今年の秋冬物は円高やコスト増の影響からか、昨年、一昨年に比べると、1割程度値段が上がっているように感じる。NBに見られる原価率の圧縮もすでに限界だから、アパレルとしても売価に転嫁するしかないようだ。
一方、生地や縫製のクオリティを上げたクリエーターブランドも、ぼちぼちセレクトの店頭に顔を出し始めている。業界全体で、もう少し良い物を作って売っていこう。この機運が高まるのは望むところだが、マスマーケットになるのは期待薄だ。
消費税8%の値上げは、ヤングにはそれほど影響は無い。アダルトは消費税というより、欲しい商品がなかなかなく、価格対価値で買い物するならSPAには適わない。
ある程度の在庫を抱えているアパレルにとっては、この時期に小売りがプロパーでどんどん売ってくれると、フォローが来て在庫が捌けるからうれしい。
梅春、春物の企画を終えているところは、そろそろ第1弾が上がってくる。これを小売りがどれほどつけてくれるかは、冬物のプロパー販売にかかっている。この時期に売上げ、利益を確保しないと、春物仕入れの原資も捻出できないからである。
アパレルにとっても、小売りにとっても、今年中にできる限りプロパーが売れてくれないと、厳しい年明けになるのは間違いない。
荒利がある程度見込めるSPAとて、今年はダッフルコートやジャージなどオーソドックスなアイテムが多い。安くなったから手を出そうというアイテムがそれほどあるとは思えないから、安易なセール頼みは禁物と思う。
もの作りをする人間からすれば、デザインするアイテムをどうプロパー販売に結びつけるか。そのためには発想を変えなければならないとつくづく思う。
チープなSPAやファストファッションならともかく、お客さんはタンス在庫を十分持っているわけだし、1点豪華主義なわけでもないだろう。手持ちのアイテムに組み合わせ追加できるような企画も、ポイントになるのかもしれない。
そこで今年風のトレンドを出しながら、全体をうまくコーディネートしていく。値段を上げるなら、いかに上質な素材、縫製で表現できるか。
デザイン面のトレンドは別にして、個人的にはこれから梅春にかけては、防寒機能に上質素材を加えてもいいのではないかと思う。それはカシミアやカウチンなど高級ニットではなく、素材組織自体を作り込んでもいいのではないかということだ。
合繊主体の機能肌着、ポリエステルのダウン、メリノなどの梳毛ニットはSPAに任せればいい。でも、専門店系では例えば、ニットは毛糸の撚糸そのものからアイデアを凝らして、質感のあるミドルゲージくらいに仕上げても面白いと思う。
冬だから単一ウールではなく、綿やシルク、麻などを組み合わせた毛糸もほしい。ニットになった時の質感がトレンドを打ち出す重要なカギになると思う。昨今の企画はハイかローかカットソーかで、ニット組織の面白さをあまり感じない。
布帛もそうだ。アウターはポリエステルのダウンか、メルトンのコートか。ボトムにしても、通年のデニムやギャバ、定番のコーデュロイ、それに今年は裏毛のジャージだ。あとは新興国産のレザーくらい。しかも、原価率の圧縮で、生地は安いものばかり。
生地ブランドに英国の「ホーランド&シェリー」、イタリアの「ロロピアーナ」がある。どちらもオーダースーツ地が有名だが、こちらは冬なのにコットン素材も企画している。上質で肉厚なコットンスエード、あるいはコットンモールである。
このような素材を使って冬用のアイテムを作ってはどうかと思う。スエードはまるでフェルト素材と見まごうほど縮充し、とても目が詰まっている。これならコートでもジャケットでも型くずれせず、防寒機能も十分に果たすと思う。
また、モールもこしがあるからパンツにしてもしわがよらず、コール天やベルベットのようなテカリも生じない。冬のボトムに機能性とお洒落心の両方を提供できるのである。
これらは繊維が絡み合うような感じで起毛しているので、ウエアにすればデザインがベーシックでも主張が生まれる。保温力が高いから、1枚物でも冬場のアイテムとして十分に通用する。さらに天然素材だから、ウールを合わせても静電気は起きない。
原料がもつ特性を最大限に引き出す素材なら、個性的な質感が生まれ、ウエアがお洒落に見えるはずだ。ヤングはともかくとして、アダルトにはもっと素材トレンドを訴求してもいいのではないか。これは定番素材を使用するSPAにはない「価値」だからである。
コットン系素材では10数年前に、ベルベットが大流行した。モードサイクルから言えば、そろそろ再燃しても良い頃。でも、単なるリバイバルではつまらない。だから、夏場くらいから、市場にないものとして企画を温め、サンプル製作に入ってみた。
さすがにホーランド&シェリーやロロピアーナで、サンプル分の用尺を取り寄せるわけにはいかない。まず、売ってはくれないだろう。そこで懇意にする生地問屋のデッドストックを探してみると、何とか似た物を見つけることができた。
冬物には間に合わなかったので、明るい生地で梅春ものを作ってみた。それがそろそろ上がってくる。 街中が冬のセールに入る頃、春色冬素材のアイテムとして登場させよう。ものの出来がよければ、モデル撮影もありかな。
