昨夜(11月27日)、ビデオジャーナリスト神田敏晶さんの講演の講演を聴いてきました。神田さんとお会いするのはBarTube(旧「.Bar」)以外では初めてなんですが、彼のお話はとてもエキサイティングです。
講演タイトルは、「Web2.0でビジネスが変わる」。神田さんのベストセラーと同じです。
今回は、以前書かせて頂きました、クリエーターマッチングのSNS「XSHIBUYA(クロスシブヤ)」と、東京商工会議所の連動セミナーでした。
まとめをここに記すことはしませんが、問題意識を特に刺激した事柄をランダムにかいつまんで、自分の考えを記してみます。
■ユーザー視点のWeb2.0
「顧客志向」「お客様第一主義」というスローガンを掲げながらも、実は「上司第一主義」という企業は多いですよね。(注)
既存の発想に囚われ、「ユーザー視点=自社のメリット」ということに気がつかない場合は意外に多いものです。一つの例ですが、自社のホームページにライバル会社のリンクを貼るということ、これ、Web2.0時代には大切なことなんです。何故なら、「検索サイト」から来るユーザーは、あなたの会社(の商品)とライバル会社(の商品)を比較するケースが多くなるからです。一度「検索サイト」に戻ってしまったユーザーがあなたのサイトにまた来る確率は低くなります。しかし、リンクを貼っておけば、ライバル会社のサイトに移ったユーザーは、「戻る」ボタンひとつであなたの会社のサイトに再訪する確率が高まるんですね。
一ユーザーとしての自分の行動を考えてみれば一目瞭然の「常識」です。
(注)私、井上秀二、「お客様第一主義」は掲げません。Win-Winの「対等なパートナー」と考えますので。それに出来もしない奇麗ごとをスローガンに使うのは大嫌いです。そんな建前の押し付けが教育・社会の荒廃を生むのです。もしスローガンを掲げるのなら、それを実行できる人だけで会社を運営すべきだと考えます。
■やっぱ、Productは基本だね
昨今、「口コミ マーケティング」という言葉が氾濫していますね。しかし、よく考えるまでもなく、「口コミ」と「マーケティング」は対立概念なんです。形容矛盾も甚だしいですね。企業(サプライサイド)がプロモーションとして、自然発生的な「口コミ」をコントロールしようとする。ある意味、「天に唾を吐く」行為です。先日のNHK番組がらみの「女子大生ブログ炎上事件」を聞くにつけ(炎上させるブロガーは嫌いですが)、「アホやなぁ・・・」と思わずにはいられません。
ブロガーはお金では買えません!
ところで、「マーケティング・ミックス(4P)」って聞いたことがあるでしょうか?
Product(商品)、Price(価格)、Place(流通・チャネル)、Promotion(販促・広告)。
「口コミ マーケティング論者」の方が語るのは、主に「Promotion(販促・広告)」のフェーズですね。勿論、「口コミ」が発生するようなプラットフォーム、仕掛けを構築することは可能ですし重要です。「バイラル・マーケティング」「バズ・マーケティング」も頭から否定はしません。私も研究していますし、ある程度の「仮説」は持っております。
しかし、最も大切なのは、「Product(商品)」なんです。「ヒットの必要条件」とでも言いましょうか。さらに「4P」がうまくミックスされて「必要十分条件」になるのです。
良くねぇ商品なんざ、口コミの土壌があっても誰も取り上げねぇぞ。
当たり前ですよね。その代わり、良い商品は、
頼まれなくても誰かが勝手に言いふらすようになるんですよね。その「土壌」を整備すればいいんです。
注意しなければいけないのは、コントロールしようとしないことです。コントロールしようとすることこそ、「天に唾を吐く」行為です(バレなくてもそのうち痛い目に遭うでしょう)。
■音楽2.0
ここが最も興味深いテーマなんですが、あえて3つのキーワードと、それらに付随することを列挙するのみに留めます(笑)。未来のことを真剣に考えておられる方は、ピンとくるでしょう。
1.アーティストとコミュニティのネット複合型企業
2.ビッグアーティストのインディーズ化
3.好きなときに好きな音楽を好きなように売る(ユーザーは、同じように「享受」する)
神田さんは、パリス・ヒルトン(神田さんのブログご参照のこと)や、プリンス、イアン・ギラン(Smoke This!」)、ボブ・ディラン、マドンナのサイトを取り上げながら、これら「Web2.0」的なビジネスモデルを解説されました。
これらのビジネスモデルが日本で、いつ頃までに、どの程度、普及・定着するのか?
