ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

笹井氏自殺は運命か?

2014-08-05 22:53:36 | Weblog
今日は今年一番の猛暑だったかもしれません。

理研の笹井副センター長が自殺しました。ラジオで知ったのですが「笹井副センター長が」とそこまでアナンサーが読んだ時、嫌な予感がしました。そして予想通りの言葉が続いたのです。

男はプライドが高い生き物ですし、「挫折知らずのエリートの弱さ」と言えばそれまでですが、もっと根本的な問題があるのだと思います。

STAP細胞の疑惑騒動のさなか、笹井氏は記者会見を開き、冷静沈着に理路整然と説明しているように見えました。しかし、心の中は混乱していたのでしょう。

結局、精神のバランスを崩し、心療内科に通っていたそうですが、彼は救われませんでした。しかしなぜ、自殺までいってしまったのでしょうか?

以前にも書きましたが、僕が通った2つの病院の精神科でいわれた事は「家族や親戚に同じような症状の人はいませんか」という、その頃の自分にとって意外なものでした。しかし、徐々に体の病気と同じように、心の病気も遺伝が深く関わっている事を知るのです。

そして最近のことですが、遺伝子レベルで将来、自殺しやすい人がいることが分かりました。がん家系があるように自殺家系も存在するのです。予想以上に、生まれた時に決まってしまっている事が多いようです。自己啓発本を読んでも、多くの人が効果を実感できないのは、その辺りの食い違いにあるのでしょう。

松井秀喜は「努力という名の才能を持つ男」と言われました。当時は「うまいこと言うな」くらいにしか思っていませんでしたが、確かに松井選手は先天的な努力の天才だったのです。それに高校時代の山下監督、巨人入団後は長嶋監督との出会いが才能を後押ししたのです。

今回は皮肉にも、これまで積み重ねてきた数々の輝かしい成功が、笹井氏を苦しめたのでしょう。そしてマスコミの激しい攻撃が引き金となり、遺伝子レベルで打たれ弱くできていた笹井さんのガラスの心が粉々に割れてしまったように思います。

これから数え切れない人の命を救えるほどの頭脳を持っていた笹井氏の自殺は日本にとって大きな損失です。残念です。

巨大なもって生まれた遺伝子レベルの力。それに比べ、後天的な、ましてや努力は頼りなく、効果も目には見えにくい。だからこそ、巨大な力に対抗する、ささやかな努力は美しいのかなと思います。

ジョギング、まだ続いています。

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ パニック障害へにほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする