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政治家とは

2007年04月18日 | 徒然
 長崎市の伊藤長一市長、残念なことにご逝去されました。
 ご冥福お祈りいたします。 2007年4月18日 9時16分
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 今夜、長崎市の伊藤一長市長がJR長崎駅前で銃撃されました。
 現在のニュース報道によると、2発撃たれ心肺停止状態とのことです。

 伊藤市長が助かることをお祈りするとともに、
 政治テロに対しては恐ろしさと悲しみを感じざるを得ません。

 ブログでは政治・宗教に関することは書かないほうがいい、という不文律を破り(その手のこともちょこちょこと書いてはいましたが・・・)、今回はこのテロをきっかけに私の政治家観について書かせて下さい。

 私は政治テロを許さない

ということを前提として読んで頂ければと思います。
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■政治家の必要条件

 政治家に必要な最低条件とは、

  ①短期的な政策(ビジョン)
  ②中長期的な展望に立った政策(ビジョン)

であると考えます。

 民主主義社会で難しいのは、主権在民と言いつつも、②の中長期的な政策が、「短期的な国民の声」と相反するようなことが珍しくはないことです。
 「消費税」「所得税」「法人税」など税金の論議がその典型ですね。
 税金だけではなく、国家・地域の未来に関する論議はもっと難しい。

 古い例ですが、1960年(昭和35年)6月23日の「日米安保条約改定」「安保闘争」を挙げることができます。

 「日米安保条約」については様々な論議があり、ここで述べるのはあくまで私個人の持論です。

 結論を言えば、戦後日本が豊な経済大国となったのは、「日米安保条約」のためです。
 勿論、弊害もありましたし、「右」や「左」の方々からは異論・反論はあるでしょう。

 当時、安保条約改定に反対した方々は、「日本が米国の属国化する」「東西冷戦に巻き込まれる」というのが主な反対理由だったと考えます。

 しかし、当時の岸信介首相は、50年、100年後の日本のビジョンを考え、
 短期的にも東西冷戦というリアル・ポリティクスを冷静に観た上で、
 「安保条約改定」に踏み切ったと私は考えます。
 (現実にソ連の脅威もありましたし、北朝鮮の工作員にはやりたい放題やられました)

 『バカの壁』など養老孟司さんの著著を読んだことのある方はおわかりでしょうが、
 日本人の深層心理において、「保守」と「革新」は逆転していたのですね。

 「保守」と言われる自民党のほうが新しい日本のビジョンを持っており、
 「革新」といわれる勢力のほうが「反米愛国」、新しいことには反対。
 労働組合や学生運動は、旧帝国軍人のノリ。。。
(三島由紀夫は、1969年の東大安田講堂に立て篭もった学生が「玉砕」せず投降したことを皮肉りましたが・・・)

 「55年体制」において「野党」に政権担当能力がなく、「何でも反対の万年野党」であったの対し、
 自民党は「派閥」という「党内の党」で揉まれていたのですから勝負にならなかったのは当然です。

 政治家は選挙に当選するため(苦笑)、選挙民の支持を得なければならないのですが、
 時には、選挙民や国民から反発をくらっても、50年後、100年後のために意思を貫かねばならないこともある。

 つまり、
エリートにならなければならない
ということです。それは、
国民と同じ視線を持ちつつも、
全体を俯瞰した視線も持つ“二重の自己”
という存在たらねばならぬ

ということなんですね。

■私と政治

 私の母方の祖父は、埼玉県の小さな町(今は市制を敷いていますが)の町議会議長でした。
 私が幼稚園に入るか入らないか?という頃、休日、選挙カーに乗って祖父の名前を連呼する母を、
 すごく冷めた目で見ていたのを覚えています(笑)。
 私が選挙が好きではないのは、そのときのトラウマのせいかもしれません。。。

 祖父は当時、自民党のタカ派に近かったと思います。
 地域(農村)振興に功績があった祖父は他界する前、天皇陛下から勲6等を頂きました。
 小学生時代の夏休み、祖父母の家に泊まっていた私は、よく祖父と「政策論争」をしていたようです(笑)。

 私が中学校1年生のとき、祖父は他界しましたが、私にとって十分、尊敬してやまない大好きな祖父でした。

(余談ですが、祖父が経営していた会社の社員さんに、『いま、会いにゆきます』の著者、市川拓司氏のお父さんがおられたそうです)

 高校生になり「反抗期」の私は、戦前・戦後の著名人の如く、通過儀礼のように「左」に傾きました。
 それもハンパな「左」ではありません(苦笑)。最も先鋭的な「左」でした。
 人様の人生を変えてしまったこともありますし、
 棺桶まで持っていかなければならない事実もあります。
 詳しくはここでは書けませんが(^_^;)。