こんな大切な予測をタダ(無料)で知ろうなんざ、虫が良すぎますね、私も含めて(笑)。不肖、この私の研究テーマとさせて頂きます。既成の「ブランディング理論」を進化させた理論も必要になりますからね。
■マスメディアの行く末は???
実は私、最近になってから『テレビCM崩壊』を読んだのですが、マス4大メディアの中で最も影響力の強いTV(とCM)が今後、どのような“姿”になっていくのか強い興味を持っております。テレビ東京系列の『田舎に泊まろう!』で、第一線にいるとは言えないような「芸能人」が、どんな山奥や離島に行っても「知られている」のはTVの功績ですからね。
神田さんのご持論として興味深いのは、「ネット偏食」という概念です。「自分と近い、知り合うべくし知り合った人々」とのコミュニティ情報をキーとした「付き合い」が、“ムラ社会”“型社会”を形成していく。「自分に興味のある」情報・知識・知恵との接触が増えるということになりますね。
そんな状況に対して、「自分の好きな情報だけと接触していたらいけないよ! 世の中にはまだこんなに色んなことがあるんだよ」ということを広く知らしめるのがマスメディアの役割となるそうです。“偏食の是正”ですね。神田さんは“ノイズ”と表現されてましたが、私の見解をミックスすると、“必要なノイズ”とでも言いましょうか。
また、“貧乏人はデジタル、金持ちはアナログ”という未来予測は説得力がありますね。『日本経済新聞』が月々2万円になったらたまりませんけど(笑)。でも、それも非現実的な話ではありません。程度は違いますが、音楽関連商品ではすでにそういう兆候が見えてますしね。
***************************************************************************
まだまだ書きたいことはあるんですが、キリがありませんので・・・。
今日も雨模様で寒い1日でした。。。
と言ってますが、今日はまだ外出しておりません。
自炊をしない私、これから夕食を食べに行きます。ではまた♪
**************************************************************************
お読み頂き有難うございます。
(↓)クリックの程、宜しくお願い申し上げます。
講演タイトルは、「Web2.0でビジネスが変わる」。神田さんのベストセラーと同じです。
今回は、以前書かせて頂きました、クリエーターマッチングのSNS「XSHIBUYA(クロスシブヤ)」と、東京商工会議所の連動セミナーでした。
まとめをここに記すことはしませんが、問題意識を特に刺激した事柄をランダムにかいつまんで、自分の考えを記してみます。
■ユーザー視点のWeb2.0
「顧客志向」「お客様第一主義」というスローガンを掲げながらも、実は「上司第一主義」という企業は多いですよね。(注)
既存の発想に囚われ、「ユーザー視点=自社のメリット」ということに気がつかない場合は意外に多いものです。一つの例ですが、自社のホームページにライバル会社のリンクを貼るということ、これ、Web2.0時代には大切なことなんです。何故なら、「検索サイト」から来るユーザーは、あなたの会社(の商品)とライバル会社(の商品)を比較するケースが多くなるからです。一度「検索サイト」に戻ってしまったユーザーがあなたのサイトにまた来る確率は低くなります。しかし、リンクを貼っておけば、ライバル会社のサイトに移ったユーザーは、「戻る」ボタンひとつであなたの会社のサイトに再訪する確率が高まるんですね。
一ユーザーとしての自分の行動を考えてみれば一目瞭然の「常識」です。
(注)私、井上秀二、「お客様第一主義」は掲げません。Win-Winの「対等なパートナー」と考えますので。それに出来もしない奇麗ごとをスローガンに使うのは大嫌いです。そんな建前の押し付けが教育・社会の荒廃を生むのです。もしスローガンを掲げるのなら、それを実行できる人だけで会社を運営すべきだと考えます。
■やっぱ、Productは基本だね
昨今、「口コミ マーケティング」という言葉が氾濫していますね。しかし、よく考えるまでもなく、「口コミ」と「マーケティング」は対立概念なんです。形容矛盾も甚だしいですね。企業(サプライサイド)がプロモーションとして、自然発生的な「口コミ」をコントロールしようとする。ある意味、「天に唾を吐く」行為です。先日のNHK番組がらみの「女子大生ブログ炎上事件」を聞くにつけ(炎上させるブロガーは嫌いですが)、「アホやなぁ・・・」と思わずにはいられません。
ブロガーはお金では買えません!
