3月16日にダイヤ改正です。
公式発表によると、
“今回のダイヤ改正は、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」の改正への対応を主な目的として実施するものです。
改正内容としては、最終便の時刻繰り上げやコロナ禍以降、需要が戻らない路線・時間帯の需給調整を実施し、福岡地区では全体の約4.1%(平日)を減便いたします。”
とのことで、減便がメインの非常に寂しい内容。
減便以外にもいろいろと変更がありますので、ピックアップしていきます。
・「46番」の井尻一丁目、井尻駅入口、折立経由廃止
そして、現在「46-1番」として運行されている宮竹小学校前、井尻駅経由は存続し、こちらが新たに「46番」となる。
8年前にこうなる予感はしていましたが、ついに、という感じ。
井尻一丁目~折立間の一方通行区間を走るバスも廃止となる。
一方通行区間とともに「46番」のハイライトだった、鹿児島本線等をくぐるガード経由も既に廃止となっており、私が好きだった「46番」も遠い彼方に行ってしまう感じ(竹下~五十川間など、味のある区間はまだありますが)。
「県道とバス路線」というテーマでいつか記事を書きたいと思っていたのですが、「46番」はもともと、県道山田中原福岡線をできるだけ忠実にたどろうとする意図が感じられる路線でした。
県道町川原福岡線の旧「70番」と旧「22番」、県道桧原比恵線の旧「54番」、県道後野福岡線の現「61番」など、バス路線が先なのか県道の指定が先なのかはわからないのですが、路線を最初に敷いていくときの考え方みたいなものが垣間見える気がしています。
・「25I」の新設など
現在、土日祝日に「天神~(呉服町ランプ)都市高速(香椎浜ランプ)~照葉小中学校~雁の巣レク~マリンワールド~西戸崎駅~大岳」を運行している「21B」が、香椎浜ランプ経由からアイランドシティランプ経由に変更となり、行先番号が「25I」となる。
また、現在の「21A」のうち、志賀島小学校前行きが「25A」に変更となる。
現在の「21A」の雁の巣レクリエーションセンター行きの車内では「このバスはマリンワールド海の中道、志賀島には行きません」というアナウンスが流れているし、天神や蔵本の乗り場でも、外国人向けに “マリンワールドに行きたい人は「21A」の雁の巣行きに乗ったらダメだ”という主旨の〇と×を用いた注意書きが掲示されていたりするので(〇と×が外国の人に伝わるか、という問題はありますが)、「25」という番号で区別できるよう、マリンワールドに行きたい人向けの配慮といったところでしょうか。
「25I」は、4年前に考えた「222番」とほぼ同ルート。
この時の記事では
“番号は、末尾に“I”だと「22I」のように視認性に問題ありそうだし・・”
と書いていました。
また、アイランドシティランプ経由の「230番」が新設された際の記事では、
“順当にいけば「22I」とかが妥当なのでしょうが、やはりアルファベットの「I」は「1」と見分けがつきにくく使いづらかったでしょうか。”
とも書いていました。
アルファベットの「I」は視認性の観点から使わないと踏んでいたのですが、あっさりと使用を開始。
でも、「25I」という番号をぱっと見て、「にじゅうご・あい」だとはなかなか認識されないのでは?という気もするので、短期間で「250番」などに変更される可能性もありそう。
「25i」みたいに、バスの行先表示では工夫されるのでしょうか??
