富山きのこクラブの皆様へ
植物園の橋屋です。
今日、お弁当の後にネットで遊んでいたらきのこ中毒情報が入りました。長野県上田市でドクヤマドリによるきのこ中毒だそうです。
ドクヤマドリは八ヶ岳など高山の針葉樹林帯に発生するきのこで、かなり強い毒性を持っています。
植物園には様々な人がきのこの質問に来られますが、その中には「イグチの仲間(裏がスポンジのように管口状のもの)は毒がない」とか、「管口を取ればどんな種類も食べられる」と信じている方がおられます。
イグチの仲間にはドクヤマドリを初めとして有毒な種類もありますので、迷信にまどわされることなく、「種名のわからないものは食べない」という原則を貫いて欲しいと思います。
それにしても富山県にはドクヤマドリが分布するか、しないか? 亜高山針葉樹林に発生しますので、富山県で見られるとしたら、有峰折立から上か、弥陀ヶ原、もしくは雲の平などの奥黒部かな?と思いますが、まだ標本や記録がありません。この地域に行かれる方はぜひ関心を持ってください。
ちなみに橋屋が知っているドクヤマドリの分布は、八ヶ岳、浅間山山系(上田の中毒もこれに連なる菅平の四阿(あずまや)山でした)、乗鞍高原です。
_/_/_/_/_/ 富山県中央植物園 橋屋 誠 _/_/_/_/_/