毎日幸せに in青森

ヒトはどんなときに幸せを感じるのか?
形而上の話を形而下に

ブログランキングに参加しています

人気ブログランキングへ にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 青森情報へ

南部氏庭園秋の開園

2010-10-29 | 名所 旧跡
八戸市売市にある南部氏庭園は青森県南には数少ない江戸時代からの日本庭園のひとつです。
毎年春と秋には開園日を設けて公開されています。
公開日には市民ボランティアガイドの方もいて、庭の見所や歴史なども詳しく説明してくれて、見学者にとっての配慮も行き届いていました。

この庭を造ったのは、薩摩藩島津家から1838年に婿養子に来た八戸藩9代藩主の南部信順。
鹿児島の風景を懐かしんで造ったといわれるこの庭は、馬渕川を海に見立て八甲田山を桜島に見立てたのか、庭園内でひときわ目立つ三本のモミの木の間から高田大岳を望める場所が見所となっています。
大名庭園としては小さな庭ですが、明治以降この土地を切り売りしていったためではないかとも思える造りであり、作庭当初の形を想像するのもまた庭園鑑賞の楽しみの一つです。
鹿児島の名園である仙巌園[磯庭園]と比べてみると、故郷の雄大な風景を求めていた薩摩人の思いまでが伝わってきます。





10月のイベント

2010-10-27 | 青森イベント
3日    天台寺秋の例大祭
9日10日  コミュニティカフェ交流イベント  津軽海峡フェリー青森ターミナル2F
9日~11日 恐山秋詣り
      ひがしどおり新そば街道まつり
11日    オータクコレクション
17日    新田そばまつり
21日~24日 常田健土蔵のアトリエ美術館 開館日
23日~31日 裂織と人形  南部町ハッシャゲニア 11:00~17:00
24日     ALLDAYS古間木 JR三沢駅 10:00~15:00
28日~11月1日 南部氏庭園秋の開園





新蕎麦の季節

2010-10-27 | 蕎麦
最近になって蕎麦の味に目覚めまして、そういえば青森には蕎麦どころもたくさんあるという、そんな再発見をしました。気づくのが遅すぎるのですけど。
そういえば新蕎麦の手打ちを食べなければと向かったのは、七戸町にある婆古石です。
10月中は新蕎麦まつりですが、土日祭日のみの営業ですから今年は今週末が最後のチャンスでしょう。もちろん新蕎麦でなくても美味しいと評判のお店です。

今月は県内各地で新蕎麦まつりがありましたが、行きたいと思いつつも行けなかったので、これからの新蕎麦祭りをピックアップしてみました。
今週末には南郷新そばまつり、11月7日には戸鎖新そばまつりなど。
岩手県では11月3日に二戸市浄法寺地区で新蕎麦まつり、11月7日は久慈市で水車まつり
まだまだ新蕎麦の季節は続きます。




婆古石そば
場所 青森県七戸町山屋119-2
営業時間 11:00~15:00
土・日・祝日のみ営業



ALLDAYS古間木

2010-10-26 | 青森イベント
地方の町は何処でも、とても懐かしい雰囲気を持つ場所があって、でも地元の人にとっては見慣れ過ぎた場所でもあって、その魅力に気がつかない場合が多いと感じます。
古い建築物などは、都会ではもう見られない希少性や歴史を感じさせる魅力で溢れているのに、マイナスのイメージとして捉えられてしまいます。
そんな魅力を再発見できたのが24日の三沢駅前のイベント「ALLDAYS古間木」でした。
美術品などもそうですが、説明があればより深く鑑賞することができますし、その説明に物語性があるとさらに魅力が増します。物語の要素は時間と人の生活や思いの織り成すドラマで、そのまま歴史とも言えるかもしれません。
古い建物を会場にしたこのイベントでは、会場となった建物の歴史も交えたギャラリートークが充実していて、写真や古い玩具などの展示物をただ眺めるだけよりもっと踏み込んだ鑑賞ができました。
また来年も開催して欲しい、そしてもっと育ててほしいと思えるイベントでした。

