Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

my brother Tom

2016-05-04 20:43:00 | ベン・ウィショー


ウィショーさんのインディー映画「my borother Tom」(2001)のDVDを買いました。日本版は出てないので英語のみですが、台詞が少ないので私たちノンネイティヴにやさしい作品です(笑)。

実はちょっとズルして見たことがあったのですが、落ち着いて円盤で見たせいかただ単に記憶力の問題か、「あれ?こんな話だったっけ?」でした・・・

結末などの重要なネタバレなしに行きます。


あらすじ:

ジェシカ(jenna Harrison)は自宅の隣人であり学校の先生でもある大人に性的虐待を受けた。近所の同年代の男子学生たちからいじめられていたトムに会い、森の中の秘密の場所を共有して友達となる。裸になって子供のように無邪気に遊ぶ二人は、ふた子のような絆で惹かれあう。ある日トムの後をこっそりつけて自宅の様子を覗いたジェシカは、トムも実の父親に性的虐待を受けていたことを知ってしまい、覗いていたことをトムに知られてしまう・・・



感想:

あらすじは物語の前半のみですが、読んだ通り、辛さ300%。
ジェシカもトムも多分15、6歳と思われますが、内向的で平均的な子達よりも幼い感じ。それだから大人の被害者に選ばれてしまったのでしょうね。ジェシカはこれくらいの年齢だったらオシャレや男の子や、さもなかったら進学とかに興味があると思うのですけど、ハリネズミの飼育シーンから始まるんです!

ジェシカ役の役者さんはとっても美人で、撮影の頃は19歳くらいかと思われますけど若い役なので素顔っぽい外見だけどそれがかえって魅力的、制服やジャージを着ていてもピチピチの肉体でした。一方、トム役のウィショーさんはこの頃今よりいっそう細くて、もうそれだけでいじめられてる感が全身から滲み出てしまっていました。それで外見で言ったら二卵性にしても似てなさすぎでしょ、といった二人なんですが、家にも学校にも行き場のない二人が暗い森の中の巣のようなところで向き合って見つめ合うシーンは、傷ついた動物たちか小さな子供のようです。

トムは、行動がかなりエキセントリックで、後半のストーリーも息が抜けません。

・・・とこのような痛い話なので、社会問題に興味がある人以外は、やはりキャスト&クルーの作ったキャラ二人を見守るために見続ける・・・ということになるでしょう。

そういう意味で、ある意味とってもカッコ悪くてイケてないキャラを、目をそらしたいのに、そらさせてくれないように演じるベン・ウィショーの役柄は、この映画で実証されて、後に「パフューム」「Criminal Justice」「ホロウ・クラウン」へと受け継がれていくのだと思います。

いけないものを見てしまっている、という背徳感のような感情を味わうなんてマゾなのかサドなのかわからない行為ですが、初期のベン・ウィショーにはそういう吸引力があったと思います。

ジェシカの方の女優さんはその後どうなったのか出演作を調べたら、新米モースのパイロットエピに出ていました。
・・・しかし、どの役だったのか思い出せません・・・