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謎の作庭流派 大石武学流

2013-10-28 | 青森文化芸術
津軽方面の名庭を見学すると、『大石武学流』の名前がそこかしこで聞かれます。
京都から来たと云われていますが、この大石武学流は京都だけでなく西日本一帯にもみられない不思議な造園流派です。
それがなんと、四十七士の討ち入りで名高い大石内蔵助に縁があるという。

大石内蔵助の叔父が津軽に来て、大石武学流の祖になったという説を聞きました。
津軽藩には元々「大石」という姓があったのかどうかは寡聞にして知りませんが、「京都から来た」と云われるこの流派ですから、西日本方面から津軽藩内にやってきた人がいるはずです。
調べてみると、大石内蔵助の祖父の兄弟の息子が津軽藩に出仕しています。
この人が「ブザエモン」と名乗っていて大石武学流の祖になった、というお話でしたが、真偽のほどは分かりません。
元禄の頃、そんな歴史があったのかもしれないし、真実は別にあったのかもしれない。
ただ、そんな歴史の合間の不思議なつながりがあったとしたら、それは面白いなあと思うのです。


揚亀園

その話を聞きに行くため通った黄葉の道が今日の写真です。
山はもう秋ですね。


超訳 びじゅつの学校

2013-04-19 | 青森文化芸術
超訳 びじゅつの学校が終了しましたね。
十和田市現代美術館でのイベントです。
私も、ほんの数度だけ参加しました。
自分の中で煮詰まっていた時期でもあり、何かからエネルギーが欲しいと思っていた時でもあって、学生時代に夜が白々と明けるまで作品制作に没頭していた時の自分の、白々と明けた夜空にため息を漏らすような、そんなパワーをもう一度思い出してみたいと思っていたからです。
あの頃、絵を描くのが好きだった。食べる事より寝る事よりも。
あのエネルギーは、いったいどこから溢れ出していたのかが、今となっては謎なのですが、若い頃は何かに没入するエネルギーというか、そんな物がありました。
大人になって自分の仕事を始めた時に、若かった自分とは決別する瞬間があって、それ以前の楽しみも同時に子供時代に置いてきたような、そんな感覚を持っています。
それは自分が生きていくための覚悟を決める瞬間だったりして、それはそれで納得できるのですが、置き去りにしてしまった夢や楽しみの事を思い出すたびに、今の自分に足りない物の存在を感じてしまって、辛くなるような気がするのです。
もう一度、あの頃の楽しみを取り戻すのは、それは悪い事じゃ無いと分かっていても、躊躇してしまいます。「いまさら」という言葉とともに。
睡眠を削って制作に没頭するほどの体力も、もう残ってはいませんし。

それでも物を作ることが好きで、出来上がった時の深いため息の感動を知っている身としては、こんなに楽しい事は他にありません。
自分の都合の付くほんの数時間を利用して、ささやかな作品を作り出す時間こそが、本当は一番大切な時間なのではないか、と思う、そんな体験をしました。
作品制作に没頭していた頃の自分と、長い時間を超えて会えたような、そんな体験でした。




槍と刀剣展 高照神社

2012-08-18 | 青森文化芸術
豊臣秀吉は人をたらす(誑す/蕩す)事に長けていた、と何かの歴史小説で読んだ記憶がある。
戦国時代の下剋上を成り上がる人物を主として集まる武人達は、身分も実入りも保証されるわけではなく、それでも誰かを主として選ぶその過程において、求心力とはなんだったのか。もちろん将来性も指標の一つではあるでしょう。
近・現代の暴力団抗争史などを読んでいると、生命の保障すらない世界で主を選ぶ時には、人間に「惚れる」ような何かを持つ人物に人は付いていくのではないかと思わせられます。
親分のためなら死ねる、と思わせる「何か」を持っている事が、「たらす事に長けて」という表現になるかもしれないけれども、それは現在「たらす」が持つ、人を騙すような意味合いとは別物とも思います。
もっと強烈な魅力とか溢れ出る生命感とか、人間的な大きさのようなものではないかと。
そんな歴史上の人物の人物像を想像するのも悪くない。

秀吉から津軽為信が拝領した太刀が、高照神社の槍と刀剣展で展示されています。
すでに天下人に王手をかけていた秀吉の、人をたらす迫力を感じさせる太刀。そして時代が下るごとに美しい波紋を持つ刀など。
明治の廃刀令で津軽藩家臣がここへ奉納した多くの日本刀や槍、長刀、甲冑があり、武士の魂と云われた日本刀の、吸い込まれるような美しさをまとめて見られる青森県内では唯一の展示です。

槍と刀剣展 
期間   8月31日まで
開館時間 10:00~16:00
休館日  火曜日
拝観料  300円  小学生以下 無料  
※毎年8月に刀剣の手入れを兼ねて開催しているとのこと