古い建物であっても所有者がいて、その生活に組み込まれているために観光資源としての活用にはなかなか至らないことも多いのですが、今回のイベントではこんな形で公開できるという一つの方法が浮かび上がってきます。
先日も東北町で古民家レストラン開店のニュースがありました。
古い物には価値がある、それこそが地方の魅力だと私は思うのですけれども、そんな取り組みも少しずつ始まっています。
誰も使わずに朽ち果てていく香りを放つ建物が、人に使われ生きている香りに変わって行くのは、とてもワクワクする話です。

 






揚亀園

2010-10-25 | 名所 旧跡
津軽藩ねぷた村の中にある揚亀園は明治時代に作庭された庭です。
大石武学流の代表的な庭園ということで、弘前市の日本庭園巡りにははずせません。

日本庭園といえば寺社庭園・武家庭園・大名庭園としての成立が多い中、青森県内の日本庭園は商家や豪農の作る個人の庭としての庭園が多い。
そして近代以降の作庭が多く、中央から離れていても文化を求める個人の気持ちの現れなのか、競い合うように作庭をしています。
京都から来た造園法といわれた「大石武学流」も、元であったはずの京都では全く知られずにこの地方だけに存在する流儀であって、津軽の負けず嫌いな一面を表しているとも感じます。

揚亀園も一実業家の造った庭園で、津軽の日本庭園としての流れを正しく踏襲しているようで、そんな意味でも代表的なのでしょう。
この庭からの岩木山は茶室の前からしか見えません。初期の頃の周囲の樹木や町並みなどは分かりませんが、茶室に上げる客に対してだけ一番の景色を見せるための「もてなしの庭」だったのかもしれません。

 





県名勝 貞昌寺庭園

2010-10-22 | 名所 旧跡
弘前の日本庭園の中でも、味のある庭といえば新寺町の貞昌寺庭園。
入り口から眺める庭と、小道を歩いて庭を巡った後では印象ががらりと変わる不思議な庭です。

公開はされているものの住職の私的な住まいでもあるため、庫裏に見学の申し出をして受け入れてもらってから庭へ回ります。
目の前は芝生が広がり明るい庭ですが、左手の築山への道を歩き出すと、まるで深い山の中のような雰囲気へと変わり、池の裏手を通って一番奥まった場所にある東屋までの景色を楽しめます。
わずかな距離でありながら次々と見せ場が現れるなか、やはりこの庭にも岩木山は隠されていて、それを観させるためにこの庭は設計されているのだと感じました。
この庭では作庭者は「いかがでしょうか」とソフトに語りかけてくる、そんな感覚を持ちました。

作庭者は江戸時代の茶人野本道玄。他に齋藤酒造の庭なども作庭しています。
津軽といえば大石武学流の庭が多い中、茶人の作庭が観る人をうならせる、ひねりの効いた庭でした。


 




日本庭園の楽しみ 藤田庭園

2010-10-21 | 名所 旧跡
長部日出雄の小説の中で、津軽三味線の弾き方を話すくだりがあり、
「初めに一の糸でドデン(びっくり)させて、三の糸で聴かせる」
そんな記述を思い出したのが、弘前市にある藤田記念庭園でした。
「借りぐらしのアリエッティ」のモデルとなった盛美園の人気から、日本庭園にも注目が集まっていますが、津軽地方には素晴らしい日本庭園が数多くあります。
その一つである藤田記念庭園は、庭園入り口の門を潜った途端に借景の岩木山が目に飛び込んできて「最初にドデン」させられます。

津軽地方の日本庭園の作庭にあたっては岩木山は借景として重要であると以前にも書きましたし、もちろん弘前城からも岩木山を望めます。津軽地方の名庭といわれる庭は岩木山の観せ方に趣向を凝らし、必ず何かどこかにそんな見せ場のための仕掛けを隠していると感じます。
藤田記念庭園でも、園内を歩きながらそんなポイントを見つけることができました。
その場所では「三の糸で魅せる」という表現がぴったりと当てはまるように、作庭者の意図を聴く事ができます。
すでに鬼門に入っているであろう作庭者の、「どうだ」とでも言いたげな声が聞こえてきそうな素晴らしい眺めを目にしながら、日本庭園の面白さをあらためて感じてしまいました。
紅葉の季節には、色づいた落葉樹の赤や黄色によって、また違う美しさを見せてくれるのでしょう。


・・・・・・追記・・・・・・
藤田記念庭園はミシュラン・グリーンガイド・ジャパンで星一つを獲得していますが、この庭園の「縁側」も独立して星一つの評価になっています。
縁側でいただく抹茶が高く評価されているのですね。

