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かわら食道

2012-09-27 | 美味しいお店
昭和の雰囲気を強烈に醸し出す、八戸のかわら食堂。
雰囲気だけでなくメニュー全体の価格も昭和そのままで、大丈夫だろうかと心配してしまうほど。
それでいて味はなかなか美味しく、今まで食べた事のある大ハズレな店をあれこれ思い出しながら感動も味わえる、そんな食堂です。
何といっても入店するのに勇気がいるほどの風格があり、その佇まいは間違いなく八戸の名店と思いました。某テレビ番組には出ないのでしょうか。



 

神棚のある店内と、配達バイクが風格に色を添えます


かわら食堂





三頭木とはなにか

2012-09-26 | 巨樹・巨木と伝承 三頭木
東北巨木調査研究会で提唱している「三頭木」は、山の神の信仰がある三つ又の木を意味しています。
これは、ミツマタという名前の樹木があるためと、もうひとつ、単に三つ又の形状になっている木と何がしかの信仰がある、もしくはあったと推測される木を識別するために使っています。
八甲田のブナの巨木「森の神」も見事な三つ又の木で、周囲に社などの信仰の形跡はないものの、周囲の木は皆伐採されているのに、不思議と切られずに残っている巨木です。
この地域で今も残っている「三つ又の木には神が宿るから切ってはいけない」という言い伝えがあり、信仰心に関わる理由のために残されたと考えています。

しかし、山の神の憑代といわれる木は形だけで決められるものではなく、昔の人々が神の憑代として認識していたかどうかが重要になってきます。
明らかに山の神の宿る木であると、はっきりと分かる巨木が岩手県水沢市の一本木のコブニレです。社が無く鳥居には「山神社」の遍額が掲げてあり、この木自体が御神体になっています。
根元から大きく左右に分かれた幹部分をよく見ると、折れて朽ち果ててしまったらしい太い支幹の跡が分かります。元々は三つ又の樹形であったため、このように祭られているのでしょう。

一本木のコブニレ 日本の巨樹・巨木より




もう一つは階上町平内にあるホウノキで、やはり地際から三つ又に分かれたホウノキに向かう小道には鳥居があり、木の横には小さな社もあります。
鳥居には扁額は無いものの、鳥居をくぐって見上げると正面にあるこの木が御神体であろうと推察できますし、このホウノキは三つ又であるだけでなく二本の支幹が2mほど先で癒着している「窓」(連理)を持っていて、昔の人々がこの木を見て神の宿り木と認識したと想像できます。




三頭木とは、
 ○昔の人々が
 ○神の宿り木との共通認識を持つ
 ○理由である形としての三つ又の樹形 であり
 ○実際に信仰の対象になっていたか、伐採されずに残されていた
このような定義が出来るかと思います。
これについてご意見などありましたら、ぜひコメントをいただきたいので宜しく願いします。
 





横枕観音と大慈寺観音

2012-09-24 | 名所 旧跡
南部糠部三十三観音の九番札所の大慈寺観音と十番札所の横枕観音は、八戸中心街から徒歩で10分ほどの長者山にあって、この長者山は他にも騎馬打球で有名な新羅神社など多くのの寺社が集中している場所です。
中心街のビルの看板が木々の間から時折見える、そんな場所にありながら山中の雰囲気を持つ不思議な所です。

南部糠部三十三観音の社は、千社札や参拝者名簿がたくさん貼り付けられていて、寺の敷地内にある観音堂であってもすぐにそれと分かります。
よく見るのが「齋藤一人」の千社札で、納税番付によく登場するあの方です。
こちらではマイナーな三十三観音ですが、その魅力に惹かれる方も多いですし、遠くから来てくれる方もいる観光資源でもあります。
チーノあたりから歩いて中心街近辺の観音巡りをするのも楽しいかもしれません。
商業集積地と隣り合わせにある意外性がとても面白い。
ただ、この辺りは道が狭く入り組んでいて、注意しないと迷子になってしまう交通の難所でもあります(笑)


大慈寺の観音堂


南宋寺本堂 横枕観音は本堂内に安置されている
 
南宋寺にある八戸藩主墓所とイチイの巨木







黒石 おしゃべりはうす10

2012-09-22 | 蕎麦
新蕎麦の季節まであと少し。
自分で打つ蕎麦もそれなりに上達したものの、気が向いた時に打つだけでは初心者に毛が生えた程度のもので、ぴしっと締ったプロの味には遠く及びません。
臭いを嗅ぎ続けるとだんだんその臭いに鈍感になっていくように、味覚も時にはリセットが必要と思っています。
頻繁ではないけれど外食をしてプロの味に触れるのは、日々の食事の味の維持のためという理由になっています(笑)

