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青森市桜川物語

2010-07-30 | 青森
青森市の桜川といえば春の桜がトンネルのように続く桜並木で有名です。
4月下旬には桜川町内会と桜川商店会によるライトアップや、道路を車両通行止めにしての祭りが開催されています。
青森市内で一番早く咲きだすといわれ枝ぶりの良い大木である桜川の桜は、40年程前に一人の人物の寄付によって植えられたのでした。

昭和41年、それまでは田んぼの広がるこの地区に青森県住宅供給公社が桜川団地を造成し、同年に分譲を開始しました。当初この道路にはプラタナスが植樹されていましたが、42年に青森市の議員による視察の際に、すでに入居していた住人から「桜川という地名なのに桜の木は一本もない」という話が出て、当時青森市議会議員であった山上清三郎氏が個人でソメイヨシノの苗木900本程を寄贈しました。
43年春、十数戸の住民総出で、桜の木は一日で植えられたそうです。山上清三郎氏は荒川に住んでいましたが、氏の呼びかけにより荒川の住民有志もバスに乗って桜川の植樹の手伝いに出かけたとも聞きました。
当初は900本近くあった桜の木も、枯れたり傷んだものを伐採し、現在は350本。
植樹に携わった桜川住民にも桜の木は分けられ、現在でも何本かは個人の家の庭にも植えてあるとのこと。


私がこの話に興味を持ったのは、ネット上の友人であり故山上清三郎氏の孫でもあるK氏の話からでした。
「祖父さんは借金で桜の木を植えたけど、残した借金の返済が大変だ」
K氏は30代で釣りの好きなナイスガイ。今でも借金返済のため家業に勤しんでいます。
今の世の中では不思議に思われるこの話の経緯が知りたくなって、青森市に問い合わせたところ桜川町内会に関連資料があると聞き、K氏と一緒に桜川町内会事務所を訪問してきました。
夏祭りの準備に忙しそうな事務所で、現在の桜並木の状況や当時を知る方からの説明を聞き、資料も見せていただきました。毎年春の祭りの写真は大勢の見物客で賑わっていて、この桜並木が多くの人から愛されていることがわかります。
花びらや落ち葉の掃除が大変だという話に続いて、
「でもこの桜があってよかった。私たちは山上桜と名付けてもいいと思っている」とも。

K氏によると、山上清三郎氏は周囲に迎合したり擦り寄ったりはしない人だったという。ただ思いつきで突拍子もないことをする所があると。
「桜がない」という住民の言葉が山上清三郎氏にとってどんな意味があったかは知る由もありませんが、その後山上氏は三内霊園や陸軍墓地、横内から雲谷までの旧道にも桜の植樹をしています。


津軽方言に「もつけ」という言葉があります。
現在では、お調子者・お人よし・おだてに乗る人、という意味で使われているそうですが、「人の嫌がる大切な仕事を買って出る人」という意味もあると聞いた事があり、その意味で山上清三郎氏はまさに「もつけの人」だと感じました。
町づくりに必要なのは、ばか者・若者・よそ者。40年も前にすでにその役割を買って出ていた山上清三郎氏の残した桜は、今でも地域の核になり多くの人の目を楽しませています。
後日、この話をブログに書くための承諾をK氏に問い合わせたところ、「むしろ名誉なことです」という返事を貰いました。
「今、やんちゃな子を一人預かっているんですよ」そう語るK氏も「もつけ」の血をひく一人なのでしょう。

 




7月のイベント

2010-07-27 | 青森イベント
9日~9月26日  吉田初三郎 鳥瞰図展   三沢市先人記念館
10~19日    ヒメボタル鑑賞会   二戸市 折爪岳山頂付近
17~18日    十和田湖湖水まつり
         なんだりかんだり写真展      八戸市 ハナミズキホール
18日      たねいちウニまつり    洋野町種市海浜公園
         青い森カヌーフェスティバルin小川原湖
20日~24日   恐山例大祭
24日       南郷サマージャズフェスティバル2010  八戸市カッコーの森エコーランド