マリノアシティの「333番」、ららぽーとの「444番」と同様、マリンワールド向けに「222番」というのは良い番号では?と個人的には思っているのですが(笑)。
・「赤間急行」の末端部の効率化など
青葉台入口行きのルートが、自由ヶ丘南二・三丁目、公園前を経由しなくなり、自由ヶ丘南一丁目から青葉台に直通するようになる。
これに伴い「公園前」は免許維持化(日祝日に一日一本だけ、青葉台入口発の急行が停車)。
また、広陵台児童公園前行きが、広陵台中央公園前までの運行に短縮。
広陵台児童公園前、広陵台三・四・五丁目には、日赤看護大学発天神行きが平日一本だけ停車するようになる。
運行時間や運行区間を短縮したり(ヒルトン福岡構内乗り入れ縮小、長丘~高宮循環バスに半周ルート新設)、難しい車線変更を回避したり(「流通センター東」の都心方面乗り場廃止)、過度な右左折を軽減したり(西片江地区のルート変更)など、今回の改正では、他にも効率化、運転手さんの負担軽減の意図が感じられる変更が行われます。
・「桜並木駅」開業関連
現在の「雑餉隈車庫」バス停は「桜並木駅」に改称。
また、「11番」と「43番」が、「雑餉隈駅入口・しののめ町・山田経由」から「桜並木駅経由」に変更となる。
これに伴い、「西鉄雑餉隈駅入口」「しののめ町」は免許維持化(「43番」の南福岡駅行きが土曜日に一本だけ停車)。
なお「11番」は障子岳発の便が廃止となり、新たにJR宇美駅を発着するものが新設。
上宇美行きとJR宇美駅行きが並存するという、アイランドシティ照葉行きと香椎照葉センターマークス前行きみたいな感じに。
それにしても「11番」はここ数年で大きく減りました・・。
・西鉄大橋駅~パナソニック前間の運行パターン変更
整理すると以下の通り。
「47番」が南警察署前経由から塩原経由に戻る(10年半ぶり)
南警察署前経由もわずかに残り、「47-1番」として運行
「48番」「48-2番」「63番」は清水四丁目経由から竹下駅西口経由に変更
現在、竹下駅西口を経由している「48-1番」は「48番」に番号変更(博多駅方面のみ)
塩原橋と清水四丁目をつなぐ区間は免許維持化(「63番」の大橋駅行きが土曜日に一本だけ運行)
・・整理してもわかりにくいですね。
「63番」は、過去にも免許維持の役割を複数担っていたことがあり、運命?を感じます。
それにしても、今回、免許維持路線、免許維持区間が大幅に増え、時代が逆戻りしている感じです(ここまで挙げた以外にも、「八田小学校」「原田郵便局前」などが新たに“一週間に一本だけ”バス停の仲間入り)。
これに伴い、「YKF」の流れも加速しており、わかりにくさが生まれて、さらにバスを選択することが敬遠される・・という悪循環にも陥りそう。
昨年春のダイヤ改正についての記事で、以下のように書いていました。
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「天神~キャナル~博多駅」や「六本松~薬院駅~博多駅」など、もっと大胆に減便されるかと思っていましたが、そうでもなかった、というのが率直な感想。
まあ、1年後、2年後は予断を許しませんが。
公式発表の少し前にNHK福岡が「独自」として、ダイヤ改正の概要を先出ししたのですが、その中に、
“保有台数で全国最大規模の西鉄のバスは、乗用車とともに中心部の渋滞の要因の1つともされていて、今回の減便が渋滞緩和につながるかも注目されそうです”
という一文がありました。
「独自」と引き換えに、この一文を最後に入れさせた意義は非常に大きいと思いました(記事の内容自体は「独自」と呼べるほどではなかったのですが)。
「都心部でバスが列をなしている」「台風でも最後までとまらない」「路線バスが都市高速に乗る」…といった、西鉄バス“らしさ”的なものが「良いこと」として語られることがこれまで多かったわけですが、今後、できるだけ永くバス事業を存続させていくためには、「西鉄バスはこうでなきゃいけない」という呪縛から少しずつ解放させてあげる必要もあると思われ、そのためには、マスコミをうまく使うことも必要ということでしょう。
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西鉄は、電車やバスという公共性の高い部門を保有していて他のデベロッパーとは違う、という点が大型プロジェクトに参画するときの強みになっていました。
なので、労働時間の基準が変わったから、とか、渋滞の原因と言われるから、といった、仕方なくバス事業を縮小せざるを得ないんだよ!という「理由探し」が今後も続いていくのかもしれません(意地悪な書き方ですみません)。
(つづく)