と話しました.まあ,大脳辺縁系を作動させ,人,人類のためと思い,行動を起こすことの大切さなわけです.

一方,知とは知性そのものであり,それは知恵であったり,知識であったりします.人間はたゆまなき探究心によって,これまでの文化・文明を築いてきました.知は人間社会を豊かにするものですが,ここでは「みがく」という述部になっています.研究者としてスタートした修士課程の院生たちは原石です.原石は磨かれます.それは石が磨かれるように.自然の流れに従えば,例えば石は他の石や川底に衝突(相互作用)することで磨かれます.つまり,それは他者であったり物(書物や文献)であたり,良き師,良き書物と自己を相互作用させることで磨きあげられるわけで,自分だけでは磨くことができない.他人に生かされているんだと話しました.まあ,前頭葉を作動させ,思考し続けることの大切さなわけです.

最後の美は,これは美しいもの,そして美しき心を指示しています.自然界で美しいと思うもの,そして人工的に美しいと思うもの,それは人それぞれの感性によって生まれます.感性を大切にするのと同時に,科学的にも文化的にもシンプルなものは美しいと話しました.E=mc2に代表されるような,その数式,そして普遍的なものはサイエンスとして最も美しい象徴であることを伝え,服装に代表されるように,ごちゃごちゃしたものは美しくはないことを伝え,科学論文はシンプルにわかりやすく表現するものを創造したものと話しました.そして述部の「つくる」は,まさに白紙,ゼロからのスタート.自らが動き,創造し,オリジナルなものを追求することの大切さを伝えました.まあ,頭頂葉を作動させ,いろんなものを結びあわせつつ,創造をつくることの大切さなわけです.

いずれにても,研究生活を「楽しみ」から「楽しむ」に変えていってもらいたい.そこで来週は学びのストラテジーと題して,意欲を継続させるためのヒケツを脳の科学から話します.そして再来週は科学論文を書くためにと題して,科学とは,から論文を書くための細かな手続きについて話します.みなさんの研究生活のスタートを援助するために.

実質的な新年度スタート!

2013年04月10日 19時09分42秒 | 日記
今日から学部の授業が始まりました.

今日は午前中看護医療学科の講義でした.ここでは「感情体験の脳科学」というものを担当しており,自己,他者,患者さんの感情の変化をとらえ,それを脳の科学から分析し,その脳を健全に機能させるためには,どのような関わりが必要であるか,事例を通じて考える場にしています.最終的には内科,脳外科,小児科,整形外科,認知症ケアなどの事例でみられた現象や情報を通じて,脳の諸問題を捉え,ケア方法を考えていければと思っています.その前に,自らの脳実験を通じて人間の感情を科学したり,コミュニケーションの重要性を脳の実験からも考えていきます.

今年は授業時間の関係で10名足らずでゼミのようになってしまいました.これ幸いですので,彼女ら,彼らと密なノンバーバルコミュニケーションをとっていきたいと思います.去年は20名,その前は30名,その前は70名,その前は20名と,時間割が変わることに選択する学生が変動するため,こっちも臨機応変さが必要になります.ある意味,私の前頭葉は鍛えられるわけです.

感情体験の脳科学.感情を理解する上で,自分の感情の一人称的な変化を感じ取ることが一番の教科書.患者さんのため,という前に自己を評価し,分析する能力を高めないとね.

午後はまずは理学療法学科の講義.神経系理学療法学Bですが,ここでは高次脳機能障害と失調症,パーキンソン病,神経難病を取り扱います.運動障害を中心としたものは神経系理学療法学Aで松尾先生が教えてくれます.松尾先生よろしく!

今日は高次脳とは何かを説明し,失語モデルから脳内ネットワークを考えてもらい,その後,失認の序論を話しました.来週から半側空間無視に入りますが,今日は二つの視覚経路を理解してもらうのと同時に,相貌失認から,人間の脳の複雑さを考えてもらいました.ラマチャンドラン博士にビデオに出てきてもらいました.彼のネクタイはいつも派手です.彼は「脳のなかの天使」というおしゃれな本を出しましたね.私の「リハビリテーションのための神経生物学入門」とどういくでしょう?

この授業では標準理学療法学「神経理学療法学」を教科書としてさっそく採用していますが,まだ彼らには届いていません,医学書院の皆様お早めによろしくお願いします.