土地の記憶

2010-07-27 | 民俗
道端のお地蔵様とか道祖神、庚申塚を見るとなぜか興味が湧きます。
地方においても新しい住宅が立ち並び、かつての村落の姿を見ることはできませんが、住宅に挟まれてひっそり佇む小さな石仏は昔の人の生活の中で流れてきた時間を感じさせます。

現在の地域の景観は、市町村での都市計画に沿って公園や学校や歩道などか造られ、個人や企業による建築物が建てられています。
行政での基本計画にはそこに住む人々の意思はどれほど取り込まれているのでしょうか。
地域が農林漁業主体の集落であった頃は住人の総意として、集落の境界や辻に石仏などのランドマークが置かれ、集落の中央や集落と山の間には神仏を祭る場所が造られたように思われます。
これらに出資したのは裕福な個人だったのかもしれないし共同での出資だったのかもしれないけれど、集落全員にとっての心の拠り所として機能したはずです。
今でも夏には集落ごとの小さな祭りがありますが、祭りに合わせてお地蔵様に新しい頭巾と前掛けを着せるのも、ほんの少し昔にはごく自然に行われていた年中行事だったと記憶しています。

都市化もしくは過疎化で集落の形が変わっていく時、条文化もされずに続いていた習慣は少しずつ忘れ去られ、ほとんどの人にとってその意味は分からなくなっても石仏は残り続けています。
青森に住んでいると、そんな小さな遺産に残る記憶はまだまだ生きていると感じます。

 百万遍の石碑にに飾られた御幣。

子供手当ての問題点

2010-07-23 | ニュース
児童虐待の現場では、明らかな虐待の痕跡が認められるか保護者の同意がある場合でなければ被虐待児の保護はできません。
圧倒的に多いのが虐待が疑われるがはっきりとした痕跡のないケースです。
子供もすべてを語りませんし、保護者も虐待を認めなければ子供を家に帰さざるを得なくなります。
保護者は子供を引き取ることを希望しますが、引き取ったからといって暴力や育児放棄がなくなるわけではない。しかし親は子供を引き取りたがる。

子供に手当がつく今の制度は子供を手元に置くことで現金を貰えますが、経済的に苦しい家庭で虐待がある場合は特に、この手当てが子供の保護を遅らせることもあります。
子供手当ての考え方は悪いことではないのですが、子育ての費用として給食費や保育料、授業料の形で支出をしてもらいたい。
経済的に苦しい家庭においては子供の数が収入に結びつき、家庭と離した方が子供にとってはベターと思えるケースでも、なかなか難しくなっているのが現状です。



子ども手当の効果あり?滞納保育料、納付17%増 ・・・以下記事より・・・・・
 子ども手当の支給が始まった6月、千葉市で滞納分の保育料の納付額が前年比で2割近く増えたことがわかった。
 同市は子ども手当の支給に先立ち、滞納世帯に対し、「子ども手当の有効な使い方」として支払いを促す納付催告書を送付していた。市保育運営課では「一定の効果があったのではないか」とみている。
 同課によると、子ども手当の支給開始4日前の6月7日に保育料を滞納している全1049件分に催告書を送付した。滞納世帯に催告書を一斉送付したのは、子ども手当支給に合わせた今回が初めて。催告書では「子ども手当の有効な使い方の一つとして、ぜひご検討ください」と支払いを促す一方、市に連絡してこない場合には預貯金などの差し押さえを執行することも明記した。
 その結果、6月末までに滞納世帯から242件の連絡があり、6月の滞納分の保育料納付額は約1500万円と、前年同月比で17%増加した。
 また、小学1~3年生を対象にした子どもルーム(学童保育)利用料の滞納については、子ども手当の支給開始直後に、滞納者のうち今年度も利用している162件に電話で支払いを促した。この結果、6月は滞納分の回収額が127万円と、前年同月の約6倍だった。
 ただ、今後も継続的に回収が進むかどうかは不透明だ。同課は「子ども手当の支給のたびに催告書を送付しては効果が薄れてしまう」として、今後の対策を検討している。今年3月末現在、同市の保育料の滞納総額は約2億円、子どもルーム利用料の滞納総額は約6000万円に上っている。





