思いつくまま

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アジアで大流行している覚せい剤の源

2005-08-30 10:26:50 | Weblog
メトアンフェタミンの覚せい剤としての使用の起源が日本軍にあったということは広く知られているが、下記引用文は具体的な経緯を書いていて興味深い。

以下引用:
1941年(昭和16年)、第七陸軍技術研究所に特殊任務が下された。一日100キロの行軍に耐える体力、夜間に周囲を見通す視力、三時間の睡眠で事足りる回復力、寒冷地においても防寒着を必要としない順応性などを開発せよ、という下命である。 薬の力で肉体的に「超人」を作り上げる計画である。科学者の英知を絞って研究していたのだが、同年に販売されたヒロポンの効力が勝っていた。「注射用アンプルと錠剤とがあり、主として夜間の軍事作業や重労働に用いられ」ていたようである。
次いで特攻隊向けに使われたのである。ヒロポンにお茶の粉末を混ぜたものを出陣の前に「特攻錠」として支給されたのだ。「神経を極度に高ぶらせ恐怖を取り除く効果が狙いであった」そうである。これから死ぬことを自覚した直前に、国家から覚醒剤を支給されて精神的には極度にハイな状態で突っ込んで行ったのだ。
終戦後にそのヒロポンが社会に出回ることになる。ヒロポンとは、ギリシャ語で「仕事を好む」の意味で大日本製薬が販売していた。

「陸軍技術研究所ノ所掌事項」(昭和17、10、13 陸達68)
第七條 第七陸軍技術研究所二於テハ左ノ業務ヲ掌ル
一 兵器ノ物理的基礎技術ノ調査及研究〔弾道二関スル基礎ノ研究ヲ含ム)ニ関スル事項
二 物理的兵器ノ考案ノ為ノ基礎研究二関スル事項
三 兵器二関連スル科学的諸作用ノ生理学的ノ調査及研究(第六陸軍技術研究所所掌ノモノヲ除ク)ニ関スル事項
四 所掌事項ノ技術及科学ノ研究二関スル事項
本達ハ昭和十七年十月十五日ヨリ之ヲ施行ス
陸軍大臣官房編纂:「陸軍成規類聚 第一巻第二類」昭和16年(第三十版) (防衛研究所図書館史料閲覧室所蔵)
引用終了
http://hayawasa.tripod.com/tuzimoto08.htm

また、現在の自衛隊法にも次のような規定があり、旧軍以来の「輝かしい」伝統を感じさせる。
(麻薬及び向精神薬取締法 等の特例)
第百十五条の三  自衛隊の部隊又は補給処で政令で定めるものは、麻薬及び向精神薬取締法 (昭和二十八年法律第十四号)第二十六条第一項 及び第二十八条第一項 又は覚せい剤取締法 (昭和二十六年法律第二百五十二号)第三十条の九 及び第三十条の七 の規定にかかわらず、麻薬又は医薬品である覚せい剤原料を譲り受け、及び所持することができる。この場合においては、当該部隊の長又は補給処の処長は、麻薬及び向精神薬取締法 又は覚せい剤取締法 の適用については、麻薬管理者又は覚せい剤原料取扱者とみなす。
2  前項の部隊が第七十六条第一項の規定により出動を命ぜられた場合における麻薬及び向精神薬取締法 の規定の適用については、前項後段に規定するもののほか、当該部隊が撤収を命ぜられるまでの間は、当該部隊の医師又は歯科医師は、麻薬施用者とみなす。