しかしながら,今日の授業は雑談ばかりで進みませんでした.相貌失認を説明するにあたり,松尾先生,冷水先生の入職時の写真をみせてバカ受けでした.彼ら彼女らは相貌失認ではありませんでした!そして,そしてfacebookにもいますが,田平隆行先生にも登場してもらいました.みんな「田平先生」って言っており,兄弟,遺伝子なわけですね.形態は.

そして,先ほどまで教育学の「発達脳科学」を授業していました.この授業は我々ニューロリハ研究センターの面々のオムニバスです.私の方が脳の進化と発達,道徳と脳,学習と脳を担当し,岡田先生が男女の脳の違いと教育を,松尾先生が脳とコミュニケーション,社会脳を担当し,冷水先生,前岡先生は実際の脳イメージング装置を利用して,コミュニケーションや学習・認知課題時の脳活動を実験実習し,教育課題を考える場にしています.

今日は冗談を交えながら,脳の構造と機能の概要を大まかに理解してもらいました.その前に,「人間」「ロボット」「爬虫類」「人間以外の霊長類」と対比しながら,出てきた行動や現象の違いがなぜ起こるのか,進化や脳・CPU/HDの違いから科学的に解説し,人間の脳の発達には環境要因がとても大切であることを理解してもらいました!?


いずれにしても,今日は彼ら彼女らとアイコンタクトをとりながら,注意をコントロールし,時にアイスブレークをさせ,感覚モダリティを変えたり,情動を作動させるような馬鹿話をしたりしながら「脳を考えること」の楽しさを感じてもらおうと意識していました.

さあ,前期の学部授業スタートです。

今年は僕は教育スタイルを少し変え,彼ら彼女らとコミュニケートを大切にしていこうと思います.しゃべりすぎで,喉は腫れあがっていますが..

報酬の予期に向けて、準備の時の脳活動が決定づける

2013年03月31日 12時02分30秒 | 日記
今度の名古屋のPT学会って自分がどこを座長するかまだわからないの?けど初日と3日目がふさがっているので、結局は会期中すべていないといけない。まじめに行きますかな。3日間飲まないといけないんだね。。

PT学会最終日の日曜日は大学10周年記念式典・祝賀会なんだけど。。。ニューロリハ研究センター開設の手前出ないといけないかなと思いつつ。。10時15分までシンポジウムの司会なのです。だれか代わりはいないでしょうか。って土壇場で言ったら、何が社会脳だ~って言われそうですが。この社会的葛藤・ジレンマが私を鍛えてくれるのです。研究センターの代理が必要であれば松尾先生かな。。笑。そもそも私は役職的志向がないのです。。けれど、それなりの年齢になったので、それも必要と思い、社会脳を働かせるようになってきました。だから神経理学療法学関係もそろそろ行動しようと思います。

さてさて、
PT学会を日曜日に終えて、そのまま大学に向かい、祝賀会に参加できれば参加し、翌月曜日の8時の便で成田経由でロンドンに発ちます。ここもハードですね。けれど、ロンドンはほんと久しぶりなんで、今から予期でドーパミン神経細胞が興奮しています。フランス、イタリアは学会で多いんだけどね。特に学会はイタリアが多い。みんなイタリアに観光したいんだろうね。観光はイタリア、生活はフランスでしょうか。

ロンドンは15年ぶり。。27才にイギリスのバース(Bath Royal United Hospital NHS trustで脳卒中の臨床の研修)というところに2ヶ月住みながら、バスや列車でロンドン中心にイギリス各地の病院や大学に、横浜で開催する(した)WCPT学会の広告・パンフレットを日本の協会から渡されて、それを持って、日本にどうぞお越しください!って病院や施設を回ったけどあんまり響かなかったんだよな。それに対して、その後、1ヶ月かけてまわったアイスランド、フィンランド、デンマーク、スウェーデンのPT達は大変興味を示してくれた。特にアイスランドの会長は!イギリスはアポを取るだけでも敷居が高かった。プライドが高い感じだった。今は変わってるかもね。日本の理学療法士人口を考えれば。それに自分も若かったし。

料理はイギリスにしろ北欧にしろ毎日食べられるものではなかったので、ベルギーに入った瞬間感動した記憶があります。イギリスではPUB三昧、fish & Chips三昧。になることでしょう。松尾氏、冷水氏、前岡氏との4人旅になります。これにたまに福本氏が入ったり、信迫氏が入ったりして、男旅になったりしますが。まあ、毎日が●●●三昧な会話です。けれど、いつも腹がよじれるぐらい笑い転げます。最近は野心がまったくなっているので、日々の講演三昧の体を癒やす男旅になっています。

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