無は無言の警鐘。
茶席の禅語では「無」とは何もないのではなく、「無一物無尽蔵」といって、
「心無にすれば無尽蔵に有る」といいます・・・
今日聴いたジャズ・・・
PAUL FLEISHER・・・「THAT BRIDGE」
本作は、1944年ニューヨーク生まれ、大阪を拠点に活躍する本格派のテナー・サックス奏者、
ポール・フラッシャーのリーダー作。
彼は、13歳のとき、生まれて初めてジャズ・クラブをみて音楽の道を進む決心をしたという。そのとき演奏していたのが
エリック・ドルフィーだったとか。。。
リーダー作として、2006年に「LET ME TELL YOU A STORY」、、2007年に「NATURE BOY」を出している。
本作は、ケニー・バロン(p)、ボブ・クランショウ(b)、アル・フォスター(ds)という強力なリズム・セクション
を従えた、ワン・ホーン・カルテット作品。
簡単にメンバーを紹介すると・・・
※ ケニー・バロンとは初共演で、1943年6月9日生まれなので、ポールよりひとつ上になる。
いうまでもなく、ニューヨークで最も輝いているピアニストの一人。
※ ボブ・クランショウは、ソニー・ロリンズとの共演が長く、テナー・サックスとの共演はコツも分かっており、
ここでも見事なサポートを聴かせる。1932年12月10日生まれとは思えない力強いプレイを披露している。
※アル・フォスターは、ポールと同じ1944年1月18日生まれで、同じくソニー・ロリンズとの共演で有名。
ロリンズから強い影響を受けている。
シャープで切れ味のいいスティックさばき、シンバルの音の明快さと美しさが光っている。
アルバム内容は、全9曲、2曲(4、6)はポールのオリジナルで、そのほかは・・・
〇 ジーン・ディ・ポールが1943年に書いた1
○ セロニアス・モンクなども演奏していた、原曲はドイツの曲で1929年作と古い曲2
○ ナット・アダレイの代表曲3
○ 未発表に終わっているけれど、1999年にカリフォルニアで作曲したというポールのオリジナル。
美しい旋律を持ったバラード4
○リチャード・ロジャースが1943年のミュージカル「回転木馬」のために作曲したお馴染みの5
○マンハッタンのハドソン川の風景を描いた、ポールが2008年に作曲した6
○ウディ・ハーマン楽団の作曲7
○1948年の映画「大地は怒る」のテーマでブロニスロウ・ケイバーが作曲した、お馴染みのスタンダード8
○JOHN HULATONの作曲で、ポール、1955年に初録音(未発表)しておりライブでは機会あるごとにプレイしてきた。
〆にふさわしい美しいバラード9
ポール・フラッシャーはたしかに本格派テナーマンだと思う。けれども、本盤を聴いても、もう一つ「熱さ」を感じない。
たとえば、マイケル・ブレッカー、、エリック・アレキサンダー、、オーヴェ・イングマールソンたちが聴かせる
「手に汗を握るような」熱いブローを聴きたい、、聴かせて欲しいと思う。
アルバム全体は、アップテンポの曲もあるけれど、どちらかといえばミディアム・テンポに展開する曲がおおい。
加えて、バラードでは、サポートする、ケニー・バロンのピアノがとりわけ美しい。。。
1・STAR EYES・・・2・JUST A GIGOLO・・・3・WORK SONG・・・4・IN MEMORY OF・・・5・SURREY WITH FRINGE
ON TOP・・・6・RAIN ON THE HUDSON・・・7・EARLY AUTUMN・・・8・ON GREEN DOLPHIN STREET
9・MIDNIGHT DANCE・・・
PAUL FLEISHER(ts)
KENNY BARRON(p)
BOB CRANSHAW(b)
AL FOSTER(ds)
2008年12月11、12日 ニューヨークにて録音・・・