高照神社拝殿の大絵馬や津軽信政廟所、境内のウラジロモミの巨木も合わせて見学できます。
 
 






佐京窯

2012-07-12 | 青森文化芸術
是川縄文学習館の奥の展示室の狭い展示ケースの中に、ぎっしりと晩期の縄文土器が並べられていた頃は、その乱雑ともいえる展示を眺めているのが好きでした。
まるでフリマの商品のように無造作に置かれていながら、その一つ一つは最高の芸術品の輝きを持っていて、眺めているだけで豊かな気分になっていたものです。
ライティングなど美術品の展示方法には、自分なりの好みもあって気になる部分も感じる事がありますが、小さな破片までが持つ強烈な存在感が、光の当たり具合などの細かい事を超えていたのだと思います。

是川遺跡から出土する晩期縄文土器の波型模様は、その高いデザイン性が現代にも通用する美しさを持っていて、しかし欲しいと思っても現在は入手できるものではありません。
階上町のはずれにある佐京窯は、そんな縄文土器を忠実に再現した焼き物を製作しています。
自宅に窯とギャラリーを併設されていて、作品の販売もしています。
ギャラリーの作品を眺めているだけでもとても楽しいのですが、もしどうしても欲しくなった時は気合を入れて買ってしまおうと考えています。
生活の中に気に入った美しい物があるのは、それはとても豊かなような気がして。

 


「ご自由にご覧ください」の看板が紫陽花の葉に隠れていて、本当に自由に入ってもいいものか悩ませる入口。

佐京窯  国道45号線を八戸から南へ 種市町手前を左折 看板あり







大川亮回顧展 

2011-11-08 | 青森文化芸術


11月3日から6日の間、平川市で大川亮回顧展が開かれていました。
大川氏生家での絵画等の展示と、大光寺公民館での民芸作品の展示です。
コギン刺しというものを今までまとめて観た事は無かったのですが、裏表両面とも美しく、そしてデザインの斬新な素晴らしさもあり、青森県の手工芸品として真っ先に挙げられる理由が理解できたように感じました。


明治14年生まれの大川亮は、青森御陵林局と軍役を経て大光寺村の村会議員となり、大凶作で苦しんでいた農家のために「農事研究会」を、さらに「農閑工藝研究所」を創設し、工芸技術の保存と普及により農家の収入の向上を図りました。
東京美術学校に籍を置いた時期もあり美術的な才能があったため、工芸作品のデザイン考案や技術指導をこなして、大正14年の全国副業品博覧会ではこの研究所から出品した作品が一等から三等までを受賞したとのと。

生家はどっしりとした茅葺屋根の民家で、美しい建築物として鑑賞できますし、収集していた美術品も、無名の画家の作品であっても見ごたえあり、美しいものに対する感性の非常に高い人物だったのでしょう。
青森の魅力はこんな所にもあったのだと感動した、そんな一日でした。


 





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青森お気に入り美術館

2011-06-04 | 青森文化芸術
知人が青森に来た時に、美術館が見たいと言えば頭に浮かぶのがこの三つです。

棟方志功記念館
土蔵のアトリエ 常田健
お山のおもしえ学校

どんな基準で選んでいるかと言えば、青森らしさ。鑑賞環境が整っていること。そして作品内容と雰囲気です。
鑑賞環境とは、ライティングや、ガラス越しでなく直に作品を観て迫力を感じられるかで、ただ芸術作品の保護の観点からはぎりぎりの選択になっていることと思います。
青森県立美術館のアレコも迫力があって素晴らしいのですが、「らしさ」を堪能したいのであれば、今のところこの三つでしょうか。あくまで個人的にですが。
もうちょっと広く見ると、縄文土器は美術品として素晴らしい。
充分に観賞価値があると思うのですが、美術品というより歴史資料としての展示がなされる場合が多いようです。
縄文土器を芸術として鑑賞できる「美術館」があったら素敵です。

八戸市縄文学習館




津軽三味線日本一決定戦

2011-05-04 | 青森文化芸術
毎年恒例の津軽三味線日本一決定戦を、今年も観戦してきました。
震災もあって、新幹線で参加した方や東北を盛り上げるために参加した方もいて、そんなインタビューを聞いていると嬉しくなります。
毎年見ていて、それなりの結果になるので納得していますが、今年はちょっとクエスチョンマークのつく結果でした。

音楽には好みがあります。
技術だけではなくて、一つの音の響きの集まりの中に音楽の美しさを感じるかというのが、技量を超えた感性の中にあって、美しい音の集合体が美しい音楽だと私は思います。
演奏には技術も必要であって、その技術の上下も当然ながらあるのですが、では技術だけが音楽の美しさを作り出すのかといえば、それは違います。
一つの曲の中に感動があるのか。
曲の流れの中で物語が表現できるのかどうか、そんな観点と、一音ごとに美しい音を奏でる技術が相まって聞く者を感動に導くと思います。