 
 
 





郷土資料館の香り

2010-10-16 | 思うこと
縄文土器や民具に興味があって、青森県内の郷土資料館を見て歩くことがあります。
青森は遺跡の多い土地なので、近年の開発によって調査が進み、各市町村ごとに発掘された土器や石器などの遺物が展示されています。
小さな資料館であっても意外と素晴らしい土器が展示されていたりして、そんな土器に出会うことが楽しみの一つになっています。でもそんな資料館は見学者も少ないらしく、せっかくの歴史遺物がもっと多くの人に鑑賞されるような方法はないものだろうかとも思います。

民具は近年まで実際に生活を支えていたため、未だ数も多く残っていてその価値も低く見られているのが展示法を見てもわかります。
民具を展示している場所はどこも同じように黴のような古い香りがします。
生活道具として生きていた頃は、きっと木や煤や食べ物などの、今とは違う香りがしたはずです。
役目もなく置かれている民具ではなくて、生きて働いている民具を見てみたいと、この頃よく思います。
きっと全く別の表情を見せてくれると思っています。






現代のシャーマニズム 赤倉神社

2010-10-14 | 民俗
今年の春早くに、少し認知症のある老婦人が散歩に出たまま行方不明になりました。
家族は心配して必死に探したらしいのですが見つからず、特にお嫁さんは責任感からうつ状態になっていたので、知人が占い師を紹介したそうです。
占いによって罪悪感や後悔の意識を少しでも緩和できたのか、お嫁さんはうつ状態から抜け出すことができたと聞きました。
占いの結果というより、カウンセリング効果が役立ったのだろうと思える話でした。

青森にはイタコやゴミソ、オカミサンなど、占いをする人がいます。
平成になってから新しくイタコになった人はいないけれども、オカミサンは今でも志す人が絶えないと聞きます。
ゴミソの本社となるのがつがる市の高山稲荷神社で、調べてみると、大正時代からゴミソに神習教(神道の教派)の教導職免許状の斡旋をしたとありました。
高橋竹山の奥様もゴミソで、この高山稲荷神社で免許を受けているとも。
二百基の鳥居が並ぶ!高山稲荷神社!!アオモリ探検隊より

オカミサンの修行の場所としては、岩木山麓の赤倉神社があります。
岩木山への登山道入り口にあたり、赤倉沢のガレ場が修行の場所になっています。
赤倉神社周辺には主祭神の違うお堂が数多くあり、まだ新しい建物も多く、現在も信仰を集めていることが伺えます。


青森の民俗信仰に興味を持って赤倉神社を訪れてみましたが、神道に融合しながら現在も信仰が広まっている生の姿を垣間見た気がしました。
パワースポットとも言えるのでしょうが、生々しすぎて少し違うとも感じます。ただ社会の通奏低音ともいえる民俗文化の、音源のひとつであることを強く感じました。





高機能の悩み

2010-10-12 | 子供のこと
広汎性発達障害の中でも知的に障害のないものが高機能広汎性発達障害といわれます。
「知的に障害」の意味は知能指数がおおむね80以下を指し、それ以上であれば「高機能」で、しかし発達障害自体は同じようにあるわけです。
義務教育を受けるにあたって、学業に支障がない程度の知能があるとみなされれば普通学級に編入することが一般的な対応となりますが、学級運営のために発達障害に対する対応が充分ではなくなることも多いと聞きます。
発達障害といえども人間としての感情はあるので、他の生徒と同じ行動ができない場合の周囲の反応に心が傷つき、精神疾患の発症を引き起こすという二次障害への注意も必要になります。

高機能であるために発達障害に気づくのが遅れる事例も多く、発達障害の診断を受けてからでも、学業に遅れがないためにサポートが不十分な事もあります。怠けているととられる場合も多い。
目の見えない人に「よく見ろ」とは言わないはずですが、高機能発達障害はすぐにそれと分かるものではないために、本人には出来ない要求を突きつけられています。

発達障害を持つ子供は真面目である事が多く、本人は精一杯の努力をして、そして力尽きるように学校に行けなくなる。
もちろん私も含めて、周囲の人がもう少し理解しないといけないのかもしれません。

世界初、「バーチャルAD/HD」を開発