ところで、「マーケティング・ミックス(4P)」って聞いたことがあるでしょうか?
Product(商品)、Price(価格)、Place(流通・チャネル)、Promotion(販促・広告)。
「口コミ マーケティング論者」の方が語るのは、主に「Promotion(販促・広告)」のフェーズですね。勿論、「口コミ」が発生するようなプラットフォーム、仕掛けを構築することは可能ですし重要です。「バイラル・マーケティング」「バズ・マーケティング」も頭から否定はしません。私も研究していますし、ある程度の「仮説」は持っております。
しかし、最も大切なのは、「Product(商品)」なんです。「ヒットの必要条件」とでも言いましょうか。さらに「4P」がうまくミックスされて「必要十分条件」になるのです。
良くねぇ商品なんざ、口コミの土壌があっても誰も取り上げねぇぞ。
当たり前ですよね。その代わり、良い商品は、
頼まれなくても誰かが勝手に言いふらすようになるんですよね。その「土壌」を整備すればいいんです。
注意しなければいけないのは、コントロールしようとしないことです。コントロールしようとすることこそ、「天に唾を吐く」行為です(バレなくてもそのうち痛い目に遭うでしょう)。
■音楽2.0
ここが最も興味深いテーマなんですが、あえて3つのキーワードと、それらに付随することを列挙するのみに留めます(笑)。未来のことを真剣に考えておられる方は、ピンとくるでしょう。
1.アーティストとコミュニティのネット複合型企業
2.ビッグアーティストのインディーズ化
3.好きなときに好きな音楽を好きなように売る(ユーザーは、同じように「享受」する)
神田さんは、パリス・ヒルトン(神田さんのブログご参照のこと)や、プリンス、イアン・ギラン(Smoke This!」)、ボブ・ディラン、マドンナのサイトを取り上げながら、これら「Web2.0」的なビジネスモデルを解説されました。
これらのビジネスモデルが日本で、いつ頃までに、どの程度、普及・定着するのか?
こんな大切な予測をタダ(無料)で知ろうなんざ、虫が良すぎますね、私も含めて(笑)。不肖、この私の研究テーマとさせて頂きます。既成の「ブランディング理論」を進化させた理論も必要になりますからね。
■マスメディアの行く末は???
実は私、最近になってから『テレビCM崩壊』を読んだのですが、マス4大メディアの中で最も影響力の強いTV(とCM)が今後、どのような“姿”になっていくのか強い興味を持っております。テレビ東京系列の『田舎に泊まろう!』で、第一線にいるとは言えないような「芸能人」が、どんな山奥や離島に行っても「知られている」のはTVの功績ですからね。
神田さんのご持論として興味深いのは、「ネット偏食」という概念です。「自分と近い、知り合うべくし知り合った人々」とのコミュニティ情報をキーとした「付き合い」が、“ムラ社会”“型社会”を形成していく。「自分に興味のある」情報・知識・知恵との接触が増えるということになりますね。
そんな状況に対して、「自分の好きな情報だけと接触していたらいけないよ! 世の中にはまだこんなに色んなことがあるんだよ」ということを広く知らしめるのがマスメディアの役割となるそうです。“偏食の是正”ですね。神田さんは“ノイズ”と表現されてましたが、私の見解をミックスすると、“必要なノイズ”とでも言いましょうか。
また、“貧乏人はデジタル、金持ちはアナログ”という未来予測は説得力がありますね。『日本経済新聞』が月々2万円になったらたまりませんけど(笑)。でも、それも非現実的な話ではありません。程度は違いますが、音楽関連商品ではすでにそういう兆候が見えてますしね。
***************************************************************************
まだまだ書きたいことはあるんですが、キリがありませんので・・・。
今日も雨模様で寒い1日でした。。。
と言ってますが、今日はまだ外出しておりません。
自炊をしない私、これから夕食を食べに行きます。ではまた♪
**************************************************************************
お読み頂き有難うございます。
(↓)クリックの程、宜しくお願い申し上げます。
東京は楽しい人がいっぱいですなー
皆さんの活躍を身近に感じられるのも
webならではですねー
地方もそれなりに楽しいっすけど(笑)
どもどもです!
