Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

Treacle Tart 糖蜜パイ

2014-05-11 09:08:00 | イギリス
1か月ほど前に訪れた「英国唯美主義」展のショップで買ったユニオンジャック柄のチョコレートを覚えていただけてますか?私が買ったのは「イートン・メス」という名の「生クリームと苺とメレンゲでできた英国伝統デザート」をチョコにアレンジしたものでした。このシリーズには他にも種類がありますが、どういうわけか揃いも揃ってこのスイーツ天国日本でもあまり有名でないデザートばかり。あ、逆に日本で知られる英国お菓子はスコーンとショートブレッドくらいという厳しい現実があるのでした。

Great British Pudding Barsというチョコレートの種類

「Eton Mess」
「Spotted Dick」
「Apple Crumble」
「Summer Pudding」
「Treacle Tart」
「Lemon Meringue」

この中から今回はTreacle Tartについて書きます。



これがどのくらい定番かと言いますと、売られている店から私は推察しました。ガソリンスタンドの一角についてるコンビニの出張所みたいな小さい店でも袋入りで売っています。ただし、写真のとおり、茶色一色の地味なルックス。日本だったら小さなスーパーでも和菓子の棚は必ずひっそりとあるようなそんな存在感です。例えて言えば、栗しぐれ?などのお饅頭かな。

この名前についてる「treacle」とは日本語では「糖蜜」と訳されます。そうです!外国の絵本が好きな子供だったら、不思議の国のアリスやハリー・ポッターにも出て来た「糖蜜パイ」というものを聞き覚えがあることでしょう?あれですよ~~~

イギリスのメジャーな糖蜜

構造はショートクラスト・ペイストリーと言われる、いわゆるタルト台の中に糖蜜、パン粉、レモン汁の混合物を入れて焼いたもの。食べる時は、クロテッドやカスタードや生クリームを添えることが多い(蜜と粉とクリームの塊!)。リンクしたWikiに書いてあるのですが、近年はパン粉の代わりにアーモンド粉を使うレシピもあるとのことで、私が最初コンビニで袋入りのを食べた時には「何だかよくわからないけど甘くて美味しかった」だったのが、高級スーパーWaitroseのを食べた時には「こんな美味しいものだったっけ?!」となった謎が今解けました!伝統菓子といえども進化してるのですね。


ところで、今回このお菓子について書こうと思ったきっかけがコチラです。



我家にあるゴールデン・シロップは、夫の両親がNZから持って来てくれました。これを見て、ゴールデン・シロップって何?メープル・シロップの亜流なの?と思って調べたら、treacle=糖蜜のことだったのです。砂糖をサトウキビから精製する過程で結晶化する前の副産物だそう。へええ!


色々調べて「ああ、トリークル・タルト食べたい!」と思ったのですが、ショートクラスト・ペイストリーから自分で作るのがめんどう(イギリスでは日本のパイ生地のように市販されてるので簡単なんですよ~)なので、パンケーキを焼いて、その上にバターとゴールデン・シロップとレモン汁をかけて食べたらちょっとした偽造になりました。