詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

破棄された詩のための注釈26

2020-10-24 18:48:30 | 破棄された詩のための注釈

破棄された詩のための注釈26
                        谷内修三2020年10月23日

 風が河口の上を渡り、水のにおいを呼び覚ます。「掠め」か「掃き」か。「顔に吹きつける」か「ぶつける」。
 考えている内に、その間に、水の色は変わってしまう。
 欄干にもたれている脇を犬が通っていく。何を見ない。しかし、犬のあとをついていく男は私を見る。
 「無礼に」「さげすむように」「何かを求めるように」。
 いったい、私は何を探しているのか。

 風が水の上を掃き、水のにおいを吹きつける。        

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