凪とは風がやみ、波が穏やかになることで「和ぎ」とも書きます。
「西の夕凪」「夫婦喧嘩と北風は夜凪がする」など、西風や北風が夕方や夜に静まることわざです。
朝、陸風と海風が移り変わるときに一時(いっとき)風が吹かなくなるのが「朝凪」、逆に夕方に海風と陸風が
移り変わるときに無風状態になるのが「夕凪」。
中世ラテンのことわざに「よき日を賛えるには夕暮れを待ち、生をたたえるには死を待て」という言葉がありますが、
夕方の風のない穏やかな海は、たとえ一時であっても心和む風景のひとつです・・・
今日聴いたジャズ・・・
GRAHAM DECHTER・・・「RIGHT ON TIME」
本作は、カリフォルニア州サンタモニカ出身、若干23歳の新人ギタリスト、グラハム・デクターのデビュー作。
19歳の時に、レイ・ブラウンやダイアナ・クラールとの共演で知られる西海岸を代表する巨匠ドラマー、
ジェフ・ハミルトンにスカウトされ、CLAYTON_HAMILTON JAZZ ORCHESTRAに最年少で加入した逸材でもある。
ハミルトンとデクターが共同プロデューサーしたのが本作にあたる。
バックを務めるのは恩師のジェフ・ハミルトン(ds)とジョン・クレイトン(b)、そしてイスラエル出身のピアニスト、
タミル・ヘンデルマン(p)というアメリカ西海岸の最強のリズム隊。
全10曲、デクターのオリジナル一曲のほかは、サド・ジョーンズ、ジョビン、エリントン、ジョニー・ホッジス、
レイ・ブラウンなどの曲を採りあげている。
躍動感のある曲の中にも、しっとりと聴かせる曲もあり、特に8曲目の「WITH EVERY BREATH I TAKE」は、しみじみとして
心に沁みる。
デクターはウェス系のギタリストながら、現代のギタリストにたとえるならピーター・バーンスタイン系のような感じがある。
そう思っていたら、彼はバーンスタインに習っていたとのこと。
また、ラリー・クーンスの薫陶も受けているらしく、クーンスの流れを汲む奏法で、まだまだ若いにも関わらず、堂々とした
弾きっぷりで、丁寧に音楽をしあげていく余裕すら感じる。
白人でありながら、ブルース・フィーリングもたっぷりで、熟成感をも兼ね備えている。
華やかで温かみがあり、ジャズの王道だと唸らせる、ジャズを聴く喜びを心地よく認識させてくれる名盤。。。
1・LOW DOWN・・・2・WAVE・・・3・THE NEARNESS OF YOU・・・4・I AIN’T GOT NOTHIN’BUT THE BLUES・・・
5・BROADWAY・・・6・RIGHT ON TIME・・・7・SQUATTY・・・8・WITH EVERY BREATH I TAKE・・・9・LINED WITH
A GROOVE・・・10・IN A MELLOW TONE・・・
GRAHAM DECHTER(g)
TAMIR HENDELMAN(p)
JOHN CLAYTON(b)
JEFF HAMILTON(ds)
2008年11月29~30日 録音・・・