元「債券王」グロース氏、米国債・株式とも「割高」と一刀両断
Ye Xie、Katherine Greifeld、Romaine Bostick
2023年8月12日 3:41 JST 更新日時 2023年8月12日 10:57 JST ブルームバーグ
米10年債利回りの適正水準は4.5%前後と指摘
株式のリスクプレミアムも割高-ブルームバーグTVに語る
かつて「債券王」と呼ばれたビル・グロース氏は、株式と債券の強気派は間違っており、いずれの市場も「割高だ」と指摘した。
パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の元最高投資用責任者であるグロース氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、米10年債利回りは4.5%前後が適正だと述べた。現在の水準は4.16%前後。
2019年に資産運用から退いたグロース氏は、インフレ率が3%前後から下がりにくくなる可能性があると述べ、米10年債利回りは過去に米金融当局の政策金利を135ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)程度上回る水準で取引されてきたと指摘した。
従って米金融当局が政策金利を3%程度に引き下げたとしても、現在の10年債利回りは過去の関係を踏まえるとなお低過ぎることになる。また、米財政赤字の拡大で債券市場には供給圧力が強まるとも指摘。米国債の強気派の主張は「やや見当違いだと思う」とグロース氏は語った。
Less Risk Premium | Earnings yields of stock markets fall relative to bond rates
グロース氏は、株式益回りと債券利回りの差で測る株のリスクプレミアムが歴史的な低水準にあると指摘。株価が割高なことを示唆していると述べた。
同氏はさらに、保有していた地銀株を最近の上昇後に売却したとあらためて説明。現在、「最適価値」の資産は、魅力的な利回りと税制上の優遇を得られるエネルギー・パイプラインのパートナーシップだと語った。
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原題:Bill Gross Slams Stock and Bond Bulls, Says Markets ‘Overvalued’(抜粋)
(グロース氏の発言を追加して更新します)
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