「ドクター・ストレンジ」は2016年ですのでこの続編までなんと6年もかかりました。
そんなお久しぶり感がないのは、「アベンジャーズ」や「スパイダーマン」でもストレンジ先生はとても単独映画1本しかないヒーローとは思えないご活躍振りだったからですね。しかもかなり中心的な役割で。ヒーローとしてはパッと出の新人なのにいきなりのこのポジションで無理がないのはベネさんの俳優としての力量でしょう。
マントちゃんの力量も増大してまして、ますます活躍してくれてました。スピンオフ作って欲しいくらいです。ディズニー+なら、きっとできますよね?!
そしてひとつ前の記事で書きましたが、ドラマ「ワンダヴィジョン」を見て行ったのは大正解でした。私が小耳に挟んだ噂は「とあるワンダとストレンジの会話がわからない」という意味のものでしたが、そもそもの発端であり全く話が繋がっていました。こんなことが起こるのでディズニー+のドラマは侮れません。
〜さて、ジワジワとネタバレを始めるので、避けたい方はSTOPですよ〜
ディズニー+のドラマと言えば、「What if」のファースト・エージェントことキャプテン・カーターが実写で出演してくれたし、ドクター・ストレンジのクリスティーンへの未練も「What if」を見ておくとよくわかります。ただ、こんな調子でマーベルユニバースは知っていればそれだけ楽しみも多いことはわかったけど、「X-MEN」を見たことない私には『内輪の話か・・・』というパートもありました。「見てね」ってことなんでしょうけどね。
本作で1番のびっくりは、予告編でストレンジが協力を求め訪ねたワンダが、仲間として一緒に闘うのかと思っていたら敵になってしまったことです。道理でマーベル映画に付き物=ヴィランのキャラが前情報になかったわけです。ワンダがヴィランなんだから。ワンダヴィジョンのファンとしては彼女がずっと見られるのはいいのだけれど複雑な思いも。
・・・ちょっと不満が残ったのは ー 彼女の生い立ちとヴィジョンとの関係から自然ではあるものの、ワンダが悪い魔女になってしまった理由が子供たちへの愛と喪失感、母としての悲しみというのはいささか陳腐では?と感じてしまったこと。しかも、ストレンジに「あの子たちは君が魔法で創造したものだ」と指摘されて「そうよ、全ての母親がやるように」と答えた。これは、母親が子供を産んで育てるのは魔法だという意味にとれたのですが、う〜ん、男性が女性と母性を不必要にファンタジーに祀ってるように感じてしまいました。そして愛する夫の喪失感よりも子供の喪失感の方が女性が理性を失う理由として説得力があるとされたのか、気の毒なヴィジョンよ、AIとはいえ実在したのに。。。
ストーリーで良かったのは、クリスティーンがストレンジを好きでいながらも自分が結婚する相手じゃないと賢く悟ったことでした。これで「What if」にもケリがつくといいますか、6年も経ったんだからエリートニューヨーカー前進しますよね〜私もスッキリしました。
期待の新人、マルチバースを移動するアメリカちゃん、かわいいです。彼女は両親もママふたりで、本人も女性が恋愛対象のキャラらしいんですが、セクシュアリティは本編では触れられてないはずなのに、どこかの国で公開禁止になったとか。日本はマイノリティ差別に鈍感だけどマイノリティそのものにも鈍感なので、公開禁止にならない。
マルチバースを渡り歩く本作、行く先々でのストレンジ先生がちょっとずつ違うのですが、微妙にグレーヘアの位置が違うとかでかっこよく見えなかった・・・!こっち側のストレンジ先生が完成形ということがよくわかりました。銅像の先生はなかなかカッコよかったけど。
「狂気の多次元論」というタイトル通り、別の次元に移動する事は何でもありストーリーになりますので、観客が辻褄を合わせる意味もなくなりストーリー自体が崩壊してもおかしくないところ、流石のサム・ライミとマーベル、固定されたバースにいる観客が次元の旅の後にちゃんと元の次元に着地したと安心できる構成がハリウッド映画のありがたさだなと思えました。
最後に、上のメジャーなポスター画像よりも本作をよく表してるな〜と思うのが下です。
曼荼羅みが炸裂、悪魔の毒毒モンスターが炸裂はけっこう苦手・・・!!てかサム・ライミ監督が「死霊のはらわた」の人とは知りませんでしたよ!!!