コメント感謝でおじゃります(^_^)
私も、神田さん・佐藤さんに刺激を受けるにつけ、ゴミゴミした東京もまんざら悪かねぇなぁ、と思います(笑)。
よっしゃ! 2007年こそ中洲へ行くぞ!!!
行くぞ!!!
行くぞ~!!!
(アビスパ福岡さんの残留・降格にかかわりなくね-笑)
mixi黎明期は、広がりばかりが感じられましたが、
安定してくると一種村社会が自然とできていくんですね。
人が集まることの宿命なのかもです。
でも、知らないうちに、その中に閉じこもっている
んじゃないか? という危機感みたいなのを感じて
最近は、できるだけネットの外との接触を今まで以上に
増やすようにはしています。
それにしても、このセミナー面白そうでしたね。
行けばよかった。。。
ホント、人が集まることの宿命ですよね。
もちろん、私、「もしmixiをやってなかったら?」と考えると鳥肌が立つほど、mixiの恩恵を受けてますけど。
>最近は、できるだけネットの外との接触を今まで以上に
増やすようにはしています。
それはいいですよね。
>それにしても、このセミナー面白そうでしたね。
行けばよかった。。。
ゴメンなさいです。前々から興味のありそうなお友達にはご案内くらいはしようかと思ってたんですが、今回はできませんでした。また機会がありましたらお誘いします★
拙の社会での経験則と符合する話も多いですね。
(資生堂の話なんか身につまされました)
ここで取り上げられている「ネット偏食」という概念は
拙にとっても興味深いものでした。
ちょうど1ヵ月前の拙ブログ(3月9日の記事)で
雑談ですがそれに近いことを書いていました。
近頃危機感を感じているのがまさにその「ネット偏食」。
ネット型ムラ社会はもはや害悪の塊じゃないかとすら思ってます。
(蛇足ですが、拙の知人だった女性に、
mixiのクローズド機能で
マイミク以外の交流を完全に遮断しはじめた者もいて、
40にもなるいい大人がそれってどうよと。
これってコミュニケーション不全症候群か?
本当にそうだとしたら悲惨すぎて笑えない。
ちなみにそんな人から拙は絶対的に嫌われてます。
こんなあからさまなことは自分のブログじゃ書けませんが。笑)
自分の精神にも悪影響を与えかねない
ネット偏食を是正しなけりゃいけない。
拙が一時意識的に遠ざかっていた新聞や
テレビのニュースを見るのはまさにそんな意味もありました。
“貧乏人はデジタル、金持ちはアナログ”なんて、
すでにそうなりつつありますね。
拙は今も新聞は2紙(日経&朝日)取ってますが、
昨年、収入が激減していつ新聞をやめようか散々悩みました。
デジタルを取ってアナログを捨てるかなんて、
そんな表層的なことで二者択一に流されるようになったら
おしまいだと思ってます。
3月9日の路傍の石さんの日記、すでに拝見しておりました。
「ネット偏食」に対する焦り・憤りを強く感じておられますね!
私も2年前からmixi、昨年10月からこのブログを始めましたが、とても素晴らしい出会い(仕事・プライベート)というメリットを享受しつつも、やはり、リアルの大切さも痛感しています。
>こんなあからさまなことは自分のブログじゃ書けませんが。笑)
よくわかります(笑)。
>拙は今も新聞は2紙(日経&朝日)取ってますが、
>昨年、収入が激減していつ新聞をやめようか散々悩みました。
私も昨秋の退職後、何度、新聞を止めようか? と思ったことか(苦笑)。
私は日経と日経MJの2紙ですが、日経は堺屋太一氏の「世界を創った男 チンギス・ハン」を愛読してますし、止めたくはないですね。
>デジタルを取ってアナログを捨てるかなんて、
そんな表層的なことで二者択一に流されるようになったら
おしまいだと思ってます。
至極、同感です!