黒石市内にある手打ち蕎麦店「おしゃべりはうす10」は、北海道幌加内産と秋田産の二種類のソバ粉から選べる蕎麦の美味しいお店です。
北海道産はもう新蕎麦とのことで、一足早い新蕎麦をいただきました。
外二割は二八よりややツナギが少なくなりますが、コシが強く透明感のある蕎麦になっています。そばつゆは辛めで、ワサビではなく刻んだ唐辛子を蕎麦にまぶしていただく食べ方とともに、蕎麦の香りや甘味を引き立たせるように感じました。
ジャズの流れる喫茶店のような雰囲気も素適な蕎麦店でした。

県内各所では終わりに近い蕎麦の花を見かけます。
あと少しで地元の新蕎麦が出回るのでしょうね。





おしゃべりハウス10
ざるそば 幌加内産 800円
     秋田産  700円
 デザート付きの蕎麦のランチセットもありました。




手しごと展 黒石伝承工芸館

2012-09-14 | 青森イベント
まだ気温は夏ですが、芸術の秋ということで黒石伝承工芸館の「手しごとアート展」に行ってきました。
正直に言えば軽い気持ちではありましたが、実際に見てみると鑑賞できるアートもあるイベントです。
ボタニカルや油彩の他、津軽塗や木工などもあり、また手芸品ありと間口の広い展示内容でした。そしてそれぞれを観ていても、手工芸が好きならどれか一つは気になる物があるような、そんな展示会でした。
オリジナルの一点物を求めるなら思わぬ掘り出し物に出会えるかもしれません。ついつい小さな作品を買い込んでしまった私も心の琴線に触れた一人です。

メインは岩木登氏の青森がテーマの写真展示と、氏の撮影状況をテレビ番組にしたDVD放映でしょう。南八甲田の川の撮影では雪解け水の冷たい川に浸かりながら写していて、その写真が展示されています。
写真家はここまでやるのかという驚きとともに見る写真は、その撮影の苦労を見た分だけの感動が上乗せされます。
写真展としても、手工芸展としてもちょっと呻らせる、そんな展示会でした。

岩木登氏のHPブログも参考までに。

手しごとアート展
黒石伝承工芸館
9月14~16日 10:00~17:00


 
 



野田村 苫屋

2012-09-05 | 美味しいお店
記憶も定かでない小さい頃に、母の実家に行った事がある。
新潟の米どころで、山あいの広い水田に囲まれた大きな茅葺屋根の家で、母の子供の頃は瞽女(ごぜ)の定宿だったらしい。
昼は暑いけれど、夜になると田んぼの蛙の大合唱で、障子を明け放して蚊帳を吊って寝ると涼しかった記憶がある。そしてトイレが遠くて暗く怖かった。
あなた達が来たのだからと餅を搗き、クマザサの葉でくるむ作業を手伝った。笹の葉の香りが移った餅は美味しくて、豪農らしい生活にあこがれました。
豪雪地でもあるため今は廃村になって、墓地だけが残っていると聞き、あの光景は二度とみられないのだと思うと寂しい気もします。

茅葺屋根に惹かれるのは、そんな子供時代の思い出からなのかは分かりませんが、世代に関わらず茅葺屋根の家屋に惹かれる人は多いでしょう。
野田村にある茅葺屋根の美しい南部曲屋の民宿「苫屋」は、電話が無いため予約は手紙・ハガキだけの有名な民宿です。
昼はカフェもやっているので、泊りではなくても立ち寄る事が出来ます。
大きな囲炉裏と黒く光った床。古民家にしては窓の多い建物と思いますが、それでも室内は薄暗い。
今は日常生活で日中でも照明を多用しますが、昔の人はこの明るさの中で生活していたはずです。
そしてテレビの音もなく静かな時間が過ぎていきます。
昔の庶民の娯楽が会話であったことは落語や宮本常一の著作でも書かれていて、語らう事が娯楽の大きな部分を占めていたらしい。お茶を飲みながら主人との会話も楽しくて、リピート率がとても高いと言われるこの民宿の一番のサービスは、故郷へ帰ったようなこの場所の魅力とともに故郷のような会話ではないかと思えました。
会話というのは今でも大切な娯楽なのですね。

野田村観光協会のページ 苫屋







野田村 十府ヶ浦食堂

2012-09-04 | 美味しいお店
津波で被害を受けた野田村は、本当に少しずつ復興しているように見えました。それでも町の中心部からは山積みされた瓦礫が望見できて、復興の足音はまだまだ遅いとも感じます。
元は海側にあった十府ヶ浦食堂が、役場近くに移転して営業しているとのことで、夏休みの一日に昼食を取りに訪ねました。

注文したのは三陸らしいメニューのメカブラーメン。
塩味のスープにワカメの海藻らしい出汁がよく出ていて、メカブのとろみもあってか麺に味がよく絡みます。あっさりしていながら旨味の濃い美味しさです。
海藻出汁が前面に出たラーメンも、「有り」だという新しい発見をしました。
ラーメンを食べに行って応援というのも「有り」ですね。

野田村観光協会のマップ
 
ちょうど正午に陸中野田駅に入る三陸鉄道北リアス線