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読売新聞10月16日の日刊(石川版)の記事
インターネットで検索したものを紹介します。
「キノコガイドに誤り」 愛好会 監修の元会長提訴
昨年9月に出版されたキノコのガイドブックを巡り、北陸地方の愛好家らで作る「石川きのこ会」(金沢市)が、同書を監修した同会の元会長を相手取り、損害賠償を求め金沢地裁に提訴したことが15日、わかった。訴状によると、同会は、掲載写真に誤りがあると主張し、「本の利用者が毒キノコを誤って摂取し、生命、身体に危険を及ぼすおそれがある」としている。
同書は「北陸きのこガイド」(北国新聞社発行)で、発行当時、同会の会長だった男性が監修した。「食用きのこが一目でわかる」と副題が付けられ、138種のキノコを写真付きで掲載し、「食用」「毒」「食毒不明」など6種に分類している。
訴訟は現在係争中で、訴状などによると、同会側は「誤った写真掲載や、重要な特徴が明らかでない不適切な写真」が19か所、「間違えやすい毒キノコの記載漏れや、解説内容の誤り」が10か所あると主張。「ミヤマベニイグチ」として掲載された写真は「ベニイグチである」、食用の「ヤギタケ」は「クロハツと似ていることを記載すべきで、ニセクロハツは猛毒である」などと指摘している。
同会は「会の研究・調査に対する社会的信用が失墜した」として、元会長に計約350万円の損害賠償を求めている。
元会長は、答弁書で誤りについて否認。取材に対し「監修者として、食用か毒かについては、しっかり確認した。食用は食用、毒は毒としっかり書いてあり、本を参考にキノコを食べても具合が悪くなることはない」と話している。
■専門家「図鑑にも間違い」
秋のキノコ狩りシーズンを迎え、専門家は「詳しい人と一緒に山に入り、知っているキノコだけを食べて楽しんでほしい」と呼びかけている。
新潟県森林研究所では、愛好家向けに用意した手引書の中で、「キノコ図鑑にも間違いがある」と注意を促している。同研究所きのこ・特産課の専門研究員松本則行さんによると、キノコは国内に1万種あるとも言われ、名前がついているものは約3000種。最も充実した図鑑でも、収録されているのは1500種程度で、図鑑に載っていないキノコの方が多いという。
30年ほど前は、「20~30種の毒キノコだけを覚えれば、ほかは安全」と言われたが、愛好家が増え、キノコによる中毒の報告が増加。新たに「毒キノコ」に分類されるキノコが増えているという。
また、キノコの研究が進み、同一種として考えていたキノコを複数の種類にs分けて考えるようになるなど、多くの修正が必要になっている図鑑は多いが、修正作業が追いつかないのが実態だ。
松本さんは「後から正誤表を公開している図鑑も多く、手元の図鑑だけで食用か毒かを判断するのは危険だ」と指摘。「地域の観察会に参加するなど、経験豊富な愛好家に習いながら、知識を蓄えて楽しんでほしい」と話している。
(2008年10月16日 読売新聞)
その2
食中毒の記事 (北陸中日新聞10月16日)
毒キノコ食べ男性が食中毒 金沢の公園で採取
2008年10月16日
男性が金沢市内の公園で採取したイボテングタケ=同市役所で
金沢市保健所は十五日、毒キノコの一種「イボテングタケ」を誤って食べた金沢市内の三十代の男性会社員が食中毒症状を訴え、病院で診断を受けたと発表した。キノコによる食中毒は石川県内で今年初めてで、県は食用と紛らわしい毒キノコをホームページ=「石川県 きのこ 食中毒」で検索=で紹介し、注意を呼び掛けている。
市保健所によると男性は十四日午前、同市湊三の公園で約十本のキノコを採り、昼すぎに一人でいためて食べたところ、三十分後にめまいや嘔吐(おうと)、頭痛や発汗などの症状が出た。軽症で現在は回復に向かっている。市保健所は、残っていたキノコの鑑定を石川きのこ会に依頼し、イボテングタケと確認された。
キノコによる食中毒はこの五年間で、石川県内で五件(十九人)、金沢市内で一件(一人)発生。多くはツキヨタケによる中毒で、イボテングタケの食中毒は県内でこの十年間一度もない。
_/_/_/_/_/ 栗林 義弘 _/_/_/_/_/
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