今年は違和感を感じる結果でしたが、それでも感じ方は人それぞれなので、あくまで自分の感想でした。
演奏の途中で撥を折ってしまった女性奏者も、昨年の演奏を聴いて今年も期待していました。技術・感性共に来年の演奏を期待しています。



二つの生誕100年

2010-05-08 | 青森文化芸術
同じ青森で同じ年に生まれ、どちらも芸術の道を歩み、共に長命であった二人の青森人の生誕百年が今年です。
どちらも関連イベントが数多く予定されています。




青森県立郷土館ニュース

常田健展
【会場】 青森県立郷土館特別展示室
【会期】 平成22年4月16日(金)~5月16日(日)
【開館時間】 9時~17時(4月)  9時~18時(5月)
【入場料】 1,000円(800円)※( )は前売・団体(20名以上)料金 
学生割引/入館時学生証を提示により割引(800円) 小・中学生は無料
【展示作品】  油彩画(新発見作品を含む)     約80点
      ペン画(新聞小説挿絵)       約30点
      デッサン・資料(新発見資料を含む) 約30点

【主催】 常田健生誕100年委員会・常田健土蔵のアトリエ美術館・東奥日報社・RAB青森放送
【共催】 青森県立郷土館





高橋竹山 オフィシャルブログ

高橋竹山生誕100年記念コンサート
【会場】平内町体育館 入場無料
【日時】2010年8月16日(月) 昼12時30~

【主な出演者】二代目高橋竹山、高橋竹童、西川洋子、高橋竹音、、二代目成田雲竹女、竹伸会(平内町)、高橋竹山会(青森市)、竹勇会(埼玉)他

【主催】初代高橋竹山生誕100年記念コンサート実行委員会





八戸市 帆風美術館

2010-04-27 | 青森文化芸術
八戸市の北インター工業団地内にある帆風美術館では、5月16日まで『江戸時代人に出会う展』が開催されています。
江戸時代の著名人の肖像画と美人画での構成で、学生の頃教科書で見た見覚えのある人物画もありますが、名前だけは知っている人物の肖像画など、心の中で出来上がっている人物イメージとは違う風貌を眺めていると意外な感覚を覚えます。
美人画では、その衣装の柄のデザインが現代から見ても斬新なことに驚きを感じました。
江戸時代の日本人のデフォルメやデザインの能力は、海外の芸術家にも影響を与え、ジャポニスムとして知られています。

印刷会社の技術の集積が見られるこの美術館ですが、印刷物のあふれる現在でも美術品の印刷による再現は一般の印刷物とは異なる技術を必要としています。
新聞の白黒写真を虫メガネで見ると、細かい黒い点から出来ているのが分かるのですが、黒い点の大きさによって濃淡が表現できます。
カラー写真の印刷物も、このような点を4色(マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック)のインクを使って重ねることで出来上がります。
美術品の場合は色の再現性はより高度なものが求められるため、違う印刷技術を使ったり、インクの色を増やしたり、多くの修正が必要になります。
また、一度撮影した写真を原稿にするために、撮影時点での元の美術品との違いというものも出てきます。

帆風美術館は普段なかなか見ることのできない美術品の複製を楽しみながら、本物とはどのように違うのか、印刷技術はどれほど高度なのか、そんないくつかの楽しみ方を同時に味わえる美術館でした。

 

帆風美術館 
青森県八戸市北インター工業団地1-5-2 八戸グリーンハイテクランド内  
開館時間  10:00~17:00    
休館日:月・火・土(祝日は開館)







小さな美術館ミモザ

2010-03-29 | 青森文化芸術
八戸市の美保野にある『小さな美術館ミモザ』では4月9日まで、銅板打ち出しと魚拓彩画展が開催されています。
魚拓彩画に興味があって初めて見学に行ってきたのですが、展示数は少なくてもなかなか見ごたえのある絵画ばかりで、セレクトの良さに呻らされてしまいました。
併設している喫茶店では美味しいコーヒーも出しているのですが、絵画に詳しいお店の方の話を聞いているのがとても楽しい時間でした。

こちらでは2~3週間単位で色々な展示会を催していて、主に地元の作家作品が鑑賞できます。
展示希望の方は無料で展示できますし、公募写真展も企画しているとのことで、写真に自信のある方はぜひ申し込んでみてください。

 


小さな美術館ミモザ
青森県 八戸市 大字美保野 13-928
営業時間  11:00~18:00 (11/1~3/31の冬季間は17:00まで)
定休日   日曜日 月曜日