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ちょっと書いとこう・・・・

M1チップに見る日本の半導体企業が世界的に凋落した理由 

2021年04月08日 | Miscellaneous

新しいM1チップを搭載したMac Bookのスピードはすごい。とにかく本体、アプリの起動の早さは快適だ。

ところで、日本の半導体企業が世界的に凋落したの理由が、開発・設計と製造の一貫性にこだわりを捨てられなかったからだという。

かつて、生産においてQCD(quality,Cost,Delivery) の追求、すなわち、安く早く高品質なモノを送り出すため、設計から完成までの各過程で相互に意思疎通を図り成果を出すためにその一貫性が重要と言われてきた。

ところがITの進化により作り出すモノが過去の技術の延長線上でなくなった昨今、むしろこの一貫性はマイナスになってきたという。

平たくいえば、互いの部門を考慮して結果として妥協の産物になってしまうことが多くなったということらしい。

例えばR&Dやマーケシングの分野で、顧客のニーズを魅了させるある生産物を考える。次にそのモノを作るために生産の方法を考慮する。

するとかならず一貫性にこだわる日本の半導体企業の場合、上述のQCDのあらゆる面から生産方法を検討する。

そうするとすでにR&Dやマーケティングの部門の考えた画期的なモノから現実的なモノに近づいてしまうことで競争力のある魅力的な製品を送り出せない。

日本が一貫性にこだわっていて前時代的な努力をしている間に、いろいろな製品分野でIT革命により製品の構造が変わり、むしろ海外のR&D主体で自社工場を持たない会社と、生産工場だけで自社で開発などせずとも安く早くいいものを作れる製造に特化したファウンダリーと称す半導体専門製造工場に開発も生産も遅れをとってしまったそうだ。

一例がアップルのこのM1チップだ。アップルは長年インテルのチップを使ってきたが、この新型チップはアップルが自社開発したものだそうだ。

アップルは自社工場を持たない。生産の細かいことに人材や資金を投入しない分、開発やマーケティングに諸資源を集中できる。極端にいえば、日夜、理想のモノはどんなモノかということだけを考える。

そして、もともと半導体工場は用途がどんなモノに使われようと、顧客の求める要件を満たした半導体製造だけの技術を追求すればいいのでファウンダリーはモノの生産だけに資源を集中できる。

このように過去の生産物では非常識だった二つの分野の分離が成り立ってしまい、完成するモノは理想に近づいた。

半導体の大メーカー、世界の半導体ををリードしてきたインテルでさえかなわないモノをアップルが考え、台湾か中国などのファウンダリーがその要望に応え作ってしまうことになったわけだ。

例えば、自動車も同様で、複雑な技術結集のたまものの典型なレシプロエンジンがなくなり、モーターと電池で動かすことにより、その他、走行や安全のための情報伝達用の電子部品もスマホやタブレットの技術が主体となると、ますます同様の傾向が強まるだろう。系列の部品メーカーなどいらない。先々のクルマのあり方を考え、どこから買おうが、自分たちの作りたいモノを作れる工場をピックアップすればいい。過去のような開発・製造の一体の必要性は消えないが、製品の構造上薄れてきたわけだから。

先はどうかわからないが、今のところアップルの強みはこの予想以上の開発力だ。この開発力でクルマも送り出すとなると、一体そんなクルマが送り出されるのだろう。

電話や情報機器と違い、自動車は安全に動かさなくてはならないからそう簡単にうまくいかないと思う側面、実はそのハードルとなるべき部分もITの進化で解消できる可能性も高い。

ソニーも電気自動車のデモカーをショーアップしているが、自社でクルマは作らないといいつつも、近未来に向けたクルマ適用電子部品の技術開発は相当重視している。

西暦2035年、高速道路上を走る自動走行中のクルマの運転席には80歳くらいになって寝ている私がいるかもしれない。

そして そのクルマのエンブレムにはリンゴのマークが?・・・・


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