NYダウ続落、62ドル安 米消費減速を懸念
北米
2020/7/18 5:15 (2020/7/18 5:34更新)
【NQNニューヨーク=古江敦子】17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続落し、前日比62ドル76セント(0.2%)安の2万6671ドル95セントで終えた。米消費者の景況感指数が低下し、米景気回復の勢いが鈍るとの懸念から売りが優勢だった。一方、来週以降の決算発表の本格化を控え、積極的に売り込む動きは限られたことから方向感に乏しい展開だった。
米ミシガン大学が17日午前に発表した7月の消費者態度指数(速報値)は前月から4.9ポイント低下の73.2となり、市場予想(77.8)を下回った。米国では6月下旬から新型コロナウイルスの感染再拡大が鮮明となっており、消費者心理の悪化で先行きの消費活動が鈍ると警戒された。
米ジョンズ・ホプキンス大学によると16日の米国の新規感染者数は7万人を超え過去最多だった。米経済の正常化が遅れるとの懸念は根強い。
もっとも、ダウ平均の下げ幅は限られた。来週はソフトウエアのマイクロソフトや半導体のインテル、電気自動車(EV)のテスラなど主要企業による2020年4~6月期決算が相次ぐ。決算発表のヤマ場を控え、様子見ムードの投資家も多い。
夏期休暇中だった米上下両院が20日から、新型コロナ関連の追加の経済支援策について協議を再開する。州・地方政府への支援や7月末で打ち切られる失業給付の増額措置などについての議論を見極めたいとのムードが強く、積極的な売買は手控えられた。
原油先物相場の下落を受け、エクソンモービルやシェブロンなど石油株が下げた。旅客需要の低迷が続くとみられるアメリカン航空グループなど空輸株に売りが続き、航空機のボーイングもつれて下げた。JPモルガン・チェースなど金融株も安い。一方、IT(情報技術)のシスコシステムズや製薬のファイザーは上昇した。
ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比29.36ポイント(0.3%)高の1万0503.19で終えた。今週にコロナワクチンの臨床試験で抗体生成を確認したと発表したモデルナが上場来高値を更新するなど、バイオ製薬銘柄が上昇した。
一方、16日夕に2020年4~6月期決算と併せて年後半にかけて有料契約者の伸びが鈍る見通しを示した動画配信のネットフリックスは6%強下落した。