Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

ブラックパンサー

2018-03-01 22:53:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


実はちょっとだけ「ブラックパンサーは見ずに『インフィニティー・ウォー』を待ってもいいかな?」と思ったこともあったのですが、予告編を映画館で見てその音楽とのシンクロ具合があまりにもかっこよすぎて「これは体験しなくては!」と思ったんですね。

初日にあのかっこいい曲のシーンは韓国で展開されるんだ!と今か今かとワクワクしていたのですが、何とその曲は本編には出てこなかった?!・・・はず。今となっては私が気づかないうちに出てきていたのか?と自信ありませんが。

しかし、そんなことはどうでもよくなったくらい、ブラックパンサー良かったです。黒豹といえばアニメ「バビル二世」のロデムがかっこ良かったとウン10年ぶりに思い出しましたが、猫科の獣はかっこいいです。

主役のブラックパンサーと、どういうわけか従兄弟の敵キルモンガーも似たようなスーツを身につけちょっと違うブラックパンサーもどきになるのですが、二人ともそのお姿が優勢人類ですか?!というくらいマーベルヒーローのかくありきな肉体美なんですもの。黒豹のような人間って本当に存在するのですね〜惚れ惚れ。


ところで私が「ブラックパンサー」パスしようかな・・・と脳をかすめた理由があるんです。実は白人の目で見たエキゾチックな文化をテーマにした映画というのは今まであまり好きではなかったんです。「ドクター・ストレンジ」のチベットはエキゾチックというより日本に近いような目で見られたので大丈夫なのですが、中東、アフリカの音楽や暑さや民族衣装が強調された映画で目がクラクラして具合が悪くなったことが数回ありまして。

多分、そういう映画は、白人の主人公がエキゾチックな土地で西洋の価値観が通じず自分を見失うような視点で描かれたもので、

「ブラックパンサー」はアフリカの太鼓も歌も踊りも出てくるのにクラクラしなかった。それは彼らの視点で描かれていたからかも知れません。

そして、ワカンダでは国王継承者を決める儀式でもキチンとした手順とルールがあり人間的に進められ野蛮な文化として描かれてなく、逆にそこに侵入してくる白人やアメリカ人の元ワカンダ人こそが野蛮な行動をとっていることが胸にスコーンと響きました。

つまりマーベルって白人の組織と思っていたのですけどアフリカの王国を文明国として描くことに成功しているのが嬉しくて爽快です。

さりげなく「船から海に身を投げて死を選んだ」などと奴隷制をチクリと非難したり、ラストの国連で「世界を支援して分かち合いたい」というワカンダ王の演説をバカにしたように「農業国が何を出せるというのか」と発言する白人が出てきて、「白人以外の文明に無知なくせに謎の優越感を持つ白人社会」というメッセージもとてもよくわかるようにできてます。

マーティン・フリーマン演じるロスCIA捜査官って「シビル・ウォー」では悪者だったと思ったのに、いつの間にかブラックパンサーの味方になっていたのはよくわからなかったのですが、

マーベルが「富と技術は自分の国だけでなく世界のために」という世界のあるべき姿をバンっと提示したのは単純だけどとてもいいメッセージだと思います。