今回のテーマは、EC化率より、自社EC化率をあげることについて。
背景にあるは某大手ショッピングモールが加盟店にとって、売上げが頭打ちになっているからのようだ。
すでに4万以上もの店舗が加盟し、コンバージョンレート(ショッピングサイトの訪問者数に対する買い上げの割合)の平均は、4%程度に止まると言われる。
運営側が指導やアドバイスをしてくれると言っても、高額な出店料、販売毎の手数料が課されるわけで、それらを支払って有り余る利益が出せるとは思えない。
だから、自社EC100%は当然の流れだと思う。
データを見ると、ユニクロや無印良品は専用の通販サイトをもつので、自社EC化率100%、高島屋やマルイも自社サイトが占める割合が9割に達している。
メリットは何だろうか。まず自由にサイト運営ができ、管理費が抑えられることだ。それに出店料や販売手数料もかからないので、荒利益率も高くなる。
デメリットは、自前のサイトはモールほどの集客力はなく、それほど大きな売上げは期待できないことだ。
それでも、自社EC化率が上がっているのは、チャンネルを広げる攻めの戦略が不可欠との判断からだろう。
ただ、筆者はEC化率100%と言ったところで、それが主販路になるとは思わない。
ユニクロや無印良品が自社サイトのみで販売できるのは、リアル店舗というチャンネルで確かな商品を地道に売ってきた実績があるからだ。
そうした戦略で知名度を広げ、ブランド力を築き、それに裏打ちされる信用がお客を惹き付けていることも注目すべきである。
自社EC化はブランドと信用を下敷きにするからこそ、まだ見えぬ多くのお客にも購買機会を与えられ、マーケットを広げていけるのではないだろうか。
また、自社EC化率100%にしても、カギを握るのはディレクションやマネジメント。デジタルメディアの特徴は、情報の速報性、更新性、インタラクティブ=双方向機能だ。
だから、自社ECでは日々、新しい商品とともに情報を発信し、お客の反応、反響を収集し、リアクションしなければならない。メルマガ、ニュースレターはもちろん、担当バイヤーのブログ、Facebook、LINEなどのSNSとの連動は不可欠である。
また、そこでは情報の編集、加工が必要になるし、お客に関心を持ってもらうキーワードやフレーズの付け方、商品写真の撮り方、動画の配信といった工夫も欠かせない。
SEO対策を行うのはもちろん、検索エンジンにキーワードやフレーズがかかれば、すぐさま広告を出稿するトラッキングクッキーを含めて、更新を確実に行うことが必要になる。
モールに出店するショップでも、商品が売り切れているのに堂々と掲載されていることがある。これはモール側のシステムに問題があるのか、加盟店側の怠慢なのか。
どちらにしても、お客の立場から言わせてもらえば、これらを見せられるといつもげんなりする。
自社ECでは在庫が売り切れると、サイトからも削除する。そうすることで、お客に衝動買いを促す効果もあるはず。だからこそ、日々の更新が欠かせないのである。
インタラクティブでは、情報発信のみでは限界があるから、お客の問い合わせにも素早くレスポンスすることが不可欠だ。これは大手ショッピングモールの加盟店ですら、バラツキがあると感じている。
忙しいか、暇かの問題ではない。自社ECは24時間、ワールドワイドで機能している。それを考えると、できるだけ早くレスポンスするべきではないだろうか。
つまり、ECと言ってもシステムを構築し、サイトを立ち上げれば終わりではない。その後の情報発信はずっと続く。体力勝負ということである。
もっとも、自社であれ、他社任せであれ、EC化はリアル店舗での販売実績やブランド力、信用に裏打ちされる。また、リアル店舗での「接客」「サービス」を下敷きにして、集客力が発揮される面もある。
だから、自社ECで難があると言われる集客力を付けるには、バーチャルな接客、サービスにも注力する必要があると思う。試着ができないわけだから、商品の詳細はもとより、サイズや素材感、着心地まできめ細かく説明し、問い合わせにも素早く応える。
当然、購入して気に入らない時点=試着と考えて、返品交換自由といったお客へのメリットは当たり前と考えておくべきである。
もちろん、お客の居住地の近隣に店舗を構えているのなら、店舗での試着を進めるべきである。リアル店とシンクロすることで、ECはより効果を発揮する。
単に商品を売っているだけではないという意識を強く持ち、ECでも差別化していくことを考えていかなければならない。つまり、リアル店舗にどこまで近づけて、遜色ない「接客」「サービス」を提供することである。
ただ、ここまでやっても、自社ECの能力を最大化することは容易ではないと思う。なぜなら、IT評論家や識者がこぞって礼賛した大手ショッピングモールが、ものの10年かそこらで頭打ちになってきたからだ。
ネットショッピングが浸透、定着するスピード以上に、飽和状態の到来の方が早かったということだと思う。
まだまだ伸びるという評論家もいるが、筆者はよほど画期的なプログラムや技術がリンクしないかぎり、ネットショッピングは鈍化していく可能性もある。新しい仕組みは、すぐに古くなることも、頭に入れておかなければならないということだ。
自社ECは到達点ではない。また、商売の目的ではなく、販売の手段である。それをしっかり理解した上で、その先にどんな店舗像や商品を描き、品揃えや売り方を見据えるのか。それを行わない限り、一過性の販売手法で終わり、すぐに限界が来るのは目に見えている。
リアル店舗やそこで培ったノウハウをいかにECに応用できるか。もちろん、店舗販売との連動を含めて、どう運用するかがカギを握るのではないか。
