感染減少のスピードが鈍る傾向 宣言延長の10都府県
2021年2月19日 20時22分 新型コロナウイルス
緊急事態宣言が出されてからきょうで6週間、延長の決定から2週間あまりになります。
感染状況を示す指標の1つで、1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す「実効再生産数」をNHKが簡易な手法で計算したところ、緊急事態宣言が延長された10都府県ではいずれも収束の方向に向かっていますが、ほとんどの地域で実効再生産数の値は前の週よりやや上がっていて感染が減少するスピードが鈍る傾向が見られます。
感染状況を示す指標の1つで、1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す「実効再生産数」をNHKが簡易な手法で計算したところ、緊急事態宣言が延長された10都府県ではいずれも収束の方向に向かっていますが、ほとんどの地域で実効再生産数の値は前の週よりやや上がっていて感染が減少するスピードが鈍る傾向が見られます。
NHKは国立感染症研究所の鈴木基感染症疫学センター長の監修を受け、緊急事態宣言が延長された10都府県について、18日までのデータに基づいて簡易な手法で実効再生産数を計算しました。
実効再生産数は、1人の感染者から何人に感染が広がるかを示し、「1」を上回ると感染が拡大に向かう一方、「1」を下回ると収束に向かうとされています。
より正確に出すには発症日を推定して計算するなど、さらに多くの条件を考慮する必要がありますが、時間がかかるため、あくまで目安の数値として確認された日ごとの感染者の数をもとに簡易な手法で計算しています。
※今後、公的な機関などが発表する実効再生産数のデータと結果的に異なる場合があります。
実効再生産数は、1人の感染者から何人に感染が広がるかを示し、「1」を上回ると感染が拡大に向かう一方、「1」を下回ると収束に向かうとされています。
より正確に出すには発症日を推定して計算するなど、さらに多くの条件を考慮する必要がありますが、時間がかかるため、あくまで目安の数値として確認された日ごとの感染者の数をもとに簡易な手法で計算しています。
※今後、公的な機関などが発表する実効再生産数のデータと結果的に異なる場合があります。
東京都
東京都の実効再生産数は、
緊急事態宣言が出された▼先月7日時点で1.28、
▼先月14日時点で1.22と「1」を超えていましたが、
▼先月21日時点では0.94と「1」を下回りました。
その後、
▼先月28日時点で0.73、
▼今月4日時点で0.75、
▼今月11日時点で0.78、
▼18日時点では0.82と、収束の傾向は変わらないものの、感染が減少するスピードは今月に入って以降やや鈍る傾向になっています。
神奈川県
神奈川県では
▼先月7日時点で1.11、
▼先月14日時点で1.45と緊急事態宣言が出された後も上がりましたが、
▼先月21日時点では0.97、
▼先月28時点では0.68、
▼今月4日時点で0.71、
▼今月11日時点で0.71、
▼18日時点では0.74と「1」を下回っています。
埼玉県
埼玉県では
▼先月7日時点で1.10、
▼先月14日時点で1.25、
▼先月21日時点では1.05、
▼先月28時点で0.73、
▼今月4日時点で0.89、
▼今月11日時点で0.80、
▼18日時点では0.83と「1」を下回っています。
千葉県
千葉県では
▼先月7日時点で1.22、
▼先月14日時点で1.42、
▼先月21日時点で1.04、
▼先月28日時点では0.82、
▼今月4日時点で0.78、
▼今月11日時点で0.74、
▼18日時点では0.85と「1」を下回っています。
首都圏1都3県
1都3県全体では
▼先月7日時点で1.21、
▼先月14日時点で1.30、
▼先月21日時点で0.98、
▼先月28日時点で0.73、
▼今月4日時点で0.77、
▼今月11日時点で0.76、
▼18日時点では0.81と「1」を下回っていますが、感染が減少するスピードはやや鈍る傾向になっています。
愛知県
愛知県は
▼先月7日時点で1.05、
▼先月14日時点で1.13でしたが、
▼先月21日時点で0.91、
▼先月28日時点で0.85、
▼今月4日時点で0.66、
▼今月11日時点で0.81、
▼18日時点では0.78と「1」を下回っています。
岐阜県
岐阜県は
▼先月7日時点で1.17、
▼先月14日時点で1.01、
▼先月21日時点で0.91、
▼先月28日時点で0.79、
▼今月4日時点で0.73、
▼今月11日時点で0.90、
▼18日時点では0.75と「1」を下回っています。
大阪府
大阪府は
▼先月7日時点で1.26、
▼先月14日時点で1.31でしたが、
▼先月21日時点で0.96、
▼先月28日時点で0.82、
▼今月4日時点で0.72、
▼今月11日時点で0.70、
▼18日時点では0.76と「1」を下回っています。
京都府
京都府は
▼先月7日時点で1.02、
▼先月14日時点で1.22、
▼先月21日時点で0.99、
▼先月28日時点で0.90、
▼今月4日時点で0.66、
▼今月11日時点で0.55、
▼18日時点では0.74と「1」を下回っています。
兵庫県
兵庫県は
▼先月7日時点で0.97で、
▼先月14日時点で1.33、
▼先月21日時点で0.98、
▼先月28日時点で0.84、
▼今月4日時点で0.70、
▼今月11日時点で0.68、
▼18日時点では0.76と、「1」を下回っています。
関西2府1県
関西の2府1県では
▼先月7日時点で1.12、
▼先月14日時点で1.30、
▼先月21日時点で0.97、
▼先月28日時点で0.84、
▼今月4日時点で0.70、
▼今月11日時点で0.67、
▼18日時点では0.76となっています。
福岡県
福岡県は
▼先月7日時点で1.18、
▼先月14日時点で1.28、
▼先月21日時点で1.02、
▼先月28日時点では0.75、
▼今月4日時点で0.70、
▼今月11日時点で0.82、
▼18日時点では0.83と「1」を下回っていますが、減少のスピードが鈍る傾向が見られています。
全国
また、全国では
▼先月7日時点で1.18、
▼先月14日時点で1.27と「1」を上回っていましたが、
▼先月21日時点では0.96、
▼先月28日時点で0.77、
▼今月4日時点で0.74、
▼今月11時点で0.75、
▼18日時点では0.80と「1」を下回っています。
専門家「謝恩会や送別会は控えて」
日本感染症学会の理事長で東邦大学の舘田一博教授は「感染が減少するスピードが鈍る傾向が見られていて、現在の対策で感染を抑えるのには限界があるのかもしれない。さらに鈍るおそれもあり、その場合、緊急事態宣言の解除は難しくなると考えられる。卒業式や人事異動などの時期だが、謝恩会や送別会といった飲食の場は控えてほしい。一人一人の行動によって今後の感染状況が左右される重要な時期だという自覚を持って行動してほしい」と話しています。