「白秋」という言葉がある。秋の季節感を白と表現するのは中国のしきたりだろうが、日本でも、秋の中に「白」を
数えるのは、なかなか楽しい。
白萩が咲いている。白いムクゲが咲いている。白いサルスベリが咲いている。近所の空地に、白いホウセンカがわずかに
咲き残っている。タンポポの絮(わた)やオヒシバの穂に遊ぶ風が白く光っている。
夜になれば、いくつもの夜顔の花が香りを放って咲く・・・
今日聴いたジャズ・・・
THOMAS CLAUSEN TRIO・・・「MY FAVORITE THINGS」
本作は、1949年、デンマーク生まれ、ブラジリアン・カルテットなど、多角的な活躍をつづけるエヴァンス派の
ベテラン・ピアニスト、トーマス・クラウセンのリーダー・アルバム。
キャリアも長く実力もありながら、カーステン・ダール、キャスパー・ヴィヨームの影に隠れて、今ひとつ脚光を
浴びていないような気がする。
本盤は、ブラジル音楽に傾倒している最中に第三期ピアノトリオである、イェスパー・ルンゴー、ピーター・ダネモ
と制作した、スタンダードとオリジナルをバランスよく取り上げ、抒情派ピアノスト健在ぶりを示した充実盤であり、
北欧エヴァンス派らしいクラウセンの硬質でクリアなタッチによるクールなタッチを携えた抒情的なフレージングが
聴ける。
1・LEAVES・・・2・星影のステラ・・・3・虹の彼方に・・・4・MY FAVORITE THINGS・・・5・TEQORA・・・6・JASMINE・・
7・DEEP IN YOUR HEART・・・8・BALLADS FOR BLEY・・・9・THINGS YOU ARE・・・10・ALONE・・・
11・IF YOU ARE BUT A DREAM・・・12・PLAYTIME・・・
THOMAS CLAUSEN(p)
JESPER LUNDGAARD(b)
PETER DANEMO(ds)
2001年10月15日録音・・・