菅江真澄の著作の中に、下北地方を歩いていて一夜の宿を借りた家で「何も食べるものが無くて」と言われながらもヒエしとぎを出されて食べたというくだりがあります。
以前に読んだものなので、ヒエだったのかアワだったのかの記憶がおぼろげですが、雑穀で作るしとぎもあるのかと、驚きとともに今でも思い出します。
青森県南部地方でしとぎといえば豆しとぎが一般的です。
固めにゆでた青豆を砕いて米粉と混ぜて小判形にまとめた、ほんのり甘いお菓子のような存在で、スーパーでも売られています。
東北地方と九州にもみられるしとぎは、現代では米粉を使って作られていますが、農民が米を食べる機会の少ない時代においては、菅江真澄の見た「ヒエしとぎ」のように雑穀を材料として作られていたと考えられます。
よく似た食べ物に「たんぽやき」「たんぱやき」があって、秋田名物のきりたんぽは有名ですし、岩手県北では小麦粉の生地を南部せんべいの焼型で焼いた「たんぱやき」もあります。
穀類をつぶし成型して加熱する、または加熱した穀類をつぶして成型した後に加熱という調理手順が、同じ文化内の食習慣であるように感じます。
以前、縄文クッキーが話題になっていた時期がありました。
縄文遺跡から出土した、クリやドングリをつぶし成型して加熱したもので、その中から動物性の脂肪が検出されたとの発表から「クッキー」と命名されたと記憶しています。その後、動物性脂肪については異論もあり、現在は植物性の材料だけで作られたのではないかとの認識に変わっています。
動物性脂肪が使われていないのなら、クッキーというよりも「しとぎ」に近い食べ物のように思いますし、なにより現在も東北地方で縄文時代と同じ食習慣を保ち続けているなら、それは壮大な歴史ロマンを感じます。
縄文時代の食べ物が、今もスーパーに並んでいると思うと、急に豆しとぎを食べたくなってしまうのです。
しとぎばなし
「シトギ」から「すとんぎ」へ
最近は写真を撮っていない事に気が付きました。
文章とは何の関係もない今日の写真は、昨年撮ったキクザキイチゲです。
青森県では、まだ開花期ではないのですが、春の花が待ち遠しい季節なので。
以前に読んだものなので、ヒエだったのかアワだったのかの記憶がおぼろげですが、雑穀で作るしとぎもあるのかと、驚きとともに今でも思い出します。
青森県南部地方でしとぎといえば豆しとぎが一般的です。
固めにゆでた青豆を砕いて米粉と混ぜて小判形にまとめた、ほんのり甘いお菓子のような存在で、スーパーでも売られています。
東北地方と九州にもみられるしとぎは、現代では米粉を使って作られていますが、農民が米を食べる機会の少ない時代においては、菅江真澄の見た「ヒエしとぎ」のように雑穀を材料として作られていたと考えられます。
よく似た食べ物に「たんぽやき」「たんぱやき」があって、秋田名物のきりたんぽは有名ですし、岩手県北では小麦粉の生地を南部せんべいの焼型で焼いた「たんぱやき」もあります。
穀類をつぶし成型して加熱する、または加熱した穀類をつぶして成型した後に加熱という調理手順が、同じ文化内の食習慣であるように感じます。
以前、縄文クッキーが話題になっていた時期がありました。
縄文遺跡から出土した、クリやドングリをつぶし成型して加熱したもので、その中から動物性の脂肪が検出されたとの発表から「クッキー」と命名されたと記憶しています。その後、動物性脂肪については異論もあり、現在は植物性の材料だけで作られたのではないかとの認識に変わっています。
動物性脂肪が使われていないのなら、クッキーというよりも「しとぎ」に近い食べ物のように思いますし、なにより現在も東北地方で縄文時代と同じ食習慣を保ち続けているなら、それは壮大な歴史ロマンを感じます。
縄文時代の食べ物が、今もスーパーに並んでいると思うと、急に豆しとぎを食べたくなってしまうのです。
しとぎばなし
「シトギ」から「すとんぎ」へ
最近は写真を撮っていない事に気が付きました。
文章とは何の関係もない今日の写真は、昨年撮ったキクザキイチゲです。
青森県では、まだ開花期ではないのですが、春の花が待ち遠しい季節なので。