一方、生地や縫製のクオリティを上げたクリエーターブランドも、ぼちぼちセレクトの店頭に顔を出し始めている。業界全体で、もう少し良い物を作って売っていこう。この機運が高まるのは望むところだが、マスマーケットになるのは期待薄だ。
消費税8%の値上げは、ヤングにはそれほど影響は無い。アダルトは消費税というより、欲しい商品がなかなかなく、価格対価値で買い物するならSPAには適わない。
ある程度の在庫を抱えているアパレルにとっては、この時期に小売りがプロパーでどんどん売ってくれると、フォローが来て在庫が捌けるからうれしい。
梅春、春物の企画を終えているところは、そろそろ第1弾が上がってくる。これを小売りがどれほどつけてくれるかは、冬物のプロパー販売にかかっている。この時期に売上げ、利益を確保しないと、春物仕入れの原資も捻出できないからである。
アパレルにとっても、小売りにとっても、今年中にできる限りプロパーが売れてくれないと、厳しい年明けになるのは間違いない。
荒利がある程度見込めるSPAとて、今年はダッフルコートやジャージなどオーソドックスなアイテムが多い。安くなったから手を出そうというアイテムがそれほどあるとは思えないから、安易なセール頼みは禁物と思う。
もの作りをする人間からすれば、デザインするアイテムをどうプロパー販売に結びつけるか。そのためには発想を変えなければならないとつくづく思う。
チープなSPAやファストファッションならともかく、お客さんはタンス在庫を十分持っているわけだし、1点豪華主義なわけでもないだろう。手持ちのアイテムに組み合わせ追加できるような企画も、ポイントになるのかもしれない。
そこで今年風のトレンドを出しながら、全体をうまくコーディネートしていく。値段を上げるなら、いかに上質な素材、縫製で表現できるか。
デザイン面のトレンドは別にして、個人的にはこれから梅春にかけては、防寒機能に上質素材を加えてもいいのではないかと思う。それはカシミアやカウチンなど高級ニットではなく、素材組織自体を作り込んでもいいのではないかということだ。
合繊主体の機能肌着、ポリエステルのダウン、メリノなどの梳毛ニットはSPAに任せればいい。でも、専門店系では例えば、ニットは毛糸の撚糸そのものからアイデアを凝らして、質感のあるミドルゲージくらいに仕上げても面白いと思う。
冬だから単一ウールではなく、綿やシルク、麻などを組み合わせた毛糸もほしい。ニットになった時の質感がトレンドを打ち出す重要なカギになると思う。昨今の企画はハイかローかカットソーかで、ニット組織の面白さをあまり感じない。
布帛もそうだ。アウターはポリエステルのダウンか、メルトンのコートか。ボトムにしても、通年のデニムやギャバ、定番のコーデュロイ、それに今年は裏毛のジャージだ。あとは新興国産のレザーくらい。しかも、原価率の圧縮で、生地は安いものばかり。
生地ブランドに英国の「ホーランド&シェリー」、イタリアの「ロロピアーナ」がある。どちらもオーダースーツ地が有名だが、こちらは冬なのにコットン素材も企画している。上質で肉厚なコットンスエード、あるいはコットンモールである。
このような素材を使って冬用のアイテムを作ってはどうかと思う。スエードはまるでフェルト素材と見まごうほど縮充し、とても目が詰まっている。これならコートでもジャケットでも型くずれせず、防寒機能も十分に果たすと思う。
また、モールもこしがあるからパンツにしてもしわがよらず、コール天やベルベットのようなテカリも生じない。冬のボトムに機能性とお洒落心の両方を提供できるのである。
これらは繊維が絡み合うような感じで起毛しているので、ウエアにすればデザインがベーシックでも主張が生まれる。保温力が高いから、1枚物でも冬場のアイテムとして十分に通用する。さらに天然素材だから、ウールを合わせても静電気は起きない。
原料がもつ特性を最大限に引き出す素材なら、個性的な質感が生まれ、ウエアがお洒落に見えるはずだ。ヤングはともかくとして、アダルトにはもっと素材トレンドを訴求してもいいのではないか。これは定番素材を使用するSPAにはない「価値」だからである。
コットン系素材では10数年前に、ベルベットが大流行した。モードサイクルから言えば、そろそろ再燃しても良い頃。でも、単なるリバイバルではつまらない。だから、夏場くらいから、市場にないものとして企画を温め、サンプル製作に入ってみた。
さすがにホーランド&シェリーやロロピアーナで、サンプル分の用尺を取り寄せるわけにはいかない。まず、売ってはくれないだろう。そこで懇意にする生地問屋のデッドストックを探してみると、何とか似た物を見つけることができた。
冬物には間に合わなかったので、明るい生地で梅春ものを作ってみた。それがそろそろ上がってくる。 街中が冬のセールに入る頃、春色冬素材のアイテムとして登場させよう。ものの出来がよければ、モデル撮影もありかな。