Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

The Crucible VOGUE April issue

2016-05-03 00:00:00 | ベン・ウィショー
US VOGUEに掲載されたウィショーさんとシアーシャちゃんのページを紙の雑誌で見ました。ネットで見るのと違ってなぜか紙媒体だともっと広く一般になった気がするのはなぜでしょう。ちょっと情報としては古くなりましたけど、訳してみました。ウェブ版はこちら → 



ベン・ウィショーとシアーシャ・ローナンが敵同士でありかつては愛し合った二人を演じる、イーヴォ・ヴァン・ホヴによる「るつぼ」のブロードウェイリバイバル。

もしも天の啓示のような、かつ脈も早まるような舞台作品が見たいと思っていて、でもそんなのは全部見尽くしたと思っていたら、そんなあなたにぴったりなのがベルギー出身の舞台監督イーヴォ・ヴァン・ホーヴ。

圧倒的な舞台だったアーサー・ミラーの「橋からの眺め」に引き続き、ヴァン・ホーヴが「るつぼ」で今月ブロードウェイに帰ってくる。ミラーのちょっと謎に包まれた1950年代の共産主義者狩りを寓話化した作品は、設定を実際にセイラムの魔女狩りが起きた1690年代としていた。音楽はフィリップ・グラス、ベン・ウィショーと本作で舞台デビューを果たすシアーシャ・ローナンを初めとする超一流キャストによる。

とある日の早いリハーサル後に、ウィショーとローナンに会えた。おそらく50年代のBBCニュース番組ドラマ「ジ・アワー」が最も知られる、この英国人俳優(35歳)は「スペクター」「リリーのすべて」やテレビシリーズ「London Spy」で刺激的な幅広い役を見せてくれた。しかし同世代の他のイギリス俳優同様、ウィショーも舞台出身で、トレヴァー・ナンの2004年オールドヴィクでの「ハムレット」で華々しくデビュー。また最近ではウエストエンドでの「Peter and Alice」でデーム・ジュデイ・デンチと共演している。偶然だが、この傷を負った真の勇者ジョン・プロクターを彼は15歳の時に学校で演じていた。「学校の生徒にも理解出来る劇ではある。閉じた世界での話だから。そうじゃない?」と役づくりの農夫ヒゲを見せびらかしながらウィショー。「それと集団いじめをする人間とヒステリーのことだし。」この役のタイプには反対の細身でありながら ーブロードウェイで1番最近のプロクターはリーアム・ニーソンだったー ヴァン・ホーヴはむしろこの役に多面性を持たせる役者の能力に着目した:「この男の心には、肉体には、何か隠された世界があると感じるだろう。そして彼がどこに向かうのかが全くわからないんだ。」

嘘の告発で犠牲者を出す復讐に駆られた17歳の少女アビゲイル・ウィリアムズを演じるローナンは、オスカーにノミネートされた意欲作「つぐない」の、同じく嘘の告発で犠牲者を出す復讐に駆られた13歳のブリオニー役で切り開いた境地を再訪することになる。「ブルックリン」での魅惑的な(そしてまたオスカー候補となった)二人の求婚者の間で揺れるアイルランド移民の役から離れ、ローナン(21歳)はステージにて必要な「責任と持久力」に対しては前向きだ。アビゲイルが登場する時、彼女が召使いをしていたプロクター家から追い出されて7ヶ月後で、それは妻のエリザベス(ソフィー・オコネド)が二人の不倫に気づいたためだった。「彼女が世界について知っていることはすべて彼に教わったの。それはかつての彼女にとっては自分が大切だと初めて感じることができたの。」とローナン。「そして彼女は自分が強いと感じたくて、彼と体験したのと同じやり方をとる必要があったんだと思う。」

不義、魔術、集団ヒステリー:演劇を時代を超えたもの、神秘的な瞬間に感じさせる才能を持つヴァン・ホーヴは、観客がミラーの作った素材へと至るあらゆる道を発見するだろうと信じている:「この劇は多分、マッカーシー時代から解放された今、より意味があると思う。もっと自分達のことが見えてしまう。僕達が認めたいと思っている以上に。」