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「発禁」と深夜放送。

先日、ふと「あの素晴らしい愛をもう一度」が聞こえてきた。なつかしい・・・ 

ああ 加藤和彦 死んじゃったんだなあ。

聞いていて、この歌の歌詞じゃないけど 涙が知らずにあふれてくるようだった。歳とるとホント涙もろくなるの。

しっかり勉強しないと大学いけないぞという圧力とか奴隷のような部活の苦しみとか、失恋の傷手とか、あまり人生おもしろくない頃に、この曲は少し元気をくれたな。 あの、B♭からDmからG7を介してCに転調して「広ーい荒野に・・・」のところなんか、疲れた心にムチを打ってくれた気がする。

たぶん高校の1年か2年頃だったと思う。もう自分でバンドをやる機会はとっくになくなっていたし、邦楽はもちろんもうGSなんか終幕を迎えていた。洋楽もアートロックと当時いわれたクリームやツェッペリンなどや西海岸あたりからのサイケなども下火になってビートルズも解散風が吹いて、カーペンターズなどバカラックあたりのメロディが流行始めていた頃だったと思う。音楽がまったりしてきたころに、この曲はとてもまた邦楽の元気を取り戻してくれたような曲だった想い出がある。GSが短命の流行を追えた後も、深夜放送からカルメンマキだのフォーク・クルセダーズが出てきておもしろい時代だった。フォーク・クルセダーズが「帰って来たヨッパライ」で一世を風靡した。ひとり密かにオープンリールの2スピードを駆使して一人で「オラは死んじまっただー」ってマネしたっけ。ギターをもってゆっくり歌って録音して速度を上げて再生するだけのことだ。

久しぶりに「放送禁止」ということばを聞いたのも深夜放送に夢中だった頃。このことばの初めて聞いたのは子供のころ、美輪明宏(当時丸山明宏)だった。ヨイトマケの歌で確か「土方」っていう言葉がいかんというので放送禁止になっていた。放送禁止は些細なことだったのだろうが、「母ちゃんのためならエンヤコラ」とふざけて歌っていたので、放送禁止という言葉も子供ながらに記憶として残っていた。とにかく高校生のころとかは発売禁止なんていうとみんなでよろめき立っていた。平凡パンチで有名な写真家の誰それの撮ったヌードで毛が写っちゃって発禁だぜ!なんて休み時間の話題だった。(とにかく毛だけで発禁の時代であったのだ。) 

発禁」ということばイコール禁断の誘惑だったのか?

で、話を戻すと・・・

フォーク・クルセダーズが「帰って来たヨッパライ」で大ヒットしたわけだが、当然 第二弾は今度はどんなギミックをしでかすのか注目していた。

するとなんとも美しいメロディの曲だった。ところがこれが放送禁止になり、レコードも発売されなかった。放送禁止だの発売禁止なんていうとますます聞きたくなるのが常だが東京はダメだが関西では以前として放送しているぞとか。実はもう世の中に一部レコードが出回ったとかいう噂話が伝わってきたりしていた。 後に「ミューテーション・ファクトリー」というもともとこの曲を発掘した人たち(加藤和彦とも知り合いの)がレコードを作り売ったとの話を聞くが入手できなかった。(ずっと後にこの曲を聞いたら2番を韓国語で独唱しているのは間違いなく加藤和彦だった!)

 とにかく今の時代のようにYouTubeもないのでもうどうしようもなかった。禁止理由は北朝鮮のプロパガンダの意味の曲だのどうだので韓国がだめ出ししたとからしいが、そんな事はどうでも良かった。とにかくキレイな曲だった記憶がある。聞けないとなるとホントに聞きたくなっていた想い出がいっぱいだ。

加藤和彦は自分だけでなく他のアーチストにも良い曲を沢山作ったし、日本の音楽史に功績はホントに大きい。生きていて欲しかったな。軽井沢で一人で死んじゃたっけね。

井上大輔とかもそうだが、ある一時代に名作を連続的に送りだした著名なアーチストが、時代が変わり自分の作品が世の中の嗜好から離れていくというのはしんどいことなのだろうな。荒井由美なんかもあれだけ凄かったからそういう点、きっと痛感しているんじゃないかな? 

いずれにしても昨今の大衆音楽は、打ち込みコンピュータの低コスト音楽ばっかりで、やんなちゃうな・・・・

まあ、そんなこと言ったってしょーがない。もうジジイが何いってんの?って孫に言われる日も近そうだな。なんたって最近、オリコンの今週のベストテンとか見ても全く知ってる歌手いないしね・・・

ため息がてらに おじさん、加藤和彦と、彼が元気づけてくれた昔を偲んで 自分で演ったからヘタだけど聞いてね。

https://soundcloud.com/pudgybonzo/lravf50a5va5

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