背景にあるは某大手ショッピングモールが加盟店にとって、売上げが頭打ちになっているからのようだ。
すでに4万以上もの店舗が加盟し、コンバージョンレート(ショッピングサイトの訪問者数に対する買い上げの割合)の平均は、4%程度に止まると言われる。
運営側が指導やアドバイスをしてくれると言っても、高額な出店料、販売毎の手数料が課されるわけで、それらを支払って有り余る利益が出せるとは思えない。
だから、自社EC100%は当然の流れだと思う。
データを見ると、ユニクロや無印良品は専用の通販サイトをもつので、自社EC化率100%、高島屋やマルイも自社サイトが占める割合が9割に達している。
メリットは何だろうか。まず自由にサイト運営ができ、管理費が抑えられることだ。それに出店料や販売手数料もかからないので、荒利益率も高くなる。
デメリットは、自前のサイトはモールほどの集客力はなく、それほど大きな売上げは期待できないことだ。
それでも、自社EC化率が上がっているのは、チャンネルを広げる攻めの戦略が不可欠との判断からだろう。
ただ、筆者はEC化率100%と言ったところで、それが主販路になるとは思わない。
ユニクロや無印良品が自社サイトのみで販売できるのは、リアル店舗というチャンネルで確かな商品を地道に売ってきた実績があるからだ。
そうした戦略で知名度を広げ、ブランド力を築き、それに裏打ちされる信用がお客を惹き付けていることも注目すべきである。
自社EC化はブランドと信用を下敷きにするからこそ、まだ見えぬ多くのお客にも購買機会を与えられ、マーケットを広げていけるのではないだろうか。
また、自社EC化率100%にしても、カギを握るのはディレクションやマネジメント。デジタルメディアの特徴は、情報の速報性、更新性、インタラクティブ=双方向機能だ。
だから、自社ECでは日々、新しい商品とともに情報を発信し、お客の反応、反響を収集し、リアクションしなければならない。メルマガ、ニュースレターはもちろん、担当バイヤーのブログ、Facebook、LINEなどのSNSとの連動は不可欠である。
また、そこでは情報の編集、加工が必要になるし、お客に関心を持ってもらうキーワードやフレーズの付け方、商品写真の撮り方、動画の配信といった工夫も欠かせない。
SEO対策を行うのはもちろん、検索エンジンにキーワードやフレーズがかかれば、すぐさま広告を出稿するトラッキングクッキーを含めて、更新を確実に行うことが必要になる。
モールに出店するショップでも、商品が売り切れているのに堂々と掲載されていることがある。これはモール側のシステムに問題があるのか、加盟店側の怠慢なのか。
どちらにしても、お客の立場から言わせてもらえば、これらを見せられるといつもげんなりする。
自社ECでは在庫が売り切れると、サイトからも削除する。そうすることで、お客に衝動買いを促す効果もあるはず。だからこそ、日々の更新が欠かせないのである。
インタラクティブでは、情報発信のみでは限界があるから、お客の問い合わせにも素早くレスポンスすることが不可欠だ。これは大手ショッピングモールの加盟店ですら、バラツキがあると感じている。
忙しいか、暇かの問題ではない。自社ECは24時間、ワールドワイドで機能している。それを考えると、できるだけ早くレスポンスするべきではないだろうか。
つまり、ECと言ってもシステムを構築し、サイトを立ち上げれば終わりではない。その後の情報発信はずっと続く。体力勝負ということである。
もっとも、自社であれ、他社任せであれ、EC化はリアル店舗での販売実績やブランド力、信用に裏打ちされる。また、リアル店舗での「接客」「サービス」を下敷きにして、集客力が発揮される面もある。
だから、自社ECで難があると言われる集客力を付けるには、バーチャルな接客、サービスにも注力する必要があると思う。試着ができないわけだから、商品の詳細はもとより、サイズや素材感、着心地まできめ細かく説明し、問い合わせにも素早く応える。
当然、購入して気に入らない時点=試着と考えて、返品交換自由といったお客へのメリットは当たり前と考えておくべきである。
もちろん、お客の居住地の近隣に店舗を構えているのなら、店舗での試着を進めるべきである。リアル店とシンクロすることで、ECはより効果を発揮する。
単に商品を売っているだけではないという意識を強く持ち、ECでも差別化していくことを考えていかなければならない。つまり、リアル店舗にどこまで近づけて、遜色ない「接客」「サービス」を提供することである。
ただ、ここまでやっても、自社ECの能力を最大化することは容易ではないと思う。なぜなら、IT評論家や識者がこぞって礼賛した大手ショッピングモールが、ものの10年かそこらで頭打ちになってきたからだ。
ネットショッピングが浸透、定着するスピード以上に、飽和状態の到来の方が早かったということだと思う。
まだまだ伸びるという評論家もいるが、筆者はよほど画期的なプログラムや技術がリンクしないかぎり、ネットショッピングは鈍化していく可能性もある。新しい仕組みは、すぐに古くなることも、頭に入れておかなければならないということだ。
自社ECは到達点ではない。また、商売の目的ではなく、販売の手段である。それをしっかり理解した上で、その先にどんな店舗像や商品を描き、品揃えや売り方を見据えるのか。それを行わない限り、一過性の販売手法で終わり、すぐに限界が来るのは目に見えている。
リアル店舗やそこで培ったノウハウをいかにECに応用できるか。もちろん、店舗販売との連動を含めて、どう運用するかがカギを握るのではないか。