英国BBC2で放送された全10エピのシリーズ3をもってドラマ「VERSAILLES/ヴェルサイユ」が終わりました。
もうあの尊大な王様ルイに会えないのかと知り、さみしい限り。だってシリーズ4か5まではあるかなと思ってましたし、事実当初はその予定だったようです。
理由はもちろん視聴数が振るわなかったためですが、まあちょっとは視聴数が減ったのもわからないではない。
史実を元にしていますので、ルイ14世の愛人は何人も変わるのは致し方ないとはいえ、若き王が目指した絶対王政の達成具合がいまいちわかりませんでした。それならばテーマであるヴェルサイユ宮殿の建築進展を軸にするとか、最終話で王に忠実なまま最後まで仕事をして亡くなった財務大臣のコルベールの視点で語るとかさせて歴史的な流れを分かりやすくしてくれたらよかったんだと思う。架空の近衞隊長が割と目立つキャラになってて内面まで描かれていたけど、全体にとってどんな意味があったのかよくわからない。
一貫しててよかったのは、ルイと弟フィリップの関係。ここはブレずに最初から最後まで柱になっていたし、弟の卑屈さや妬みも欠点はないことになってるルイと対照的でふたりで完成形というのにキュン。
でもやっぱり一番の売りはルイのスーパースターぶりで、あの鋭い眼差しに毛先をキレイにカールさせたセンターパーツのロングヘア、首元に結んだおリボンがなんともキュートでした。ジョージ・ブラグデンのテノールなよく通る高貴な声もラブです。
最後のエピに王太子が出てくるんですが、よく似て本当に息子に見えるキリッとした少年に、王様たるものの心得を説くんですね、それが彼の王の哲学と思うと、もっと早くにこういうことを聞きたかったです。
ラストエピではマントノン夫人と秘密結婚をするところまで来て、この辺もプロテスタントの迫害はすでにしているんですが、この流れでナントの勅令を廃止し、プロテスタントの職人などフランスの人的財産を失い始めたらもう絶頂期は過ぎ輝かしい時代に影がさすのですが、そこはハラハラして見ていられないとも思うし、晩年のルイも見届けたかったという思いもあります。
しかしこのカッコイイ王様のおかげでブルボン王朝の時代に興味が芽生え、ドラマと平行して鹿島茂著「太陽王ルイ14世」も読みより理解が深まり、人生が潤っております。
王様、万歳!