懐かしい園芸植物 リュウゼツラン

2010-07-22 | ガーデニング
小さい頃、近所に芝生の庭のある白い大きな家があり、その家の玄関前にこの花が植えられていました。
幼かった私はもっとカラフルな花が好きで、素敵な家の庭を飾るのにこの花を植える大人の好みがよく分からなかった。「もっと綺麗な花を植えればいいのに」そんな風に思っていたことを思い出しました。
ただ、そんな家に植えられていたイメージは強く残っていて、この花を見ると「上流」とか「高尚な」といった連想がどうしても浮かび上がります。
今ではクリームがかった白い花と銀葉の組み合わせが落ち着いた美しさだと感じるようになったのですが、それは年齢による好みの変化なのかもしれません。

昭和の時代に流行した花で今でも所々で見かけますが、最近は販売されることもなく、この花が植えられているのは古くからある家ばかりです。
それも庭のメインとしてではなく、なんとなく隅の方に押しやられた感じで咲いています。
青森県内では今が花の季節で、この花を目にする度に、小さかった頃の自分と今の私が心の中で意見対立しているような不思議な感覚に陥ります。


リュウゼツラン科キミガヨラン属 アツバキミガヨラン(厚葉君が代蘭) 
学名 Yucca gloriosa
寒冷地には向かないと説明されることも多いのですが、青森県内でも育っています。
リュウゼツランの名前で呼ばれる事が多いのですが和名はアツバキミガヨラン。







燈りや

2010-07-21 | 蕎麦
尾上の町から少し外れた場所に、茅葺き屋根の古い民家で食事のできる手打ち蕎麦店があります。
このあたりで道に迷った時に目に付いて、いつか入ってみたいと思っていた"燈りや"さん。
久しぶりの津軽方面ドライブで立ち寄ってきました。
手打ちの蕎麦はコシがあるのにつるっとした不思議な食感で、ツナギは何かが分かりませんが暑い日にはぴったりの美味しい蕎麦でした。
不思議といえば、窓も玄関も開け放っているのに室内はひんやりと涼しく、茅葺き屋根の断熱効果のためなのかをきちんと聞いてこなかったのが悔やまれます。

まだまだ残っているとはいえ古い茅葺き民家は少なくなりつつあります。
古民家の多い青森県でも実際に入ることの出来る場所は少ないでしょう。
私もそうですが古い建造物ファンは多く、古い建物のある風景は美しいと感じますし、古民家を移築しての再利用も増えています。
レストランなど気軽に立ち寄れる営業形態であれば、食事と共に古民家の雰囲気も楽しめます。
そんな場所がもっとあったら喜んで通うのですけど。







場所    平川市金屋中松元24-1
営業時間  11:00~15:00 17:30~23:00
定休日   火曜日






夏は涼しく 浄仙寺

2010-07-20 | 名所 旧跡
青森も梅雨明けなのか暑い日が続いています。
暑い日は山の上に限る、とドライブがてら出かけた黒石市の浄仙寺ではちょうど「黒森山 雅楽と花菖蒲まつり」という雅楽の演奏会がありました。
雅楽をライブで聴くのは初めてでしたが、「雅」という文字が表わしているように西洋楽器とは違った美しい音が本堂に溢れて暑さを忘れるひと時になりました。

東北地方で雅楽を聴く機会はほとんどなく、この演奏会も偶然居合わせただけでした。
それでも次の機会があればまた聴きに行ってみたい演奏会で、開催予定などを知る方法を探しています。
ちょっと涼みに行くつもりでしたけれど、素晴らしい偶然と幸運に感謝しています。

境内には茶店もあって、湧き水で淹れたコーヒーを味わえます。

 
 