 大学に入学した私は、政治的な事柄への関与はパタリとなくなってしまいました。

こんなことやってらんねぇや、飽きたし
 
 現在の私は、「保守か革新か?」という時代遅れでパラダイムの有効性を失った質問を受ければ、
 「保守でしょうね」と答えるでしょう。

 しかし、政治に行動的に関与することは強く封印しております。
 選挙の投票行動は別ですけどね。

 昔の会社時代、仲良くしてもらった30代の友人が現在、民主党から荒川区議会選挙に立候補しているようですが、私は応援しておりません。彼の政治理念に共鳴しつつもです。

 逆に、数年前、彼の選挙事務所のスタッフから、不躾に「街宣を手伝って下さい」との同報メールをもらったときには、

  「それは失礼でしょ! 本人から直接頼まれたのならともかく」

と彼の事務所にレスしました。(その後、謝罪のレスを頂きました)
 私、彼個人のことは大好きですし、プライベートな飲みでしたらいつでもお付き合いしますが(^_^;)。

 昨年知り合った、やはり30代の女性の友人も、民主党から渋谷区議選に立候補しています。
 もちろん、私は関わっていません。
 心の中で、「頑張るんだよ~♪」と思う程度です。

 そういう私は、政治に行動的に関与することを封印しているわけですが、
 それは、

封印を解く覚悟がない

からでもあるのです。

*仕事のこともありますけどね(笑)。
 それに「お願いします!」を連呼するような馬鹿馬鹿しいことは御免です。
 「どうか政治家になって下さい!」とお願いされれば、
 「まっ、しょうがねぇか・・・」と重い腰を上げますが。(冗談です-笑)

■私の政治家像と危機管理

 では、私にとって封印を解くこととは何なんでしょうか?

 それは、命を賭けること です。

 比喩ではありません。
 文字通り、政治家とは命を狙われてしかるべき存在であるということ。
 そこまでの覚悟がなければ、エリート ではありません。
 しかも危機に晒されるのは自分だけではない。大切な家族だってそうです。
 例えば今の私のように(笑)、日々の暮らしで精一杯で超短期的な我儘を言うような国民の声に耳を貸すことなく、中長期的視点に立った政策を立案する、ということは相当の覚悟なくして出来ません。
 地方議員・首長であっても本質は変わりません。
 (尤も、今の政治家が恐れるのは、テロよりも「落選」でしょうけどね-苦笑)

 さらに、
テロを受けることを極力防がねばならない
ということも重要なのです。

エリート とはそういう存在なのです。

 政府首脳のようなSPを地方議員・首長につけることはまず不可能でしょう。
 それにどんなに警備を堅くしても、米国のケネディ大統領、イスラエルのラビン首相のように暗殺の凶弾に倒れてしまった方々もおります。

 しかし、無防備ではいけない。

 政治のお話ではありませんが、かつてオウム真理教によって坂本弁護士一家が殺害されるという惨い事件がありました。

 私が死者に鞭打っているように誤解される方もいらっしゃるかもしれませんが、
彼は自分と家族を守らねばならなかった
のです。

 故 坂本弁護士は、教団のテロルを想定し、出来る限り警戒し、
 最低でもご家族だけは安全な場所に住まわせるべきだったのです。
 
  「自分は正しいのだから堂々と生活する」

という甘い言説と態度は、
エリート=大切なポジションにいる人
には許されないのです。

 故 坂本弁護士と対立関係にあった神奈川県警の犯罪性には強い怒りを覚えますが、
 地元の警察も自分の味方ではなかった=敵だったのですから、尚更です。

 故 坂本弁護士は政治家ではありませんが、教団との闘いのなかで「大切なポジション」にいた「エリート」です。
 本質的には同じ話なのです。

 今回の伊藤長一長崎市長狙撃事件は、暴力団幹部の方との自動車トラブルが原因のようです。(今の時点では)

 トラブルについての全容解明は今後の捜査の進展を待つしかありません。
 伊藤市長の自己防衛意識と行動については、今現在、詳しいことはわかりません。

 しかし、長崎は広島とともに世界でただ二ヶ所の被爆地です。
 長崎市長といえば、1990年、「天皇陛下に戦争責任があった」と発言された本島市長が右翼に狙撃されるというテロがありました。

 伊藤市長がどれだけテロリズムに対して警戒していたのかはわかりませんが。

暴力は許せない!
と言うのは正しいことですが、百万回言っても何の解決にもなりません。

(注)
 この記事を書いている私が、テロリズムに断固反対ということは前提ですからね。

 尤も、上記のようなことを指摘できるのは、私の高校生時代の体験という裏打ちがあるからなんです。複雑な心境ですけどね。。。
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 余談ですが、2月でしたか(?)、自民党がタレント候補を擁立したい云々というニュースを見つけ、mixiの日記に

  こういう悪しき「大衆迎合」にはウンザリです。
  あんた達は「民放」か?
  視聴率と得票率を混同するんじゃありませんよ!!!
  芸能人候補、そして芸能人議員の皆さん、あんたら命賭けられんの???

と怒りの日記を書いたことがあります。。。

 まぁ、東国原宮崎県知事は、勉強もしてきましたし、私は認めますが。

 またまた余談です(笑)。
 命を賭けておられるかわかりませんが、私が「政治家らしい政治家」と思っている
 唯一の政治家はこの方です(↓)。あくまでも私の主観で、「支持」とは別ですが。

 

 mixiでは、「麻生太郎氏の口の悪さを楽しむ会」(7,722名)に参加しております。

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