つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

2014-12-03 12:23:54 | ジャズ


  無は無言の警鐘。


  茶席の禅語では「無」とは何もないのではなく、「無一物無尽蔵」といって、

 
  「心無にすれば無尽蔵に有る」といいます・・・



   今日聴いたジャズ・・・


   PAUL FLEISHER・・・「THAT BRIDGE」


 
   本作は、1944年ニューヨーク生まれ、大阪を拠点に活躍する本格派のテナー・サックス奏者、

   ポール・フラッシャーのリーダー作。

   彼は、13歳のとき、生まれて初めてジャズ・クラブをみて音楽の道を進む決心をしたという。そのとき演奏していたのが

   エリック・ドルフィーだったとか。。。

   リーダー作として、2006年に「LET ME TELL YOU A STORY」、、2007年に「NATURE BOY」を出している。

   本作は、ケニー・バロン(p)、ボブ・クランショウ(b)、アル・フォスター(ds)という強力なリズム・セクション

   を従えた、ワン・ホーン・カルテット作品。


   簡単にメンバーを紹介すると・・・


   ※ ケニー・バロンとは初共演で、1943年6月9日生まれなので、ポールよりひとつ上になる。
     いうまでもなく、ニューヨークで最も輝いているピアニストの一人。


   ※ ボブ・クランショウは、ソニー・ロリンズとの共演が長く、テナー・サックスとの共演はコツも分かっており、
     ここでも見事なサポートを聴かせる。1932年12月10日生まれとは思えない力強いプレイを披露している。

   
   ※アル・フォスターは、ポールと同じ1944年1月18日生まれで、同じくソニー・ロリンズとの共演で有名。
    ロリンズから強い影響を受けている。
    シャープで切れ味のいいスティックさばき、シンバルの音の明快さと美しさが光っている。


    アルバム内容は、全9曲、2曲(4、6)はポールのオリジナルで、そのほかは・・・

   〇 ジーン・ディ・ポールが1943年に書いた1
 
   ○ セロニアス・モンクなども演奏していた、原曲はドイツの曲で1929年作と古い曲2

   ○ ナット・アダレイの代表曲3

   ○ 未発表に終わっているけれど、1999年にカリフォルニアで作曲したというポールのオリジナル。

    美しい旋律を持ったバラード4

   ○リチャード・ロジャースが1943年のミュージカル「回転木馬」のために作曲したお馴染みの5

   ○マンハッタンのハドソン川の風景を描いた、ポールが2008年に作曲した6

   ○ウディ・ハーマン楽団の作曲7

   ○1948年の映画「大地は怒る」のテーマでブロニスロウ・ケイバーが作曲した、お馴染みのスタンダード8

   ○JOHN HULATONの作曲で、ポール、1955年に初録音(未発表)しておりライブでは機会あるごとにプレイしてきた。
    
   〆にふさわしい美しいバラード9


  ポール・フラッシャーはたしかに本格派テナーマンだと思う。けれども、本盤を聴いても、もう一つ「熱さ」を感じない。

  たとえば、マイケル・ブレッカー、、エリック・アレキサンダー、、オーヴェ・イングマールソンたちが聴かせる

  「手に汗を握るような」熱いブローを聴きたい、、聴かせて欲しいと思う。

  アルバム全体は、アップテンポの曲もあるけれど、どちらかといえばミディアム・テンポに展開する曲がおおい。

  加えて、バラードでは、サポートする、ケニー・バロンのピアノがとりわけ美しい。。。


1・STAR EYES・・・2・JUST A GIGOLO・・・3・WORK SONG・・・4・IN MEMORY OF・・・5・SURREY WITH FRINGE
  ON TOP・・・6・RAIN ON THE HUDSON・・・7・EARLY AUTUMN・・・8・ON GREEN DOLPHIN STREET
9・MIDNIGHT DANCE・・・




    PAUL FLEISHER(ts)
    KENNY BARRON(p)
    BOB CRANSHAW(b)
    AL FOSTER(ds)


    2008年12月11、12日 ニューヨークにて録音・・・

  

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