読経の金額

2010-07-16 | 思うこと
お布施に目安 賛否569件 「自分も困った」賛成85%(産経新聞) - goo ニュース

実家の父の葬儀や四十九日が終わったばかりで、葬送のしきたりなどの記憶の新しい所へこのニュースでした。
実家には菩提寺もありますが、この金額設定は高すぎると感じます。
ちなみに菩提寺は神奈川県内で都会と言える場所。
宗派ごとの世間で言われている相場をあまり知らないので、実家の場合がどのような位置あいにあるかは分かりませんが通夜・葬式二日間の僧侶へのお布施が16万。
ただし戒名は生前に知人に付けてもらっています。
セレモニーホールを借りての葬式で、葬儀社の助言も入れて妥当な金額ではないかと思います。

この他に四十九日法要を菩提寺で執り行いましたが、こちらは同じ檀家の方から3~4万と聞き、あまりの安さにびっくりしました。
墓地関係の仕事の方なので事情に明るいのでしょう。
お布施の金額に悩むのは、葬式以外に寺で法要することもない現代の儀式離れの習慣もあるのでは。
寺に行かない、相場が分からない、聞く人もいない、大目に払う。
そんな繰り返しがお寺に対する不信感になって、また足が遠のく。
双方に不幸なスパイラルが出来上がって行きます。


菩提寺での法要は先々代から続いています。
檀家として読経を上げてもらう、それは家族や親戚が続いてきた歴史を感じるひと時だと思うのです。
懇ろにあげていただく読経はとても素晴らしいものでした。






夏は糠漬け

2010-07-15 | 料理
1ヶ月前に発酵済みの糠床というものを貰ったので久し振りに糠漬けを漬けだしましたが、これが美味しくない。
真空パックに入った発酵済みの商品だったのに、塩分が多すぎるのと発酵が未熟のため糠漬けらしい味ではなかったので、甕に移して美味しい本格的糠床にするべく2週間。
捨て漬けや香り付けをして、発酵を進めるためと塩分調整のために糠を足し、やっと美味しく漬けられるようになりました。
2週間もかかるのなら糠を用意して初めから作っても同じような気もするのですが。

糠漬けは大変だとよく言われていますが、何十年物の糠床が良いというわけではないと思っています。自分でも何度か作っていますが、発酵食品ですから新鮮な発酵状態の時が美味しいと感じます。
昆布・にんにく・生姜・山椒など香りや風味付けを使えば、比較的短時間で糠床は出来上がります。
糠漬けにして美味しい野菜は夏野菜が多いので、夏の間だけ使ったら秋には捨ててしまう。
この先何年も、と思うから大変なので、夏だけのものと思っていれば気軽に始められます。
今年の夏の間はキュウリの糠漬け。季節感があって良いものです。





モズの子育て

2010-07-14 | 青森自然
昨日巣立ちをしたモズの子供は生垣の中で静かにとまっています。
巣立ちといっても巣から飛び立つのではなく、巣の近くの茂みなどで動かずに親鳥が運ぶ餌を待っています。
親鳥は子供の位置を覚えていて、別の場所にいる雛たちに餌を運んでいるのですが、まだよく飛べない雛にとってこの時期は一番危険です。
親鳥も雛がほかの動物に襲われないよう非常に警戒していますし攻撃的です。
スズメと同程度の大きさのモズが、近づくカラスに対しても攻撃を仕掛けています。
わが家の生垣にいますが、私が近づいても親がすぐにやってきて威嚇するので近くからの観察も難しくなりました。

「キチキチキチキチ・・・」
と甲高く鳴く警戒音と、雛の餌をねだる声で庭はとても賑やかです。
私も子供たちが小さかった頃は、よく大きな声で子供に注意し続けていました。
目を離せば好き勝手な方向へ走っていく子供3人を育てながら、なぜ人間には手が2本しかないのだろう、などと思っていたものです。手の足りない部分は大きな声に頼るしかありません。
賑やかなモズの声を聞いていると親近感が湧いてきて、心の中でエールを送ってしまいます。