世田谷美術館でやっている
「ボストン美術館・華麗なるジャポニーズ展」に行きました。
駅の周辺には、モネの「ラ・ジャポネーズ」があちこちに。
日本人の心を気持ちよく、
くすぐってくれるような気がします。
自分の国、ニッポンのものが、
海外にどれほどの影響を与え、生かされたのか。
自分の国で作られたものが、
どれだけ優れたものであったのか。
きものを着るようになって、
日本という国を愛する気持ちは強くなったと思います。
その日の天気は不安定、
いつ雨が降ってもおかしくないので、
濡れてもいい麻づくしです。
一緒に行った友人は
「とてもきもの着ていけない」と、
一人きものです。
さて、19世紀後半、
パリ博覧会で「ジャポン」が注目されて以来、
「日本には、花魁や遊女といった
きれいな女性ばかりが住んでいる」、
また「日本人のほとんどは芸術に
深い関心を持っている」夢の国!!
だと思われていたそうです。
「ゲイシャ・フジヤマ」のイメージは
そこからきていますが、
「遊女や花魁」はともかく、
本当にそんな国だったら
どんなにいいことでしょう。
この展覧会、
浮世絵がゴッホやムンクなどに与えた影響を、
絵画を並べながら見せてくれるので、
とてもわかりやすい。
写真は、パンフを転写しました。
①構図
右の写真、上が広重、下がムンクの絵です。
樹木を縦の線、
水平線などを横の線にして格子状にしている。
②大胆な色彩
③題材などがあるそうです。
最初の二つはよく語られることですが、
私が新鮮に思ったのは、③の題材。
左の絵のように、
日常の母子を描いた絵は、
日本ではごく普通のこと。
でも、西洋では、
母子をこういう形で描いたものは
それまでになく、
カサットという女性の画家が
初めて試みたそうです。
そういえば、西洋の「母子像」には、
宗教的なものが多いですね。
毎日の何気ない暮らしのなかに
美を見出し、描く。
これは日本独特の
美意識だったのでしょうか。
柳宗悦の「用の美=民芸運動」に
通じるものがあるような気がします。
小紋の型紙を使ったティファニーの
写真立てなどの展示もあり、
絵画だけではないところにも目配りされています。
その日は「雨降らないかな~~」なんて、
半分心配半分期待しながら行ったのですが、
雨は降らず。曇り模様の、
まずまず過ごしやすい日でした。
きものは、上布、琉球柄という二つに魅かれて初期に購入したもの。
麻の花模様の帯(花の名前は知らない)
帯締め・茶と白のツートン。
帯揚げ・アザミ。
美術館は砧公園という広い敷地のなかにあります。
一日遊べそうですが、駅からバス(でも百円!)というのが少し不便、かな。
デジカメで撮った「樹木写真」
構図を真似た(汗)
うーむ、まったく才能が感じられませんねえ。
もちろん、モネ夫人をモデルにした
「ラ・ジャポネーズ」堪能しました。
素晴らしいものでしたが、
美術館から出たあとには、
二つの「母子像」が目に残りました。
この展覧会、
「芸術だけではなく、
日常のなかにも素晴らしいものを
持っているのだよ」
という「私たち日本人」への讃歌、
オマージュ展なのですね。
関連記事
励みになります。
応援ポチ嬉しいです。